あの日からの旅立ち
たから聖
第1話 彼氏と彼女と……
私と付き合っている彼……拓美
くんは私と出逢った当初は
とても恋愛に脅えていた。
『俺を……傷つけないで』
メールのやり取りをしていると
最初に拓美が放った、その一言が
とても印象的だった。
私は母性本能をくすぐられ。
拓美に対して
私は、拓美を裏切ったりしない。と強く誓うのであった。
そして、歳月が流れ、拓美も私を
すっかり信頼していた。
確かに、拓美の事を心から愛してはいるのだが。
何かが違う……。
どこか、チグハグな感覚が襲ってきて仕方が無かったので
インスタ内での友人の三ツ谷に
相談をしていた。
それからは、彼氏と三ツ谷と
比べてしまう自分がいた。
ダメだと分かっていても、三ツ谷にドンドン惹かれてしまう。
私には彼氏が居るから。
そう。お決まりのセリフで、
三ツ谷からの気持ちのこもった
メッセージを何度も繰り返し
目を通す。
三ツ谷は……彼と違い情熱的な
一面を持っていた。
私は、彼とのデートの最中にも
三ツ谷からの言葉の嵐を考えながらも
彼に悟られない様にいつも通りに
していた。
そんな時に、私は彼氏との間に
赤ちゃんが宿ったのだった。
彼は、大喜びしてくれたけど
私は素直に喜べなかった。
こんな時……三ツ谷ならば
なんて話すのかな…………?
私は、彼に内緒で心の浮気を繰り返していた。
考えに、考え抜いて三ツ谷との別れを選んだ。
『やっぱり、彼は傷つけられない。』
同情の様な?
義務感の様な?または……
心の底に潜む母性がうずく。
彼の首に腕を絡めて、
私達は熱いキスを交わして結婚の約束をした。
彼はその日から、私を尚更
大事にしようとしてきた……。
しばらく、インスタをしてなかったから、三ツ谷がとても心配してくれた。
だけど。私は勇気を持って三ツ谷に別れを告げた。
『もう、辞めよう。ごめん。』
私は、汚い女だ……三ツ谷と拓美を両天秤にかけた後に
散々もてあそび、拓美を
選んでしまったから。三ツ谷は
『最後に逢えない?』とメッセージを送ってきた。
私と三ツ谷は……
『ダメよ!』
『最後だから。良いだろ?』
『ダメよ!私は、赤ちゃんが!』
『何もしないから。約束するから。』三ツ谷は……私との関係に
ピリオドを打つ為に
お互いの都合の合う日時を決めた。
インスタで見る写真とは違い、
体が火照るほどに三ツ谷は魅力的な男だった。
三ツ谷は……言う。
『BARとか。赤ちゃん居るから
いけないよな?』
私は、すかさず
『どこかでゆっくりしたいわ。』
と……遠回しに誘うが。三ツ谷は
悩んでいた。
三ツ谷の目には、ある決意が
見えた。そして…………
暗がりのわき道で、私達は唇を
むさぼり尽くすように
激しいキスを交わすと……
お互いガマンしてた気持ちが
パーーーン!!と
はじけ飛んでしまった。
三ツ谷の車に乗ると闇間の中の
公園に着いた。
三ツ谷にいきなりシートを強引に倒されて、半ば犯され気味な
セックスに、私は興奮した。
赤ちゃんが居るのに…………。
三ツ谷は優しくもあり、
そして……激しく腰を動かした。
私は、感じすぎるが余りに、声を漏らし始めた。
熱い吐息を、二人がお互い絡める。
夢に見そうなほどの素敵な思い出を三ツ谷は……作ってくれた。
程なくして、
私をマンションの1階に降ろすと
三ツ谷は、はにかんで
『美味しかった。』
『優花……幸せにな。』
私の顔は、たくさんの涙がこぼれていた。三ツ谷に気の毒な事を
してしまった。
だけど、変わらない現実に
打ちのめされていた私達は、、、
『お前が幸せなら、俺はそれで
良いから。じゃあ、元気でな。』
三ツ谷は……最後に私をハグしてお別れになった。
三ツ谷の後ろ姿に私は、抱きつきたい衝動にかられた。
グッとこらえると……
三ツ谷との
熱い契りを思い出しながら。
最上階に居る、これから夫になる
彼の待つ部屋へと急いだ。
今は、苦しくて寂しくて、
誰かに寄りかからないと私は、
生きて、いけない。
香水をひと吹きした後…………
拓美の待つ部屋へと急いだ。
それから、数ヶ月後には……
私と拓美は籍を入れてお互いを
尊重し合う仲になっていた。
あの時の、三ツ谷をたまに
思い出すが、、、。私の隣には、
拓美が笑っている。
お前が幸せなら、良いから。
そんな言葉に胸を締め付けられ
ながらも、
拓美を選んでよかった。と……
今は冷静に思える。
END
あの日からの旅立ち たから聖 @08061012
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