ぷらネット!

@Take822

第1話. 流れ星の様な君

「ろくな実績も取れないお前じゃ出来ない。」

………

「お前才能無いから無理。」

……黙ってくれ

「自分の実力分かってる?」

…それでも頑張りたいんだ

「現実見ろよ」

もう見てるよ

「長続きしなさそう…」

決めつけだろ!

「………………」

「街くん、君は何も出来ないんだよ?」


あぁ、久しぶりにみる悪夢だ。どうして自分の脳はこんなものを見せてくるんだ…本当にやめて欲しい。


日光の眩しさに目が覚め、現実を視界に映す。

教室の左側にある座席で眠っていた少年…市瀬 街は会話が苦手で上手く自分を出せず、昔から彼と関わった人の殆どに見下されできた。それに、多岐の分野に渡ってどれも才能がなく、無慈悲に否定されてきた。その為、極端に人が苦手で、会話をすぐに適当な理由をつけて切り、相手と距離を取っていた。そんなこともあり彼は友人が少なく、高校入学からの一週間は休み時間に睡眠をし、授業を受け、放課後は直ぐに帰宅をする日々を繰り返していた。しかし、“そんな日々”にも終わりは来る。

午後三時半の教室に声が響く。

「と、いうことでー!皆さん、部活動の入部について考えて頂きます!」

そうです。部活動です。この高校は部活動強制参加なのです。

「部活動は自分磨きの場でもあり、大切な友人作りにもなる貴重な場面でもあります!」

お…おう…

「皆さんも友人がうんたらとかでは無く、自分が本当に興味を持った部活を選んでくださいね!」

この明るい口調で喋っておられる方は我らの担任、間宮 静 先生です。

とてもお熱く部活について語っていた間宮先生をよこに僕は考える。何部に入ればいいんだ、と。

悩む、運動部はもちろん無しで、文化部に絞ってもまだまだ沢山の部活がある。

「放課後には部活動見学がありますので、皆さんは自由に興味のある部を見て回ってくださいね!」

適当に回って楽そうなのがあれば入るか。

そんな事を考えていると、ホームルームが終わり、放課後になる。

教室の黒板に各部活動の活動場所が書かれている紙が貼られ、生徒たちがそれに目を通しそれぞれの場所へ足を運ぶ。

その中を僕は1人でずっと教室で紙を見て考える。

「あぁ、もうわっかんねー。」

適当に校内を回ろうと思ったが、文化部の活動場所がどれも離れていて校内を回るのが面倒くさくなっていた。

だが、そうして紙を見続けていた結果、ある場所が気になってしまっていた。

「お、屋上…に部の名前が書いてある…」

名前は[天文部]、天体観測とかを行う部…だよな。

「ちょっと見に行ってみるか。」

そうして屋上へと続く階段に足を運んだ。

教室を出て、誰もいない廊下を歩き、階段に着いた。

こうして何かの物事へ挑戦しようとすると、何故か脳裏に嫌な思い出がよぎる。昔から才能のない自分、それをみて周りの人達が自分を否定する。それは部活でも、趣味でも何でもだ。

