第52話 『自習室』の終わり

夏休み最終日。


今日で、子供食堂も最終日。

実験的に始めたら、「こども食堂」よりも「自習室」の方が有名になってしまったようで、当初の目的とはズレてしまったけど、結果オーライ?

子供達に、勉強の習慣がついて本人にも親達にも、途中から関わってきた学校関係者からも感謝されてしまった。


参加メンバーの中から、仲良くなった子供達が。

そして、仲良くなった「大人達」まで!


此処は、「出会いの場所」では無かったはずなんですけど?

小学生、中学生、高校生、大学生、そして大人まで沢山のカップル誕生?

僕と綾乃の仲が良いのを見せつけたせいだそうです。

なんだそりゃ?


結果、僕と綾乃は地元では色んな意味で有名人になってしまって恥ずかしいんですけど。

目立ちたく無かったのにな。


そして、仲が良さそうな友樹君と結実さん。

作戦、大成功?

二人の仲が何処まで進んだのかは、「内緒で!」と教えて貰えなかったけど、手を繋いで歩いているのを見掛けたから………


そして、僕が喫茶店を始めた当初の目的、「祖父が復帰するまでの喫茶店経営」。

明日から、祖父が、慣らしを兼ねて復帰!


僕は、直ぐにはいなくなったりはしないけど、緩やかに手を引くつもり。


そして、進路を決めかねていた綾乃から、


「ジンさん!私、大学進学するね!だから、私の花嫁衣装姿はもう少しお預けで良いかな?」


進学を勧めたのは僕だから、勿論異存有りませんから。


「了解!でも、コスプレでもいいから花嫁衣装、写真だけでも撮りに行かない?」


「あっ、それ、私達も一緒に!」


「ふぇっ?ボクモデスカ〜!」


結実さんに、手を引かれて駆け寄って来る友樹君。


「綾乃、どうする?」


「うちの両親も呼んでいいかな?」


「………姉さん、勘弁して!」


あっ、僕達、もしかして、今、幸せ?


これから、もっともっと、幸せになれるように、誰かの幸せを護れるように。


『自習室』は、続きます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

喫茶 『自習室』 じん いちろう @shinn9930

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