第三話・奔走、深層、理想の創造! 予想外の新戦力、堂々登場!

Aパート


「日向斗じゃねぇか、朱音ちゃんは見つかったのか? ――何、また人探しを? 今度は別の? ハァ、なんだ、急に昔のお前みたいな風じゃねぇか。わかったわかった、ウチのカミさんとか客にも聞いてみるわ。朱音ちゃんが見つかったらちゃんと顔見せに来いよ! ご両親にもあんま心配かけんなよな!」


「おや、日向斗くんかい。朱音ちゃんはどうだい、見つかったかい? ……そうかい、まだ。 ……皆まで言わんでも、八百屋のゲンさんから聞いとるよ。また何かもめ事のようじゃないか。昔から変わらないねぇ。わかっとるよ、町内会の皆さんも探してくれとる。なあに心配しなくても、朱音ちゃんもその子も、すぐ見つかるさ。だからあんたはしっかり家を守って、よそ様にご迷惑をかけちゃあいけないよ」


「ダレトのにーちゃん! あっちの方でなんかこのへんで見ない人がうろうろしてたって! うん、うん……うん! そうだよ、銀色のかみの毛で、外国の人かな~とかって話しててさ! おう! そうだ、ダレトのにーちゃん、あかねねーちゃんもすぐ見つけてこいよな! 来週のサッカーの試合、ぜってー見に来てもらわねぇと! ダレトにーちゃんも来いよな!」


 ◆  ◆  ◆


 街を走る日向斗に声を掛けてくる人々。皆朱音の安否についてを心配しながらも、日向斗の『人探し』に協力を惜しまない。そのおかげもあり、探し始めて三十分と経たずに有力な情報を得た。

 

 そして、少年が言った人気のない廃ビルまで辿り着いたあたりで、日向斗の背に伸びる影から、ざぶ、と姿を隠していたトイフェルが現れる。


「感じます。ルナは、ここに」

 見上げ、感じる気配に浮足立ち、真っ先に踏み込もうとするトイフェルだったが、その肩を日向斗は掴んで制した。

 間違いなくこの建物に、ルナはいる。目前にまで迫り、あとは見つけるだけだという段階のはずだ、それなのに。「早くしなければ」と急く彼女は振り返り彼の顔を一睨みでもするつもりだった。

 だが、日向斗の警戒の眼差しに、喉元まで出かけた非難は溶けて消える。


「――嫌な気配がする」

 呟く日向斗。それに同調するように、今日もエプロンのポケットの中に雑に突っ込まれていたカフタンも姿を見せ、青ざめた表情で告げた。


「とても強い闇の気配カフ……。まるで、アカネとアオバがお前たちと戦っていた、闇の世界との境界線、いやそれより濃いかもしれないカフ!」


 そんなはずはない、とトイフェルは見当違いなことを言う一人と一匹に叫びそうになってしまった。

 確かにルナは強い闇の力を持っている。素質、という面で言えば自分を大きく上回っているだろうと、トイフェル自身も理解している。

 ――危うい。危険だ。

 だからこそ、自分がずっとそばにいた。そのために、自分が近くにいたのだと。

 歯を噛みしめ、立ち止まる二人を置いてトイフェルは足を前に出した。埃が張り付き濁ったアクリル、その裏に剥がれかけの新聞紙でまばらにふさがれた自動ドアを、無理やり押し開けて。


「あ」


 封じられていた、気配が、空気が。

 針で穴を空けられた風船のように噴き出した。


「うそ」


 小さな呟きを残し、弾かれたようにトイフェルが走りだす。


「おい、待て!」

「ヒナト、早く追いかけるカフ!」


 日向斗とカフタンの叫びを振り切って、取り憑かれたようなトイフェルの行動はどう見ても正常ではない。慌てて追いかければ、何か一枚フィルターのようなものを突き破ったような感触を覚える日向斗。


