第四章。人工虹の行列

4.1. 峠の下の旅館で休憩を

「本日の夕焼けで一緒に準備を終わらせてくれて、改めて有難うございました」と純彦君が言った、一回の礼と共に皆に自分の一ヶ月以上の協力を互いに感銘させたり、拍手の波をさせたりする為に。


「かえって大変どうもだけど、これもう早過ぎんじゃない?私達まだ電気を付けてないのにね」、長谷川ちゃんが純彦君の早い感謝に優しい文句を言った。


「皆の協力を優先にしなければならないだろ。あとは、機械の協力で、俺達の苦労を実った成果にさせるかどうか気になる時間だ」


「じゃあ、皆もう汗塗れで汚れて大変疲れたからさ、皆にあげるご褒美として、私達は近くの旅館で九日間に宿泊しようとする。あそこで、夏祭りの終日まで最後の覚悟を準備しないと」


「まさかだんま峠の下の旅館に泊まろうと」、吉岡君が言った。


「うん、そうだよ」、降恆ちゃんの賛成した答えが皆を快く興奮させていた。「皆静かに・・・まずは、警察官達が僕達の退席の間に警備しやすくなる為にこの敷地を二日間未満で灯したままの様子にする。それから、日向町長、森本さんと原崎さんに管理される馬車らを通して旅館へひらがなの順番に皆を連れて行くよ」


「もしかしてあそこの一番大きな『ひさぎ』旅館だろうね?あそこでは二つの師団が宿って旅館のもう半分ぐらいを残せるそうなのだ」、峠の下の旅館の一つに泊まったことがある廣瀬君が言い、降恆ちゃんの頷きを貰った。


 黒船が横濱に寄港した時に開業されたあの『ひさぎ』旅館に初めて宿泊しようとしたのは同時に荒野の世界を隣の人と認めた私達の初の経験でしょうね。森を去ろうとする動物を脅かす強力な光を灯す灯籠を配置しといた他の旅館との共通点以外、『ひさぎ』は酒匂川の水流を分岐し自分の敷地へ導き、外を隔てると見えるように、一時に国の一番多様で賑やかな場所であった出島のような姿を作り、出入口とする八本の橋を建て架けたよ。私達が今夜そして次の夜で浸かってくるのは酒匂川の水からの繊細に濾過した温泉の風呂なんじゃないかという面白い感じがしたわ。


「さて、ここを出る前に、私達が汗塗れまで達成した成果を照らそうか?全てのスイッチがオンになっていると保証してね」と私が物理の組に言った直後、組が一緒に屋台と舞台に掛けてあるスイッチの状態を確認し、オンかオフか早速告げていた。全ての配線に切り目がちっともないと前に確認したことと共に、私達は安心して、舞台裏や、この坂に最も近い二つの電灯に設置した三台の発電機と繋がった三台の遮断器を付け、『鳥籠の檻』を蝶の翼の形をするまで回り捲らせる為に『電磁界作成』、『蓄電』と『電気放出』という三つの段にハンドルを回した。二分後、あれらの発電機は自らの蝶の翼を蜂の翼に変え、装置の上の信号をも赤から青にし、それから圧倒的に流した電子が数個の電球をちかちかさせたことから瞬間に全個のタングステンを燃焼したことまでの状態を起こしたの。


「わー、眩しくて綺麗——。太陽が暮れた際にその強い光がちゃんと見られるんだよ」と松山ちゃんが言った、急に激しく煌めいた電球によって目を遮りながら。


「なんか太陽を自ら生み出したらしいのだね、俺達は。実は二つ目の太陽」と橘君が言った、少年祭の完工の際の言葉と同じ。


「然しその二つの太陽は全然違うだろ。去年の太陽は天気の寒さを鎮めて早いクリスマスを伝えようとしていた一方、これは夏がくれた賑やかさを見せようとしているのさ」と言った篠崎君。


「荒野のお陰で、あたし達が暑さを感じていないでしょ」と高橋ちゃんが敷地の場所を安んじたように言った。「しかも、ここから地平線まで目線が何にも遮られないから警備もやすいもんね」


「うん、特に火災を起こしてしまった謎の武士団のこと。彼奴らは恐らくあの遠くの森の奥で待ち伏せようとしてったり、その川に潜ってここへ向かったり、それとも警察に潜入して寝首を掻いたりすることも出来るのでしょう」と貴島君が言った、あの武士団が忍び込める場合における。


