第3話 さぁ大変!


「!!なんということだ」


天帝は神通力でスササササササ……と大慌てで巻物をほどきました

そして、見た瞬間、真っ青に顔色を変えました


どれ程驚いたかというと、片時も離さない鳳凰の羽根でこしらえた羽扇がポロリと手から落ちた程です


「ですから取り急ぎこうして天空を飛び、駆けつけてきたのでございまする」


捧げられた麗々しい巻物にはとんでもない事がしたためられていました


天の川を横切る ”橋”となるカササギ達が、神々の神秘の神通力を、天帝より授けられた特別な鳥達が

この連日連夜の気候で、全羽〜

う〜んう〜ん病の床に打ち伏してしまったと、流麗な流れるような筆跡でしたためられておりました


末尾には ぺたん……

紙を突き破らん勢いで

彼女の父王の『足跡』がギュッと押されている為、巻物は間違いなく本物

天界は今や上や下への大騒ぎ


「誰かある!」

天帝陛下の命により主立った神仙や仙女や童子、聖獣たち、天界を守護する武神〜

すぐさま呼び集めるよう隅々まで大号令がかかりました

神秘の神鳥、選抜されし高貴なカササギ達しか天の川の橋にはなれません


「何か妙案はないか?」

「あるわけ無かろう」


何万里もある広大な大河をひと息に越えられる神は居ません


だからこそ……罰として、こうして2人を遙か遠くに隔てたのだから


でもしかし、お陰で大変なことになってしまったと天帝は頭を抱えました


「どんなことでもいい! 誰か名案はないか?!」

声をひっくり返して天宮の隅々まで響き渡る大きな声で叫びました

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