 同時に世界の色が、空気が変わった。


 空の色は逢魔が時のものから、どろりと溶けて堕ちてきそうな腐った黄色までもが交じり合うマーブル模様。息を吸うだけでも臓器が爛れるように感じられるプレッシャー。

 それは、二人と邂逅したあの裏路地や、ドロドロのアクマーダーと向かい合った時と、全く同じ。

「クソ、次から次へと」

 ただでさえ、妹の失踪に加えて魔法何某だの、光と闇の世界の云々だのがあるというのに、さらに世界が捻じれていく。

 割れた窓ガラスのガラス片をじゃりじゃりと踏み、壁に殴り書きされた意味のないスプレー缶の落書きを追い越しながら階段を昇ってゆく。

 

 三階にまで、届いたところで。トイフェルの背中が見えた。

 部屋の奥、暗がりを見つめたままの彼女へ近づく日向斗とカフタン。


「あ、ああ」


 胡乱な、言葉にならない声。崩れ落ちる背中。

 視線の先に遭ったのは。


「おい、トイフェ――う、っ」

「こ、これは――」


 コンクリートでできた床や壁や天井を這うのは、血管を彷彿とさせる糸状のタールにも似た黒い紐。それらが不定期に脈動し、中心にある巨大な塊に向かって『何か』を送り続けていく。


 繭。或いは、瘤か腫のようなそれに。


 完全に放心状態で、へたり込み動かないトイフェル。意識を取り戻させるためにもと、日向斗は屈みこんで、彼女の肩を乱暴に揺さぶりながら問うた。

「おい、アレはなんだ。一体何が起きている?」


 あ、あと。唇を震わせ続けるその様子を見れば、これが想定外の事象であることは日向斗にも理解できた。眼前に出来上がっている薄気味悪いそれが、決してよくないものであるとも。


「ヒナト、あれは、きっと『アクマーダー』カフ」

 ポケットの中のカフタンが、息を殺しながら日向斗に告げる。


「あんなに巨大で、怖い気配のやつは見たことがないカフ。けど今はまだ動いてないみたいだし、早くやっつけないと――」

「まって、待ってください」

 カフタンの言葉を、耳敏く聞いていたのか。座り込んでいたトイフェルが、縋りつくようにしてそれを遮る。


「あれはルナなんです。間違いなく、私の妹なんです」

 本当に錯乱してしまったのか、と。普段あからさまに見せつける知的な様子どころか正気すら疑わしいトイフェルの言葉。カフタンは怪訝な顔を浮かべ、問い詰める。

「どういうことカフ? ぼくも光や闇の力の違いくらい分かるカフ、アレはどう見ても、どう考えてもただのアクマーダーカフ!」


 突飛なアニメのキャラクターじみたものであるとはいえ、ルナは人間の容姿だった。それがあのドロドロの怪物の方に近しい見てくれになるというのは、にわかには信じがたい。最も、そもそも彼らの存在自体がこれまでの現実にありえないようなものであるのだが。


 なんにせよ、日向斗には納得はしづらい。

 あれだけ、トイフェルに懐き、情報を引き出そうと接触していただけの日向斗に警戒を示していたルナが、彼女の意図しない行動を取った挙句にこんな状態になるなど。

 それに、ルナは日向斗が二日三日程度見ていただけでわかるほどに、喜怒哀楽がはっきりした性格をしている。昨晩、あれだけ呑気にクッキーをパクついていた彼女と、絶望をどうこうするというアクマーダーが結びつかない。


 だが、そんな疑念は、次のトイフェルの言葉で簡単に潰されることになる。


「なにを、今更。私も、あの子も、最初から――アクマーダーですよ」



 ◆  ◆  ◆


 暗い、暗い。真っ暗な中で、彼女は一人丸くなっていた。

 どこかわからないその場所で、なぜか見えたのは、自分の姿。

 どういうことなのか、何が起きているのか。そんなことを薄ぼんやり考えていたが、耳に届く誰かの声。


「おいで、私のかわいい子」


 聞き覚えのある声。懐かしい声。


(――かあさん?)