「警察を偽って私達を裏切る訳ないもん・・・全員は軍隊に援助した武器や家庭用品を製作する越川家と、鉄道や道路を建設する山口家のお執事さんに呼び出してお手伝いを求めて頂いたからさ。しかも、彼らの家族も少年祭を楽しんでいたことだよ」と言った原崎さんの息子君。


「詰まり、少年祭で彼らに『賄賂』を贈っちまったの。だが、私達の信用が正しく置かれたと確かめる為に、原崎さんと森本さんもここで宿直してって、私達に鳥の飛行で送信するよ」


「鳥だけを使って他の装置を使わないのか、まっちゃん?」


「最初から私達は厚喜さんのクラブからの真空管を利用して電話或いは記録の拡声器を作るつもりだったけどさ、これぐらいの技術の手伝いは足りたの」


「へー、そう言うことだね。あの二人のお執事さんは参加したら、乱暴な武士さえも彼方達の力に懐けられるそうだ」と言った若林ちゃん、豊かなカップルと彼らの執事を少し自得させるのに。その後、皆は笠人君の屋台で保存されていた果物のジュースで喉を潤し、少なくとも三杯まで元気になっちまったよ。乾杯が終わったのちに、皆は旅館へ歩いて行こうとしていて、厳しい二人の執事と警察官に委ねた。「原崎さんと森本さんの千里眼がこの時間で効いていきますように」という期待が皆の脳裏に焼き付いている。


 旅館へ歩き始めたのはまだ夏の薄暮だったが、電柱だけで電灯のない道路がもうきちんと明るくされなかった。とにかく、私達の散歩が中断されないように何かで通り道を照らさないと。それで、電球を統合して電気を付ける及び消す為にレバーを上下に引く懐中電灯は有効な装置なの、手を汚すし重くて火傷させやすいし目線を下げる可能性のある松明と灯油ランプを引き換えて。


「いらっしゃいませ、『ひさぎ』へようこそ」、『ひさぎ』旅館を50年以上営んでいる日下部くさかべ家の若き女将さん達がいつも通り迎えた。靴と靴下を脱ぎ出す手続きをした後で、二人の女将さんの案内を聞いた。「お客様達が廣瀬様と日向様のご予約とお支払いによれば、西南の『かをり』に宿泊する予定でございますようなので、これから荷物をお渡しし、予定済みの部屋をご案内致させて頂きます」


 そして、私達のあまり良い匂いがしない様子が分かっていたような女将さんは急ぎっぽく私達の部屋を紹介した。『かをり』は二人及び四人も宿せる寝室を配置し、各寝室には花瓶が置かれなくても香水なんとかが付けられた優しい香りがあったよ。この部分は初めに睡眠障害のお客様達そして中々長い旅をした歩兵連隊に向かって建てられたが、歴史的な戊辰戦や九州での蜂起によってここの全ての旅館の外見を改変した故に、まだ睡眠障害を治す役割でもお年寄りの代わりに若者達を予約させる傾向を持っている。最近『かをり』部分は恋人のお揃いが最も狙ったさ、香りが愛情を濃くさせる可能によって。


「女将お姉さん、『かをり』には幾つの寝室があるのですか?」、私達の団体の一人が問い掛けた。


「三階あったこの旅館により、一階目には四名向け十室、二階目には四名向け五室と二名向け十室、三階目には二名向け20室が分けてあります。二階目では、二名向け寝室が南足柄の荒野そして小田原の外郭が見えた部分で分けられております。ご予約によりますと、皆達は・・・60名で、四名向け15室を決めたら最適になりましたが、四名向け七室と二名向け八室を決めたということなのです」


「もしかして、二名向け寝室には私達の団体の四人がいることが確実になりましたでしょうね」、背の高い長谷川ちゃんが廣瀬君の父親と日向町長の予約の仕方の可笑しさを見付けた。


「そうですね、あの二人の彼方様のご予約をご確認致しました時に、あんなに人が多き団体が『ひさぎ』に泊まって参ったことなど何か可笑しくなったと最初から思っておりましたが、皆達はほぼ16歳で子供ですし、背が非常に高い個人達が指で数えられるし、その仕方は適合なんじゃないかと思っております」


