第4話






『お邪魔します。。。』





家の住所を教えてもらい私は看病に行くことになった。





「ほんまに来てくれたんすね・・!」





辛そうだけどうれしそうにしてくれる。


その姿に、心配と嬉しさが込み上げる。



辛そうなのに何喜んでるんだ、私。



自分のことでいっぱいいっぱいな自分が嫌になる。





『とんでもない、飲み物とか買ってきたよ。

飲んだり食べたりできそう?』



わー、嬉しい。

そう呟きながら、いつもより気だるそうな彼が

ゴソゴソと袋の中身を見ている。




『熱は下がった?』

「まだ微熱あります、、」

『そっか。。もう少し寝てて?

おかゆ作るね。キッチンかります』

「えっ、いいんすか?」

『そのために来たんでしょ(笑)』


そやったわ、と笑っている彼を見て

どうしようもない母性のようなものが溢れてくる。



彼の部屋はザ男の子って感じの部屋で、

久々の男性の部屋に少しそわそわしながら調理をする。





『できたよー、、、』

「、、、、、、」





彼はぐっすり寝ていた。





『熱どう、、、?』





私は彼のおでこに手をあてた。まだ少し熱い。





にしても綺麗な顔だなあ…


遠くから見てた人なのに…


こんな近くにいるの変な感じ…





「んん、、」





もぞもぞしながら彼は私の手を握った。



わっ………



心臓が跳ね上がり、鼓動も速くなる。



そのまま彼はまたすやすやと眠りにつき

私は手を握ったまま頭を撫でた。






躊躇いなく頭に触れてしまった自分に驚いた。





せっかく寝付いたところを

起こしてしまうのは申し訳ないのでそっと手を抜く。





おかゆのほかに食べやすく栄養があるものを作り

夜も遅くなってきたので、

メモを残してその日は帰ることとした。




それから数日後





彼は回復したようで、

コーヒーショップにも復帰していた。





今日もいつものように美希とコーヒーを買いに行く。





「なんか久々に感じるねえ」

『そうだね…』





看病に行ったきり、

私はこれまでよりずっと意識するようになってしまっていた。





「ねぇ梨紗、どうするの」



『なにが』



「しらばっくれないでよ、イケメンくんじゃん!

年の差もう気にしてないの?」





『気にならなくなってきた。。。

でも何人かのうちの1人じゃないかなぁ』



「まあ見方によってはチャラそうだけど?

あの顔だし何人もの女落としてきたんだろうに」



『だよねぇ…こんくらいで落ちやがった

とか思われてんのかな…』



「ほんとネガティブだね(笑)」




必死にブレーキをかけてるのに。





それでも仕事終わりのこの時間が楽しみで仕方ない。





「黙って帰るなんてひどいわー!

めっちゃ嬉しかったんすよ俺!」





『ぐっすり寝てたから起こしたら悪いと思って。。』



「おかゆもスープもめっちゃうまかったです。」



『よかった^^』





「ほんまあーいうとき頼れる人誰もおらんくて。

このまま死んだらどうしよって

めっちゃ考えてもうたんすよね(笑)」 





今更だけどここで彼女はいないようだと確信できて

ほっとしてしまった。 





「他のご飯も食ってみたいなぁー」

『私の料理でよければいつでも作るよ』

「ガチっすか?!なにがいいかなぁ!!」 





たわいもない会話をしながら歩く時間は本当に一瞬で

そろそろ駅が見えてきた時だった。





「梨紗さん」





『ん?』



「今週の土曜空いてませんか?

よかったら梨紗さんとどこか行きたいです。」





『え?!あ、うん空いてるよ。』



「ほんまですか!よっしゃあ!

じゃあ土曜日俺にください!」





ようやく私たちはデートというものの約束をした。



昼間の美希との会話は一回忘れさせてほしい。

遊ばれていたとしても、一回くらいデートしてみたい。

そんなふうにすら思ってしまうようになっていた。



















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