 突如視界が開ける。

 見慣れた世界。そこは、闇の世界。玉座の前に連れてこられた自分を、見つめるものども。


「――ええ、やはり実験は成功です。トイフェル様に引きつづき、コレならば『種』として最適でしょう」

「ハン、前回よりちいせぇじゃねぇか。こんなのが役に立つのかね?」


 小柄な老人のような影は、策謀のシャドー・ヨッド。

 大柄で魚面の影は、狂乱のシャドー・イクトゥス。

 どちらも、顔を知っている二人。だけど、それよりも。


(かあさん、かあさんなの?)


 近づき、自分を抱きあげるその姿にこそ、彼女は夢中だった。

 黒く滑らかな生地のドレスを着て、長い黒髪を靡かせ、そのすべてよりもなお黒い瞳。すべてをあまねく包み込む、優しい夜のような女性。


 美しく、気高い、影の国の女王。闇の世界を統べる彼女こそ、ジャークイーン。


「あなたはこれから生まれ、そして私の子になるの。そして――」



 その先の言葉は聞き取ることができない。



 母の姿に手を伸ばしたと同時に、前後も上下もなかったはずの暗黒の足元が抜けるように。明確に下へ、下へと墜ちていく。




 黒い、黒い、黒い世界。

 渦を巻く闇、吹き上がる影、絶望の叫び声が聞こえる。

 ――その中で、光が見える。自分の堕ちる先に、一粒の、ほんのわずかな光。



 そして、その光目掛けてぐんぐんと落下し。最後には地面に落としてしまったケーキの様に、潰れて、『自分』が破裂する寸前で。


 目を開けた。



 天蓋付きのベッドの天井、暖かく柔らかい人肌の枕。

 そして、自分の額に当てられた、細くしなやかな指。


「起きたかしら」

 母のものとは違う、けれど母の様に優しい声。

 自分の顔を覗き込む、眼鏡をかけた薄紅色の髪をした姿。それは『自分』に似ているようで、母にも似ている。


「『自分』がどうなったか、わかる?」


 その言葉に、返事をしようとするが喋ることができない。返事をしたいという考えは回るが、舌が回らない。言葉がうまく形になってくれない。

 あー、とか。うぅー、とか。鳴き声のようなものしか、出せない。無様なそんな姿を見て、彼女は笑った。

 嘲りではなかった。ただ、愛おし気な笑顔だった。


「――あなたは、母様から生まれたの。私も同じ」

 あう、ああ、と。声を上げる。喜びなのか、驚きなのか、怒りなのか。

 自分の中でもうまく消化しきれないままに放つうめき声。

 彼女はずっと、それを頭を撫でながら聞き続けてくれた。


 ひとしきり声を出し終え、からからになった喉でむせたところで。


「すぐに話せるようになるから、心配しないで。だから、これだけは覚えていて」


 そう言って。静かに、彼女は『自分』の額と額を合わせた。


「私はトイフェル。今日から、あなたは私の妹よ」







 ――そうだ、トイフェル。

 ――トイフェルのところへ帰らなきゃ。


 ルナは、思い出す。『自分』とは何者なのかを。

 今さら生まれた時の事を思い出してなんになるかなんて、わからない。戻ったらトイフェルに聞けばいい。今はただ、帰らなくては、すぐに。


「でも、どこに?」

 トイフェルのところに戻ったとして、自分の居場所はあるのか?

 強くない自分に、帰る場所なんて、あるのか?


