第12話 秘策は如何に?!
金色の神将が変化した矢はグングン天の川を飛び続け……
計画通りに
”神様のお餅”は蜘蛛の糸よりも細く、地上の何よりも丈夫で
二筋に
どこまでもどこまでも決して切れず、ひたすらピイイイイインッッっと鋭く真っ直ぐに伸びてゆきました
「よし今だ行け!」
「ガッテンだ承知の助だぃ!」
天帝のお住まいや天上界の美しい楼閣〜
自慢の白玉楼を造営した宮大工達はすかさず各自の神通力を使って
出来上がったばかりの二本のお餅の紐に、底板や手すりをどんどん素早く取り付けていきました
でないとすぐに固くなってしまいます
だって柔らかなお餅ですからね!!
素晴らしい、今宵だけの特別なお餅の橋はそうして
天の川の上に皆の協力にて、奇跡の如くドンドン目前に出来上がったのでございます
「さぁ行きなさい
彼奴のことだ、周到に天の川の水位も矢となり飛びながら操っているに決まっている
よって決して川面も荒れたりはせぬはずだ
時は金なり
早く行かなければ橋は落ちてしまうよ?」
ナタ三太子や、「頑張って♡」とピョンピョン跳ねるウサギさん達に深く深くお辞儀をした織姫は、光輝く吊り橋の上を振り返らずに駆けて行かれました
織姫様は思い切りよく
本心ではきっと怖いであろうに
でも全力で
愛おしい方への元へと旅立ってゆく姿は、いったいどれ程の情熱的な愛を抱いているのか想像するのに充分でございました
七夕の夜だけの特別な再会です
ウサギさん達やナタ三太子は姿が、すっかり見えなくなるまで見送りました
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