拳を握りしめて階段を上る。一段一段に怯える。今回もまた失敗して公開するのだろうか。自分は馬鹿だから、たとえ後悔するとしても進んでしまう。

全ての階段を登りきり、扉の前に立つ。

「この扉を開けば…」

唾を力づくで飲み込む。手を伸ばし、ドアノブに触れる。力を込める。そして、回して前方向へ力を入れる。

ガチャ…

音を鳴らしてドアが開く。夕焼けの空の下、肌寒い風を感じながら、目の前の現実に驚いた。

「って、誰も、居ないのかーい^^」

気の緩んだ声で言葉を発した。

見えるのは何もない屋上だった。

「えっ……」

自分のものではない小さい声が響いた。

「ん、ん、すいません、だ、誰か居ますぅ?」

緊張で吃る。

「…………あっ」

「こっこ、こっこ」

声が聞こえた方向へ目線を向けると、そこには塔屋の上で座りながらこちらに軽く手を振っている女子生徒の姿が見えた。

「っ!?」

変な声が出てしまった。

「あっ、危なくないっすか?そこ…」

急に冷静な喋り方で接する。

「大丈夫、大丈夫〜♫」

何が大丈夫なのだろうか…

「そ、そうすか…」

「あなたはなんでここに?やっぱり天文部の見学とか?」

「あ、はい、そうなんです」

「実は私も見学に来たんだけど、これが誰もいなくてね〜」

「よっと!」

塔屋から僕の正面に彼女が飛び下りる。

肩まである黒髪、青い瞳(ジト目気味)の可愛らしい顔つき。

可愛らしいけど、美しくもある容姿の彼女と目が合い、緊張して思わず視線を斜め下に落とす。

「君〜もしかしてこの部活本命?」

「まぁ…今のところは」

「実は私も〜」

「そ、うなんすか…」

やばいやばいやばい話途切れちゃう。

「ところで、君さっきからなんで下向いて話してるの?」

やべ。

「す、すみません、つい癖で…」

「どんな癖?」

「あ、いや、」

「女子の脚見るの好きなの?」

「ちちちち、違います!」

「なら目、合わせて、私の顔を見て話してみて」

ちょ、いきなり胸キュンしかけるって!

「は、はい」

ちょっとニヤケてしまって正面をみる。

「ちょっとカッコイイじゃん〜」

少し長めのボサボサした髪、眼鏡、黒い瞳の自分の容姿を褒められた。

「デュf…それはどうも」

やっちった。デュフって言いかけた。

「嬉しそうだね〜」

「す、す、すいません!、昔からあんまり褒められたことなくてつい…」

「そうなんだ〜、ちょっとそれには共感できるな〜」

「そ…うですか…」

返せる言葉はそれだけだった。

沈黙が流れる。

「…君は何か得意なこととか好きな物はある?」

「っ得意な事は無いですけど、好きな物ならあります」

「ゲームとか、読書とか…まぁ色々です。」

「へぇ〜、好きなゲームはどんなゲーム?」

「あぁ、僕は……」

…………………

驚いた。自分があんな風に話せるなんて…。


あれから長い時間を彼女と話した。


何でだろうか…話しても疲れない………………楽しいといあるのかもしれない。


本当に、本当に…夢のような感覚だった。

…………

気づけば空は少し暗くなっていた。

「暗くなってきましたね。」

「ねっ、ちょっと空を見てみてよ〜!」

言われても空を見上げる。さらにはそれぞれが違った色を放つ星を見える。

「私、昔からこうやって夜空を見上げるんだよね〜。あの星を見たら何だか楽しくて、夜が好きになったの。」

「そうなんですか、だから天文部に?」

「うん、そゆこと〜」

「なんか、ありがとうございます。」

「ん〜?どしたの〜?」

「あなたのおかげで本当にこの部活に入りたくなりました。」

「え、さっきまでは本命じゃなかったの」

「あっ、それは、まぁ…」

「でも、今日はありがとうございました。あなたのおかげで、少し考えが変わりました。」

「どんな感じにぃ〜?」

「ぽ、ポジティブシンキングというものですかね」

意味不明な解答。

「なんだよそれ〜」

「ははは、俺もよくわかんないっす!」

互いに笑い合う。

そんな他愛もない会話をしている瞬間。夜空にひとつの線が過ぎる。

「お、流れ星なんて人生で初めて見ましたよ。」

「凄い、凄い綺麗〜」

「あぁ…本当に…」

星が流れる夜の空の下で、

「私、葉月 星奈^^」

彼女はそう言って僕に手を差し伸べた。僕は手を取った。気のせいかその目は赤く、涙が零れていた。

こうして僕市瀬 街は、葉月 星奈と出会ったのだった


この日、“そんな日々”に終わりは来たと思えた。


これからどうなるかは分からない。でも、きっと……


「あ、お願い忘れた」

「あら〜勿体ないことしたね〜」

「星奈さんは何かお願いしたの?」

「それはひ•み•つ」


輝くような日々が始まるのかも!




※あとがき的なものです。本編とは関係ないです。

皆様、初めましてtake822と申します。今回のこの作品は自分の創作欲求をありのまま書こうとした作品です。小説初心者なところもあり、ぼーっとしてしまい思いどおりに書けない場面も沢山ありました( ; ;

しかし、それでも少しでも楽しんで頂けたら僕としてはもう涙ものです!

これからも頑張ってこの作品を面白くなるよう試行錯誤を繰り返して行きます。

次回もこの[ぷらネット!]をよろしくお願い致します!


それではまた!

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