第23話 デート?!
いちろうさんが、さり気なく私の手を取って、モールの人混みの中を並んで歩き始める。
私の目の前を、さっき被せてもらった帽子のつばとリボンがひらひら舞い踊っている。
思い切って、私から指を絡めて強く握り締めてみた。
大きな手の、少し柔らかい指の温もりが、私の心を刺激する。
更に力を込めて、もっと柔らかい掌の少し湿った感覚を感じたところで私の心が限界になって手を離そうとしたら、逆に強く握り締められた。
チョット驚いて、嬉しくなって、幸せな気分になって、舞い上がりそうになって、そして、恥ずかしくなって……
そのまま、外に出て、遊園地入口へ。此処は、入るだけなら無料で、アトラクションだけチケット制なので、地元の若いカップル達には人気のデートスポットになっている。
土曜日ということもあって、周りはカップルだらけだ。
スタンドで、アメリカンドッグを買ってもらって、手を繋いだまま歩きながら食べた。
屋台でソフトクリームを2つ買った。
私がバニラ、彼がストロベリーミックス。
支払いは、私が。
パラソル付きのベンチに腰掛け、自撮りしながらお互いに食べさせ合ったりして、あー、デートしてるんだな〜と実感して幸せだ!
食べ終わって、彼がウエットティッシュで私の唇に付いたクリームの跡をそっと拭ってくれる。そのさり気なさが恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
彼と再び手を恋人繋ぎして歩き始める。
「観覧車、乗ろうか!」
彼の言葉に、私の心臓がドキンと跳ねた。
期待して良いのかな。
彼は、この『観覧車の都市伝説』を知ってるのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます