第46話 自習室、始めました その7

盆休み直前の子供食堂。

1週間のお休みを告知すると、仕方ないとはいえ落胆する子供達。

食事は勿論だが、1時間程の自習時間は最初の目論見よりも高評価だったのが意外だった。

既に宿題の大半を終わらせた子供達は、工作やら自由研究を始めていた。

わからない子達と教え合ったり、なかなか良い傾向だと思う。


今日の食事メニューは、金曜日恒例に成りつつあるカレー丼。

野菜スティックも添えて出します。


最近は、商店街や市場の有志から食材の提供の申し出があって、カレーや他の具材やサラダのグレードが上がりつつある。

品数は現状維持でも、栄養バランスに配慮出来るようになってきた。

調理や片付けも、商店街の姉様オバサマ達のお手伝いで順調な運営が出来るようになってきた、


「ジンさん、休み中のご予定は?」


片付けをしながら、子供食堂皆勤の綾乃から尋ねられた。


「ご両親にご挨拶してから、何処か旅行でも行きますかね?」


「旅行!お泊りですよね!?」


「………ご両親の許可が出ないんじゃぁ?」


「大丈夫です!説得します!」


この積極性は、何処から出てくるのだろうか?

普段の様子からは全くの別人の様に見えるんだけと。


今からお宿、取れるんだろうか?

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