「私達は大学生なのですが、中学生達の身長との差がかなり小さいから、16歳の皆と一緒に部屋を分け合って欲しいですよ」と言った武蔵野さん。


「それは当たり前ですからね。四名以上の寝室を造る私達の目的は団体の宿泊の為だけでなく、広さによってお客様を快適にさせる為です、特には背が高い或いは外国人っぽいお客様。三名以下の寝室は、一人旅をした人或いは一般的な日本人の家族に適切。ですので、廣瀬様と日向様は日本人の平均身長に合った皆達の多数派に従ってご予約した訳なのです」


「なるほど、女将お姉さん。そうすると、予約した寝室に当たり四人が泊まることになりますね」


「はい、そう言うことです。但し、皆達は男性四名、女性四名、男性三名女性一名、男性二名女性二名、男性一名女性三名といった人数の分け方をきちんとご考慮お願いしたいと思っております」


「分かりました」と返事をした純彦君。「身長と性の差に従って皆を配ろうとしてく。音楽部が参加した後の団体では男が合計の3÷4から2÷3ほど減ったし、男が女より二倍多いし、男性三名女性一名の場合を優先にして、そして男性二名女性二名の場合だ」


「えっ、私達女性の一人が君達男性の三人と一緒に寝るということ?それは初めてなんだよ」とぞくぞくして言った高橋ちゃん。


「そうよ・・・あー、そっか、今回は皆が初めて性を問わず泊まるという問題だろうね・・・」


「当たり前でしょう、スミヒコ君。女の子が男の子の数人と一緒に寝ることが滅多にないもん、同い年でもいくら仲良くしても、あの女の子が境界を越える為に大胆な心を持つ以外。厚喜さんと一緒にうちで寝たことがある私さえも大丈夫じゃないよ」

「その分け方は数学的に間違いじゃないけど、心理的には逆だ。性がはっきり分けられた学校の制度を受けた僕達は三年前の交流会でしか分かり合っていなかったということで、いきなりそんなことをやるなんて無理なのが分かってんだ」


「そうだな・・・それじゃ、男性四名と女性四名の分け方に従えば良いだろ。但し、男が女より暑い雰囲気によって汗を多く出すという平常な状態だし、寝ている途中で男の方が様々で無邪気な寝相をかいてしまうし、四名向け寝室に男ばっかりを入れても構わない?」


「構わないよ、絲島君。でも、四名向け寝室の七室を君の言う通り満席させた後も12人の男達が残されてしまったの。二人向け寝室に入れるにはどうする?」、高橋ちゃんの返事。


「ご心配なく、高橋様。男性が四名泊まる二名向け寝室は三室になることでちょっと困りますが、『かをり』が他に異なるところをご利用し12名の男性を快適にさせて参りますよ。狭いような空間に対しては温度を微かに減少し、空気にあった埃を削除したら、結構寝やすくなるのです」


「それは安心してるんですよ、女将お姉さん。俺達男ですから寝たらどの姿でも構わん。互いに横になった所を夢中で勝ち取るし、互いに足を重ねるし、誰にも叱られずにさっぱり鼾をかくんです」、篠崎君が言い、女将さんをちょっと笑わせた。


「皆達は寝室における分け方をご確認頂きましたのでしょうか?」と女将さんが問い掛けた時、私達の数人はゆっくり頷いて答えた。「それでは、この縁側を渡ったと『かをり』での皆達の寝室に参りますので、適切なご配分の為に一見しても宜しいのです」


 上の階に上る前に私達は特別な12人の男達を見付け出そうとしていた。期待外れじゃなくて『花火團』さえも一緒に爽やかに泊まれる四人向け寝室を一見し、二人向け寝室をそれを半分で割って縦に設定したと思い浮かべただけで、足と手を伸ばせば不快を感じない条件を満たしたら良いと思っていた。だから、狭い空間を耐えられる男達を選んだだけさ。


「では、荷物をご整頓致しました後で、皆達の身体を綺麗にする為、温泉の風呂が設置してある『しろがね』部分にお移りして頂けば宜しいとお求め致します」、温泉に入って頂きたがった女将さんがそう言った、寝室の係員に正しい寝室の位置を案内し寝具と荷物を設置して頂いた私達が二階目と三階目から下りた後で。


「はい、私達も汚れて臭かった服のせいで大変痒く感じていますので」と緩叙法らしく答えた純彦君。皆は発酵の次の段階に進出しちまったような服によって激しく体を掻いていて、女将さんの案内の下で全ての保養向け部分の後尾で建てられた『しろがね』部分に出た。男向け赤い暖簾や女向け紫の暖簾を潜った後で、ただタオルで体を隠していた私達がまるで森の奥で溜まり日光に反映した清潔な湖に浸かろとしたようだった。


「おいっ、このお湯がなんか濁って変な青持ってんのね・・・匂いも草木っぽくて少し泥っぽいわ」


「どれどれ・・・」、智埼ちゃんが松山ちゃんの表情を受けてお湯に体の全体をも浸した。「ぷは——、あったかーい。凄く顔を揉んでくれたみたいんやで。ここにはね、多分硫酸鉄と硫酸マグネシウムが混ぜてあるさかい、水色を作ってんの」


「もしかすると、酒匂の川水をここに引導し、富士山から流れてきて地下で潜んだ溶岩が分解した鉱物をも溶かし上げたね」と言った桐谷ちゃん。


「泥も小さな量で溶かされたでしょう。然し、生の様子から濾過され、すべすべにされ、肌に良い元素を入れられた泥なのさ・・・こうしてちゃんと顔を叩いたと頬の筋が緩まってくよ」


「貴方は顔を綺麗にする為に、このお風呂の底にあった泥を顔に塗った方がええで」と言った智埼ちゃんが『活性化済』の泥を蜘蛛の巣の細かさで両手に集め私の顔に激しく掛けていて、芸者らしく白い顔をした。「はっは、ほら、貴方直ぐに京都人となってもうた」


「は——、じゃあ貴方を自分の出身に帰らせてやるー。自分の肌を最も世話している女子のくせに」


「へっ、ちょっちょっと待ってよっ。おーい」、抗弁を構わず智埼ちゃんの細い体を横に気軽に明るい青のお湯の中に押していた。智埼ちゃんも直ぐに覚悟したから、自ら目と口をきっちり閉じ息を潜め私に押させてくれた。但し、智埼ちゃんの体が完全に水中に押される直前、彼女が時間通りに私の脛を蹴り、私を一緒に水中に落ちさせちまったよ。私の体の表側が底の泥を浴びちまったその為だった。


「良くやったよー、チサト」と私が叫び智埼ちゃんと互いに泥を塗り合っていた。桐谷ちゃんと長谷川ちゃんもこの幼馴染のカップルの悪戯に参加したがり、かえって『泥の仮面』を被らずにいられないことになった。


「こらっ、君達裸の姿を丸出ししちゃったんじゃない?」と文句を言った降恆ちゃんも私達の悪戯に水投げを通じて巻き込まれた。


「良いじゃないの、ツネちゃん。どうせ同じ女性だから、丸出ししても男に見られる訳じゃ」と私が応えた。


「そ——だね、じゃあ僕は男みたいに見たらどう?男は必ず君達の魅力だらけの体に気が触れて必死に触ろうとしてんの」と降恆ちゃんが脅かしそうな声で言い、私達に何をしようとした。そう、彼女は立ち上がり、男らしく振る舞い、私の体に触ってきたよ。だが、彼女は同じ性の相手の胸と股を狙うそんな図々しさほどを持たず、自分の成熟なマッサージの技術で骨と節に接した敏感な筋を揉み込んでいた。私達は稲妻のような電流に通されていっていたと感じ、自ずと笑い声そして呻き声を出しながら体を縮めていた。


「それ凄過ぎなの、山口ちゃんの腕が。君はこうして人の肌に触った上は高圧の電気を引導したらしい」


「それ驚くべきではないでしょ、高橋ちゃん。君も僕の技術に取り憑かれてるのね。あの時、僕に君の背筋の痛みを扱って貰った後はベットで明日まで失神してしまったわ」


「そりゃ困り過ぎだったけど、山口ちゃんの言う通り君のうちで一緒に夕食を食べておいた二時間後、君に甚振られて良いことになった。君の腕のお陰で、私が前より速く動けるのよ」


「あ——」と呼び出した、降恆ちゃんに揉まれた筋を回したうちに。「今私の節と筋はもう緩まって良かった。一ヶ月以上のその建設の事業が運動器を凝らせちまって、ツネちゃんの治療の後でもう一回割って引っ張ったら天国みたいな感じなの」


「そやねん。火山から流れて温泉に溶けた微量元素もあたし達の体を効果的に回復させてくれたことや」


「うん、今夜貴方も元気に悪夢に落ちちまわないと期待してんね。そして明日から、関東の全体からの皆を迎えてくるのさ」


「そうなったら、この旅館は直ぐに含めないほど圧倒的な人数を迎えてしまうかなと思って」


「『圧倒的』って繰り返して良いよ、松山ちゃん」


「君がとても気に入ってるの分かってんでしょう」


 そう、参加を決めた人々が海の流れのようにこの旅館に向かってくると信じている。私達の運動器を『充電』して下さる入浴のことが終わったら、百個の席も含んだ大食堂に食事に行こうとしていた。この旅館の料理と食事向け部分は『かね』と呼ばれた。温泉では私達女性が騒々しく雑談出来たとしたら、食堂では男性達が小さな祭を開くようほど雰囲気を盛り上げられる出番だった。もう標準の食事時間を過ぎちまった七時半ぐらいでも、大変ぺこぺこした腹と大きな人数と共の私達が九時半までここで具沢山な夕食を出して下さって良かったということ。


 両側の階段の隣に位置した大食堂に入る前に、こんな時間でもやはり笑い声も酔っ払った間の捻じ曲げた声も美味しい料理を食べた間の快楽な声も良く聞こえていた。彼らが確かに周りの地域からこの旅館に先に行ってきたでしょう。女将さんの案内で入り真中の上の席に集まったところに、彼らが早速私達のことに気付いた。「遂に来てきたよ、小田原の優秀な青年達」と彼らの誰かが言い、私達をちょっと嬉しく感じさせ、彼らが夏祭りのことを知っていると信じさせていた。彼らも自分と家族を紹介し、出身地を教え、どのようにここに来たかも知らせてくれた。彼らの言い方と振る舞いに従い、同じ浴衣を着た姿だったとしても、この食堂で貧しい人も豊かな人も一緒に座っていたのが分かった。そして、彼らの殆ど全員が引き札を出したと見た時、彼らがここに来た理由はもう問題じゃなかったの。


 ゲストの全員と一緒に楽しさだらけの宴を上手く作り上げたよ、絲島家の倅の才能によって。まだお酒を飲む許可を求めない年齢層になっているにも関わらず、純彦君は八田蜜の少年達とアルコールの力を挑んでいた。さすが有名な焼酎の経営者の息子さんだね。酒呑みだと思われたおじさん達とも乾杯って呼び出す何回もてっきり酔っ払いの状態に落ちるちっともなかった。男性達は互いに肩を組んだり、一人ずつを選び民謡を歌わせたり、酒をお猪口に酌んだりした。一方、女性達は『ひさぎ』の名物をちゃんと味わった、猪と闘鶏の硬い焼き肉や、椎茸と榎茸を入れたすき焼きや、のっぺい汁など。更に、男性達の楽しみに参加しないゲスト達に多様な経緯を聞き、お茶を溢れた杯を干した。


 騒々しい宴が完了した時、酔っ払ったゲストを寝室に運び戻さなければならないまだ醒めていたゲストが、町役場でのその会議の後の友達の同じ微笑みと同じ期待を出した。食堂でのその騒がしい夕食にいたのは60人ほど数えた。その凄い数量が団体の男達の身内の酒量を急に半分まで減らし、真夜中まで寝室で賑やかそうな声を出させた。防音の機能があった寝室なので、彼らが隣に迷惑を掛けずにすっきり幼稚っぽく振る舞えていた訳。女達はより早く寝たが、その前にゲームをやった。私が高橋ちゃんと日向ちゃんと松本ちゃんと泊まって、日向ちゃんが持ってきた歌留多取りをやり、決勝戦で松本ちゃんの怖い速度に降伏しちまったの。


 8月20日には、『ひさぎ』は日常よりも多いゲストを迎えてきた。正午まで、秦野の灰玉駅、小田原の国府津駅や熱海の蓑田駅といった三つの行方から来たゲストの人数が四つの宿泊の部分の収容能力を大変脅かしていたせいで、『ひさぎ』は『やなぎ』や『すだち』といった隣の二つの旅館に手伝って貰わないといけなかった。全部の三つの旅館が収容数以上となった場合は小田原の中央の旅館に任せたの。開催前日に渡って、私達は自分が担当する屋台での仕事の為に体育を練習し続けていた。食べ物を出すこと、案内することや、実験をすることにとって、指や手や腕を柔軟に動かした。発表することにとって、発言を練習した。盛り上げることにとって、楽器を弾くことや踊ることも最終段で練習したりしていた。泊まったゲストが多いに連れ、私達の寝室の周りに好奇心があった人も多く集まっていて、『かをり』を渋滞ほどにさせちまい中々女将さん達を困らせたり、私達に圧力を与えたりしたでしょう。

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