第2話闇の騎士
巧のバイト先のスーパーがオオスズメバチとキラービー・パラノイドに襲われた日の夜、家に帰った巧にジャスティライザーが心の中から語りかける。
「そもそも俺達光騎士は宇宙の平和を乱す悪しき者と戦う為に昔からマスターの元で修行を続けて来たって訳だ」
「へぇ〜、じゃあ君は宇宙人なのか」
「まぁ、地球人から見ればそうだろうが……それはお互い様だ」
「それもそうか。でもスゲェな!宇宙を守るヒーローは本当に居たんだ!」
巧は興奮気味に言う。
「まぁ、そんな所だ」
「でも、何で俺の所に?」
『お前の大切な人達を守りたいって気持ちが俺を呼び寄せたんだ』
「そう……だったのか……。!光騎士って他にもいるのか?」
「ああ、俺以外にも多くの光騎士が居るぜ」
「へぇ〜」
「でも中には闇に落ちた者も居る……」
「闇?闇落ちってやつか?」
「ああ……それよりもう遅いぞ。明日もバイトだろ?」
「あっ、ああ」
「じゃあ、おやすみ」
巧は床に就く。
−翌日−
巧は今日もバイトに行く。
「急がねぇと遅刻するぞ〜」
ジャスティライザーが何故か煽る。
「まだ大丈夫だよ〜うるさいな〜」
そして、スーパー喜田屋に到着。
巧は今日もレジに入っていた。
「ありがとうございました〜」
巧がバイトをこなしてる頃……。
昨日のキラービー・パラノイドとは別に女王バチが寄生された。
クイーンビー・パラノイドが誕生し人々を襲い始めた。
その気配を感じたジャスティライザー。
「!……これは……おい巧、パラノイドだ行くぞ!」
「えっ!?こんな時に!?バイト中だぞ!?」
「いいから早く行くぞ!」
「分かったよ……」
仕方なく、巧はパートの安藤さんに代わって貰い、トイレに行くフリをして店の裏手へ出る。
「よーし、行くぜ!」
ジャスティライザーにも気合いが入る。
「変……」
「神崎君?」
変身しようとした所宮本がやって来た。
「え?み、宮本さん!?」
「どうしたの?」
「あっ……えーっと……トイレに行こうと思ってたんですけど、誰か入ってて……」
「ふ〜ん。じゃあこんな所に居ないでトイレの前で待ってたら?」
もっともらしい事を言われ返す言葉もない巧。
「で、ですよねぇ〜……じゃあ……」
巧は場所を変えると
「ふ〜……危ない危ない……」
「よし、今度こそ行くぞ!」
「ああ!」『変身』
巧はジャスティライザーに変身し、空を飛び現場に向かう。
現場はオフィス街であり多くの人がパニックに陥っていた。
既に警察が出動し、クイーンビー・パラノイドと交戦していた。
警察官は拳銃でクイーンビー・パラノイドを撃つ。
だが、クイーンビー・パラノイドには当然効かない。
クイーンビー・パラノイドが警官に反撃。
次々に警官が殺害されて行く。
そこへジャスティライザーが登場。
「そこまでだ!!」
クイーンビー・パラノイドがジャスティライザーに気づく。
そして、逃げ惑っていた人々もジャスティライザーに気付く。
ヒーローの登場に人々は大盛り上がり。
「良いねぇ、ヒーローって感じで」
「行くぞ!!」
ジャスティライザーがクイーンビー・パラノイドと戦う。
しかし、前回のキラービー・パラノイドよりも強く苦戦を強いられる。
「くっ……強いぞコイツ……」
「さっさとあの剣で倒そうぜ」
「ああ!」
ジャスティライザーは『シャイニングブレード』を手に戦う。
しかし……クイーンビー・パラノイドの毒針がジャスティライザーを襲う。
「ぐあっ……!?」
クイーンビー・パラノイドの毒針が刺さり、倒れ込むジャスティライザー。
クイーンビー・パラノイドは逃走。
ジャスティライザーは苦しみながら人気の無い所に何とか移動する。
「くっ……」
そして変身を解除。
「うっ……クソッ……」
毒は巧にも多少の影響がある様だ。
「巧……すまない……お前まで……」
「仕方ないって……それより、早く戻らなきゃ……」
巧はフラつきながら何とか店に戻る。
巧は苦しみに耐えながら売り場に向かうが……。
そこに宮本が……。
「神崎君!?ちょっと、大丈夫??」
だが、巧は倒れる。
「大変!?……店長ー!店長ー!!」
宮本に呼ばれ直ぐに木田がやって来る。
「神崎君!大丈夫かー?」
巧の意識は朦朧としていた。
木田が急いで救急車を呼び、巧は病院へ運ばれる。
「はぁ……まさか2日連続で救急車を呼ぶ事になるとは……」
木田がため息混じりで零す。
木田も病院へ付き添い、巧は処置を受ける。
その間、木田が医者に話を聞く。
医者は症状からオオスズメバチの毒にやられた物だと直ぐに分かった。
オオスズメバチがまだ残って居たのかと心配になる木田。
巧は薬と点滴で治療を受ける事に。
医者が言うには2、3日で治るらしい。
一安心する木田。
巧はその間入院し安静にする事に。
それから一晩が経ち翌日。
