第8話 頑張るウサギさん
ウサギさんは、ピンと長い耳をプルプルさせ、とっても頑張りました
すごくすご〜〜く本当に頑張ったんです
山のような大きな神様達に一生懸命お話しします
黙って遮らずに彼等の話を最後まで聞くと天帝陛下は即座に
「素晴らしい!」
ウサギさんを大いに褒め称えました
「怪しからん!!」
「そんな馬鹿な!!」
どよどよどよどよどよ……!!
天宮の謁見の場は蜂の巣をつついたような大騒ぎになりました
「それがしが助太刀致す」
好き勝手様々な話し声が飛び交う中、突如凜と涼しやかな声が何所までも華やかに響き渡りました
ヒーローはいつの時代も遅れてやって来る物なのです
ざわつく声がピタリと止まりました
キリリと声を上げたのは天上界一の特別な美青年〜
天帝の甥
別格の天上人、天帝一族のひとりである超がつく程のスーパースター!!
勇猛果敢、押すに押されぬナンバーワン神将
見事に朗々と よく通る声は周囲を圧倒する勢いと誠がございました
そんな凜々しいご主人様を、足下に礼儀正しく控える立派な神犬が頼もしげに見上げています
「恐れながら敬愛する玉帝陛下、私ならば治水〜”水をあやつる”事が出来ます」
「ほぅ?賢き美しき我が甥よ、申してみよ」
「私は他に ”へんげの御技”と、それから様々な動物と、心を通わせられる特別な力を持ってます
私めの知恵と経験と能力を、是非に
必ずや〜
この愛らしい方々へお役立て出来る所存です
私めは喜んで彼等可愛らしい小さな勇者に手を貸しましょう」
周囲は更にザワザワしました
だってこんな素晴らしい我らが誉れ〜神将自らが、小賢しい小ウサギ達に?!
そんな馬鹿な!
許せないぞ小ウサギめら!
我らですら滅多に御側で声がかからないというのに!
自分達は尻尾巻いて名乗りも上げなかったくせに、随分自分勝手で困った、失礼な口先ばかりの神様達です
が、流石に〜
あんなに嫌そうな感情を表に出した、ナタ三太子は出来が違いました
「すまない、月の兎たちよ」
自分勝手な大人達の振る舞いがあまりにも恥ずかしくって真っ赤になり、心より小さな勇者達に丁寧に謝りました
普段〜弓で競い合う優れた優しい友人の懐の深さにもいたく感動しました
ナタ三太子はウサギさん達の手を全て取って、目を見つめながら仲直りを致します
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