「ないよ」


 え、と。声が漏れる。振り返れば、ルナと全く同じ姿をした『もの』が立っている。銀色の髪。低い背丈。メリハリのないぺたんとした身体つき。

 けれど、いつもトイフェルに褒められた、星型の瞳の光はない。ただ、塗りつぶされた真っ黒な目が、ルナの姿を鏡のように映す。


「知っているよ、『ボク』は全部知っている」

 やめろよ。

 ボクは、ルナはボクだ。


 否定する言葉を投げかけようとした瞬間、世界がまた映像に切り替わる。

 それは、ヨッドとトイフェルが話し込む姿。


「――ええ、あれは失敗作です。トイフェル様、貴女も重々ご理解していただいているはず。アレは出力こそずば抜けているが、知能も能力も、貴女には遠く及ばない」



「知っているはずだよ」

「知っているはずだよ」


 世界がまた映像に切り替わる。

 それは、イクトゥスが兵器であるはずのアクマーダーを叩き潰している姿。


「ったく、こんなカスみてぇな仕事をなんで俺様がやらなきゃならねぇんだ。雑魚の中にたまにいる、光を持つアクマーダーを見つけろだと……くだらねぇ。光と闇の混ぜ物なんつー半端者作ってねぇで、俺にもっと強い武器をよこせってんだ」


「知っている」「知っている」「知っている」「知っている」「知っている」


「あ、ぅ、あ」


 違う、ボクはもう、あの時のボクじゃない。

 弱くて、小さくて、『自分』のない、弱いアクマーダーなんかじゃない。


 ルナは必死に頭を押さえながら、反響する声に耳を塞ぐ。

 しかし。それを突き抜けて聞こえるヨッドの声。



「――早急に吸収してしまっては如何です? これ以上の利用価値はないでしょう」


 知っている。ルナは知っていた。

 自分がどのようにして生まれたのかも。自分がどんな役割かも。

 トイフェルがヨッドの提案に対して、否定をせずに――考え込んでいたことも。


 だから強くならなきゃいけなかった。

 強くないと、『自分ルナ』ではいられない。かあさんから生まれることも、もうできない。何者でもないものに戻ってしまう。


「けど、もうおしまい」

「知っているよね?」「知ってるでしょ?」


「う、ぅあ、――」


 『自分』のようなものが、無限に這い出てくる。星の無い、真っ黒な瞳をした自分が、ルナの衣を剥ぎ、泥のような黒に引き戻そうとする。


「ボクはただのアクマーダー」「絶望をこねただけのお人形」「こころも記憶も必要ないよね」「だってボクはよわいから」「よわいやつに価値はないから」「強さがなにかがわからない」「わからないから戦えない」「わからないから逃げ出したい」

「それならよこせ」「からだをよこせ」「こころをよこせ」「よこせ」「よこせ」「よこせ」


 叫びたいのに、言葉が出ない。

 何か助けを呼ばなきゃいけないのに、頭も舌も回らない。

 そんな『自分ルナ』を『自分ルナ』たちが嗤う。

 嘲り、侮蔑し、面白がる。


 手を伸ばす。僅かな光は、『自分ルナ』たちに覆われて見えない。

 頭を撫でて、額を合わせてくれる人は。



 ここには、いない。





 ◆  ◆  ◆



 トイフェルが語ったのは、大まかにこのような内容だった。

 

 ルナとトイフェルは、アクマーダーという怪物の突然変異に近しいもの。そして彼女らは同種よりも強い力を使えるが、同時に共食いの対象ともなる。

 そして今のルナは、共食いを受けている真っ最中。早く手を打たなくては、ルナが完全に取り込まれ、強大なアクマーダーが生まれると。


 その話を聞き終えると、沈黙を終えたカフタンは日向斗に言う。



「もしかして、ヒナト。これは、チャンスかもしれないカフ」

 その言葉に、耳を疑うのはトイフェルだった。


「なにを――それは、どういうつもりだ妖精!」

「ぼくでもわかるくらいにここの闇の力は増しているカフ。もしかしたら、このまま待っていれば、小さいかもしれないけど闇の世界へのゲートが開くかもしれないカフ」

「貴様ッ!」


 血も涙もない、そう思われても仕方がない発想に聞こえる。しかし。


「じゃあアカネとアオバを返せカフ!!」


 今回のカフタンは、決してひるまなかった。


「さっきから言っていることが無茶苦茶カフ! 銀色の方やお前がアクマーダーだろうが何だろうが、知ったことじゃないカフよ! こんなことを起こしたくなかったら、お前が銀色の方をよく見てればよかっただけカフ!」


