第2話 鷹の姫の嘆願書
沢山の仙女にパタパタパタ……
セッセと特大の扇であおがれた天上界におわします天帝は、如何にも暑そうに物憂げにゆったりと、光り輝く玉造の椅子にもたれかかり答えました
天帝の前で羽根をダラリと下げた鷹の姫は
鳥の王様〜
万里を越えて大切に足に巻いて携えた、父王からの小さな嘆願書を携えていました
ヒィヒィ暑くて暑くて
身体中熱くって
今にも死にそうに息も絶え絶え差し出しました
「はて……?珍しきことよぅ どうしたことじゃ?」
仙女の1人が巻物風のそれを、ヒンヤリ朝霧と霞で織り上げた布にくるみ天帝に恭しく差し出しました
「うむ」
天帝陛下は鷹揚に受け取りました
「どれどれ……?」
「今夜、天帝の大切なお嬢様であられまする仙女様
お美しい織女の御方ですが
このままではおそらく、愛する御方にお会いになれませぬ」
「それはまことか?!」
「はいそうです」
鷹の姫君は美しい両の翼を下げて答えました
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