第49話 お泊り! ③

「あっ、そこのスーパー寄ってくれる?飲み物とお菓子が足りないから。」


道の駅を出て別荘地へと走らせてすぐに、思い付いたように綾乃。

遠足とは違うんですけど?

まあ良いか?デザートも無いしね。

ところで、誰が食事作るのかな?

後でジャンケンでもして決めようかな?

勿論、勝っても負けても僕が作るつもりだけどネ。

勝ったら、勝ったほうが作るんだよね〜とか言ったりしてね?


ドラッグストア併設の小さな地元スーパー。

コンビニよりは品揃えは良さそうだけど、お菓子だけなら隣のドラッグストアだよね。

デザートのケーキだけスーパーで買って、ドラッグストアへ。

食器や雑貨が必要かどうか解らなかったので、どれぐらい必要か確認してみる。


「お箸だけジンさんの分を買えば大丈夫だよ!」


普段は家族だけで使う別荘なので必要最小限の品揃えだそうで、おもてなしの時は紙皿や割り箸を揃える様だ。


お菓子とペットボトル飲料と箸をカゴに入れて、さり気なく0.01ミリのゴム製品をソッとカゴの隅に忍ばせる。

それを、目ざとく見つけた綾乃。


「一箱じゃぁ、足りないんですけど〜?」


堂々と、もう一箱カゴに入れてきた。

綾乃、貴方一箱6個入では足りないと言うのですか?

何泊するつもりなのかな?


もしかして、このスーパー寄らせたのは最初からそのつもりだったのかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る