 剣幕は増し、声はどんどん大きくなる。


「そもそもお前たちは敵カフ! アカネやアオバ……それだけじゃないカフ! 他の妖精、人間の世界のみんな! お前らが傷つけてきた人たちだって、大切な家族を守ろうとしてた人も大勢いたカフ! それをどうしたのか、言ってみろカフ!」


 カフタンの怒号は、何一つとして間違っていなかった。

 彼女たちは闇の世界の住人。一方的に人間の世界に絶望を増やす兵隊を送り込み、世界を闇に包もうとしている影の女王の手先。その過程でどんなことをしてきたのかは、初体面の時に転がっていた日向斗の後輩たちの姿が物語っている。


 トイフェルが大切だと吼える妹。だが同じ境遇の人間を、果たして彼女たちはどれほど絶望させてきただろうか? 或いは、絶望するよう仕向けただろうか?

 実際に妹を大切だという日向斗から、妹を奪っている人間がどの口でほざこうというのか。


 トイフェルも、言い返す言葉はない。ただ拳を握り締め、唇を噛むだけ。その様子にすらカフタンは憤り、腑抜けたぬいぐるみのような顔を最大限顰めて睨みつける。


 そんなカフタンの爆発的な怒りが、場の空気を一層殺伐とさせる中で、日向斗が口を開いた。


「お前の言っていることは正しいよ。カフタン」

 肯定する。カフタンは頷き、トイフェルは俯く。

 そしてそのまま、二人の間を通り抜けて巨大な繭の傍へと近づいていく。その手に、カフタンから渡されたステッキを持ちながら。


「だが今あいつを見捨てたら、次は俺たちがトイフェルに復讐されるに足る下衆になってしまう」

「ひ、ヒナト? なにしてるカフ?」

 カフタンに説きながら、ステッキをゆらゆらと揺らしたり、それで繭を叩いたりする日向斗。突然の行動に困惑するカフタンの問いを無視して、日向斗は続ける。


「その次は? あいつを見捨てて、俺が復讐されたら。誰かが俺を八つ裂きにしたこいつを恨むのか? その次は?」

 ずず、と。地面を張っていた根のような触腕が、日向斗の身体に近付いていく。当然それを見たカフタンは逃げるように訴えた。


「ヒナト! そいつが動いてるカフ! 危ないカフよ!」

 しかしカフタンの言葉は全く意に介さず、むしろ積極的にその触腕を踏みつけたり、蹴ったりして存在を示し、自ら絡め取られに行く日向斗。

「強い光に惹かれる、とか言ったか。これはいい寄せ餌だな」

 などと、呑気に感心しながら。


「――どうして」

 混乱。そして恐怖。


「どうしてそこまでするんです、私は敵です。あなたの妹を攫った敵ですよ!? なぜそこまでするんですか、一体何の得が!」

 気持ちが悪い。理解ができない。

 トイフェルは、嗚咽を誤魔化すような大声で問いただす。


 日向斗が振り返り、その小さな問いには迷いなく言ってのける。


「見ず知らずの他人を助けられないやつが、自分の家族を助けられるはずがないから」


 その言葉を最後に、日向斗の身体は完全に黒い触手に包まれた小さな繭玉のようになり、巨大な球の中に取り込まれてゆく。


 ものの数秒で、日向斗は完全に繭へと取り込まれた。

 絶句する、残された一匹と一人。







 直後に。びしり、と。


 巨大な繭に、一筋の罅が刻まれた。

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