第45話 生徒会室にて④

「明日の会長・副会長選挙についてですが、…………」


香坂会長の説明が続く生徒会室内。

現会長以下、立候補者以外の役員は中立を守るように注意を受ける。


私は、副会長に立候補している香坂友樹を応援したいんだけどな?


期末試験も終わり、短い選挙運動期間を終えた今。

敢えて聞いてみる。


「香坂君、何で立候補する気になったの?」


「………生徒会に残る為かな?」


いつもと違って、歯切れの悪い返し。

目立つことを嫌う彼が立候補するなんて?

何があったんだろう。


「会長立候補者の最有力者が当選したら、僕は生徒会に残れないからな。でも、副会長として当選すればあと一年一緒に居られるだろ!約束しただろう?『三年間、一緒に宜しくな』って。」


会長・副会長以外の役員は会長か指名するから、最有力候補者の彼女が当選したら、対立陣営の香坂君は排除されるってこと?


あれ?今、彼、どさくさに紛れてとんでもないことを言ったような気がするんだけど?


気のせいじゃぁ、ないよね?


上から目線で、彼の目を覗き込んで見る。

珍しく、視線を逸らす彼。


「落選したら、慰めてあげるから安心して!」


「全然安心出来ないんだけど?」


初めて、彼の本音が聞けたような気がした。

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