「ん?ここは?」
巧は目を覚ました。
巧は周りを見渡す。
「病院?」
巧は大分回復していた。
「あ〜あ……これからどうすっかな〜?」
しばらくして昼頃、宮本がやって来た。
「神崎君、具合いどう?」
「宮本さん!ええ、大丈夫です。大分良くなりました」
「おいおい、鼻の下伸ばしてんじゃねーよ」
「うるさいなー」
ジャスティライザーの声は巧以外には聞こえない。
「神崎君?」
「あっ、いえ、何でもありません」
「そう?あっ!そうだ。これ、神崎君退屈してるんじゃないかと思って……」
そう言って宮本は数本の映画のDVDを出した。
「ん?映画ですか?」
「うん、私映画って大好きなの、で、神崎君ってヒーロー物好きなんでしょ?それならこうゆうの好きかな〜?って……どうだろう?」
DVDはアメコミヒーロー物の映画だった。
「好きです!ありがとうございます!」
「良かった」
その頃、再びヤツが動き出した。
「!またかヤツが現れた」
「え?……分かった」
巧がベッドから降りる。
「何処行くの?」
「ちょっとトイレに……」
「気を付けてよ」
「はーい」
巧は病室を出てそのまま病院の外へ出る。
「巧、大丈夫か?」
「ああ、行くぜ!!」
巧は『変身』
しかし、ジャスティライザーにはまだダメージが残っていた。
それでもジャスティライザーは飛び立つ。
現場は昨日と同じオフィス街だった。
今日も多くの人が居た。
一人のサラリーマンを襲うクイーンビー・パラノイド。
そこにジャスティライザーが登場し、サラリーマンを助ける。
「ありがとう……」
「早く逃げて!!」
「はっ、はい……」
サラリーマンが逃げる。
「おりゃあっ!!」ジャスティライザーがクイーン・ビーパラノイドに攻撃を仕掛ける。
クイーンビー・パラノイドは再び毒針で攻撃してくる。
「おっと……ヤバいか……」
まだ本調子ではないジャスティライザー。
クイーンビー・パラノイドは容赦なく攻撃してくる。
ジャスティライザーは苦戦。
「くっ……」
「ダメだ……このままじゃ勝てない……」
その時、巧は思い出した、子どもの頃大好きだったヒーロー……。
そのヒーローの諦めない姿を……。
「そうだ……俺が大好きだったヒーローはどんな時でも諦めなかった。だから……俺も諦めない!!」
「巧……お前の熱い想い受け取ったぜ!!」
ジャスティライザーがちからを振り絞って反撃。
『シャインブレード』を手に取り戦う。
ジャスティライザーは『シャインブレード』で毒針を叩き斬った。
よろけるクイーンビー・パラノイド。
「トドメだ!!」
ジャスティライザーは必殺技『シャイニングスラッシュ』でクイーンビー・パラノイドを倒した。
「ふぅー……」
だが、次の瞬間何者かがジャスティライザーに襲い掛かって来た。
「くっ……何だ?」
そこに居たのは漆黒の鎧田を身に纏った騎士だった。
「おっ、お前は!?」
ジャスティライザーは驚愕した。
自分と同じ様に鎧に身を包んだその漆黒の騎士に。
「我が名は闇の騎士ダークライザー」
「ダーク……ライザー……闇の騎士だと!?」
そしてジャスティライザーはある事に気付く。
「お前……まさか……ユン?」
「ほぉ、覚えて居たか」
「当たり前だ……忘れる訳がない……」
ユンとは一体?
「フンッ……今のお前は本調子じゃないらしいからな……今日は挨拶だけにしておこう」
そう言ってダークライザーは姿を消す。
「待て!……くっ……」
ジャスティライザーは拳を握り締める。
戦いの後、巧は病院へ戻った。
巧は息を切らせながら戻って来た。
「流石に疲れたな……」
「神崎君!どこに行ってたの?」
宮本はまだ病院で待っていた。
「宮本さん……あ〜ちょっとトイレに……」
「長過ぎない?」
「あはは……実はちょっと散歩に……」
「も〜……早く病室戻りなよ〜」
「は、……は〜い……」
巧は病室に戻る。
ジャスティライザーはユンの事を考えていた。
「ユン……何故お前が……」
「なぁ、ジャスティライザー……」
「ん?ああ、何だ?」
「ユンって?」
ジャスティライザーは巧の質問に戸惑いながらも答えた。
「……俺の親友だった男だ」
「え?……それがあのダークライザーって奴?」
「そうだ」
巧はユンの話を聞かされジャスティライザーが複雑な心境なのだと悟った。
「ユン……この星で何をする気なんだ?」
ジャスティライザーとかつての親友ユンことダークライザーとの戦いが始まるかも
続く……。
光騎士 ジャスティライザー 山ピー @TAKA4414
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。光騎士 ジャスティライザーの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます