第43話 騎士の決心
ファメールが詠唱すると鉱山の暗い坑内そこここにパッと明かりが灯った。甲冑を着込んでいるスラーの外交顧問にどうぞと促すように会釈をし、ファメールはニコリと微笑んだ。
「気づいているのでしょ?」
スラーの外交顧問が兜の奥からファメールにそう声を掛けたので、護衛達が慌ててどよめいた。
それをすっと手で制し、兜を取ってブラウンの長い髪をサラサラと肩へと零すと、里桜と同じブルージルコンの瞳を細めて僅かに会釈をした。
「スラー女王、リタ・リエンヌ・スラーです。ファメール様、無礼をお許しくださいませ」
「安心しました。坑内では視界も悪く、免を被っていては視察がまともにできないでしょうから」
全て承知していると言った風に頷きながらファメールが答えると、リタは瞳を細めた。
里桜はその様子を呆然として見つめた。リタの顔は勿論の事、声色や仕草の一つ一つが母親そっくりなのだ。
——あれは他人の空似なんかじゃない。お母さんだ……
と、僅かに息を呑んだ里桜に、リタは視線を向けた。
「ファメール様の助手の方は随分とお若くかわいらしい事」
そう言って手を差し出したので応えないわけにもいかず、里桜はリタの手を取り指先にキスをすると、頭を下げた。
「貴方が案内してくれるのかしら?」
「あ……いえ、あの……」
リタが里桜の手をぎゅっと握った。里桜は困惑して唇を噛み、俯いた。
「リタ女王」
ファメールは庇うように里桜の前に進み出て優雅にお辞儀をした。
「助手をお褒め頂き光栄ですが
「ヴィベルと申します」
ファメールに紹介されヴィベルがお辞儀をすると、リタはニコリと微笑んだ。
「上手いものね」
ボソリとそう言ったリタの言葉に里桜は瞳を見開いた。けれど、ファメールには聞こえなかった様で、そのまま坑内の奥へと案内を始めた。
——嫌な予感がする。お母さんが悪態を付く時は別の考えがある時だ。
先導するヴィベルの後を、ぞろぞろと護衛兵に守られたリタ女王、ファメールと里桜。そして二人を守るレアン率いる騎士団の精鋭が数名続き、視察が始まった。
ところどころで摂れる石、生成される金属の質等の説明をヴィベルが詳細に丁寧にしたが、リタは頷きながらもどこか退屈そうに聞いていた。
里桜は胸騒ぎがしてならなかった。不安の色を隠せない里桜を見つめ、ファメールが声をかけた。
「大丈夫。レアンも居るんだ。それに彼女は魔族でもない普通の人間だよ。途中の休憩施設で会話する時間を設けてあるから、今は堪えてくれ。わかったね?」
里桜はじんわりと浮かぶ涙を抑えようと必死に唇を噛んだ。ファメールはその様子に気づいて訝し気に眉を寄せた。
「どうしたのさ?」
「な、なんでもないよ!」
慌てて首を左右に振った里桜の瞳からポロリと涙が零れた。
「何でもないのに泣いたりする人なんかいないだろう? 一体どうしたというのさ」
口を噤み、肩を震わせて怯えたようにブルージルコンの瞳をファメールに向ける里桜をファメールは心配したが、自分には言えないのかと溜息をついた。
ファメールに呆れられてしまうと感じて、里桜はたどたどしくも自分の気持ちの蟠りを口にした。
「生きてるんだなあって……お母さん。違うんだろうけど、でも、そこに居るんだなぁって。そう思ったらなんだか……現実世界の方が夢だったらよかったのにって、そう思っちゃって」
ファメールが里桜の手を優しく握りしめた。その手の暖かさに縋りつく様に里桜も手を握り返した。
「心配要らないさ。キミを傷つけるような真似は絶対にさせないから。例えキミの母親であろうとなんだろうとね」
ファメールにとって、最早里桜はアルカとレアンの様に大事な存在となっているという事実を、彼は受け入れた。そして受け入れたのならば全力で守る。そう決めたからには里桜を気遣う事にも徹底するのがファメールという人物だった。
里桜はその手の温もりからファメールを心の底から信頼できると感じ、それならば自分の感づいた事は何でも報告すべきだと思った。
「あのねファメールさん。現実世界ではヴィベルさんはお母さんの弟なのに。ヴィベルさんだけ魔族で、お母さんが普通の人間だなんて、姉弟でそんな風になるものなのかな?」
「……なんだって?」
「それとね、アシェントリアのラウディさん。あの人、私のお父さんにそっくりだった。何か関係があるのかな……」
里桜の言葉にファメールは迂闊だったな、と。唇を噛んだ。もっと事前に準備しておければ良かったが、時間が無かった。これもリタの作戦のうちなのかもしれない。
この世界を『夢』であると仮定するならば、出会った事も無い人物を夢の中に登場させるのは不可能なことだ。
アシェントリアが里桜の夢。ムアンドゥルガがアルカの夢とするならば、スラーはリタの夢ということになる。
問題は現実世界の記憶を持っている方が誰かということだ。ラウディ夫妻は里桜の夢の創成物であることは間違いないだろう。つまり、リタが里桜に対して嫌に興味津々なのは、現実世界の記憶を持っているからと考えて間違いないとファメールは思った。
チラリと里桜を見ると、不安げに唇を噛みしめていた。彼女の不安を少しでも取り除いてやりたいと考えて、そのためにはリタが里桜の母親本人であると確信を得る事が先決だと頷いた。
ファメールはレアンを呼ぶと、里桜の側についているようにと指示を出し、少しずつ歩む速度を上げてヴィベルの側へと追いついた。
「ファメール様? 説明がどこかおかしかったですか?」
ファメールが側に来た事で心配になってそう言ったヴィベルに、「いや、そんなことはないさ。僕もちゃんと聞いておこうと思ってね」と、サラリとかわした後、リタを見つめた。
「リタ女王、この鉱山は、実は鉄だけではなく金も取れるのです。とくに含有率が高いのが特徴で、0.03
ヴィベルに代わりそう説明をしながら小ぶりな金鉱石を手に取り、ファメールはリタに手渡した。
「……確かに、金の輝きが僅かに見えますね」
頷くと、ファメールは更に説明を続けながら坑道の奥へと足を進めて行った。それは優秀なヴィベルよりも詳しく、ところどころの地層についても事細かな数値まで添えて話すので、ヴィベルは手持無沙汰になりながらも流石はファメール様、私では及びませんと素直に敬意を表した。
「兄上は一体何をお考えなのか……」
小首を傾げるレアンの側で、里桜はじっとリタを見つめた。
「たぶん、リタ女王を試しているんだと思う。少し様子が変なの。それにね、『パーセント』なんて値、この世界にある単位なのかな?」
「何です? その『パーセント』とは」
「……そうだよね? リタ女王は聞き流したから。ひょっとして現実世界の記憶があるんじゃないかな」
その言葉に、レアンはハッとしてファメールを見た。レアンは察したのだ。ファメールは自分を囮にしてリタの様子を伺おうとしているのだと。
——さぁ尻尾を出せ、リタ女王。僕がわざと罠にはまってやろうじゃないか。
もしもリタ女王が現実世界の記憶を持つ里桜の母親そのものであるのなら、里桜と会話をさせるわけにはいかない。死人と会話をしたのなら、彼女は必ず心についた傷を抉ることになるからだ。
ファメールの背後でリタが微かに口元に笑みを浮かべ、片手を上げて指示をしたのをレアンは見落とさなかった。
「兄上!!」と、レアンが叫ぶか叫ばないかの時、爆発音が鳴り響き、大地を揺るがした。
崩れ落ちる石をレアンが弾き飛ばし、里桜を守った。並であれば考えられないような大きさの石でさえ、レアンはその剣で弾いて里桜を庇い続け、揺れが落ち着いた後も息を切らせながらじっと辺りを見据えた。
落盤で前も後ろも封鎖され、大きな石の下敷きになって息絶えた騎士団の精鋭達を見つめながら、レアンはぎゅっと歯を噛み締めた。
「兄上っ!!!」
叫んだが応答が無い。しかしファメールのことだ、咄嗟に身を守るくらいのことはできただろう。
「リオ、怪我はありませんか?」
「うん。たぶん」
と、顔を上げて、すぐさま「痛っ!」と、しゃがみ込んだ。肩と足首に怪我を負った様で、僅かに血が滲んでいた。
「すみません。守り切れず不甲斐ない」
「全然! 大した事ないよ。レアンに守って貰っていなかったら、私……」
と、落盤の下敷きになってこと切れている騎士の遺体に視線を向け、ゾッとしてすぐに目を逸らした。怖くなってレアンにしがみつく様に身を寄せて「ファメールさんとリタ女王、大丈夫かな……」と、心配そうに震えた。
「大丈夫です。兄上がきっと守っていることでしょう」
優しく里桜の背を撫でて、レアンはマリンブルーの瞳を細め微笑んだ。
「怪我の手当をしましょう」
里桜を軽々と抱き上げて大きな石の上へと座らせると、レアンは腰に括り付けてある皮のポーチから包帯を取り出し、里桜の傷の手当を施した。
「ありがとう。レアンはいつも優しいね。救急セットまで持ち歩いて、用意も良いし」
「臆病者なだけですよ」
「騎士団の団長なのに?」
クスクスと笑う里桜に、レアンは申し訳無さそうに微笑んだ。
「ええ。大事な人が多すぎて失うのが怖いのです」
「そこがレアンの優しいところだよ。とっても良いところだと思う」
「リオにそう言われると不思議と悪くないかと思えてきます」
不安げに辺りを見回して、「前後が埋まっちゃったみたいだね」と、眉を寄せる里桜の頭を、レアンは優しく撫でた。
「必ず何とかしますから、大丈夫です」
「でも、どうやって? 落盤を砕く手段が無いよ」
「……では、少しだけ」
レアンは剣をすらりと構えると、素早く振るった。大した所作では無かったはずが、里桜のブラウンの髪を突風が攫い、目の前にあった岩が砕け散った。
レアンは剣を鞘に納めると、天井を見上げて異変が無い事を確認し、里桜を振り返った。
「落盤が落ち着いたらこうして掘り進める事は可能ですから、ご安心ください」
「すご……」
道路工事でおじさん達が機械を使ってもあんなに苦労していたのに、と、里桜は瞳を丸くした。
「レアンが居れば百人力ね」
ポツリと言った里桜の言葉に、レアンは少しでも里桜の不安を取り除く事ができただろうかと、僅かに安堵した。
石の上から降りると、里桜は「レアンも怪我してる」と、頬にハンカチを当てようとした。カッと顔を赤らめて「大丈夫です!」と離れようと慌てて後ずさり、里桜は「ちゃんと手当しないと!」とレアンの腕を強引に掴もうとした。
「大丈夫ですから!」
「だめだよ」
ズッと足を滑らせて尻もちをつくレアンの上に、里桜が「うひゃ!」と叫びながらのしかかる形で転んだ。
「ごめんね! レアン!」
「いえ。こちらこそすみません。足場が悪いですから気を付けなければ……」
そう言いながら、偶然の状況であれ、腕の中に居る里桜を見下ろした。
小さく華奢な里桜は、白く細い手でレアンの肩に捕まると、再びハンカチでレアンの頬を拭いた。
「レアンが逃げるから」
くすくすと笑いながら、「これでもう逃げられないから、大人しく手当されてね」と、簡単に手当をする里桜を、レアンは堪らず抱きしめた。
「レアン?」
傷が沁みたのかと心配して里桜は声をかけたが、レアンは里桜の温もりを噛み締める様に瞳を閉じた。
これほどに愛しい里桜をこうして独り占めにしてしまっている罪悪感と喜びとが入り混じり、レアンの眉間にはぎゅっと皺が寄せられた。
「どうしたの? 大丈夫?」
何か悲しんでいるのだろうか。そうだ、レアンもファメールが心配に違いない。と、里桜はレアンを細い腕で抱きしめ返した。
「リオ、必ず貴方を守ると誓います」
「え?」
レアンの口から放たれた言葉に困惑して、チラリとレアンを見上げた。
「ありがとう、レアン。私もレアンを守るよ」
「私を?」
里桜は頷くと、「私だってレアンが大事だもの」と、微笑んだ。
「大事だから守るんでしょう?」
「ええ。そうですね。それに、愛しくもあります」
レアンの言葉にドキリとして、里桜はブルージルコンの瞳で瞬きをした。
「例えこの身が滅ぼうとも、私は貴方を守ると誓います」
静まり返った坑道内は声がよく響く。静けさの中まるでその空間が神聖な場所でもあるかのように思えて、里桜は戸惑った。
「大げさだよ、レアン」
緊張をごまかす様に言った里桜の頭を優しく撫で、マリンブルーの瞳を細めて微笑むと、レアンは立ち上がった。
「少し落盤の状況を確認してきます」
と、レアンが言った時、突然激しい頭痛がレアンを襲った。思わずふらりとよろめき、脳内に響く耳鳴りに耐えていると、里桜が心配そうに眉を寄せた。
『レアン? どうしたの?』
里桜の問いかけが二重にぶれて聞こえる程の強烈な頭痛に、レアンは答えることすらできずに歯を食いしばった。唇に牙が当たる感触があり、思わず手を当てた。その手はグローブが破れ、醜く歪んだ爪先が露わとなっており、レアンはゾクリを背筋が凍り付いた。
——おかしい。化け物へと肉体が変わってきている……?
『レアン?』
朦朧とする思考の中、里桜を見つめると、パラパラと小石が頭上から振り注いだので、レアンは咄嗟に里桜を突き飛ばした。
ドウ!!!! と、凄まじい音を発して落盤が起こり、里桜は砂埃から顔を庇いながら、「レアン!」と叫んだ。
「……リオ、無事ですか?」
「うん、平気」
舞い上がった砂埃が収まってゆくと、ファメールの灯した魔術の光が蹲るレアンの姿を照らし、里桜は小さく悲鳴を上げた。
片足が岩盤の下敷きになり押しつぶされていた。引き出そうにも、足の上に積み重なったその岩盤の体積からは到底難しいと思われた。恐らく彼の足は粉砕されているに違いない。
「レアン! ごめんなさい。私のせいで!」
「いえ、リオが無事でよかったです。魔族ですから、この程度どうということはありません……」
相当な痛みに耐えながらも、レアンは里桜に心配させまいと笑みを浮かべてそう言った。
里桜はレアンの側に駆け寄ると、潰された足を見て涙を零し、オロオロと辺りを見回した。
「どうしよう……」
ファメールならばレアンを助けられるだろうか。しかし、落盤の状況が酷く、ここで叫んだとしてもその声はファメールには届かないだろう。それどころか、声の振動を与えることで更に落盤が発生する危険性もある。
流れ出るレアンの血を痛々しそうに見つめたあと、里桜はふと思い出し、レアンの手を握った。
「レアン、私の血を吸ったら抜け出せるんじゃないかな? 魔力の源なんでしょう?」
「絶対にいけません。断じて!」
即答し、レアンは珍しく厳しい瞳で里桜を見た。
「リオ、私から離れてください。兄上の守りの指輪があるとはいえ、万が一のことがあってはいけません」
「でも……」
「いいから、早く」
静かに、しかし、焦りの込められたその声に里桜は唇を噛み締めてレアンの側から離れた。
「すみません、リオ」
厳しい口調で言ってしまった事を謝罪し、瞳を擦る里桜をレアンは見つめた。
——優しい里桜。できることならば、彼女の側に居て抱きしめて、わが身を
「大丈夫ですから、坑道から出た後に治療すれば、一日と待たずに治ります。魔族とはそういうものなのです」
「ごめんね、レアン」
「いえ、私を気遣って言ってくれたのに、きつく叱ってしまいすみません。ですが、もしもリオの血を吸ってしまったら、私だけではなく、私の眷属達皆が暴走してしまいます。今は兄上が側に居ませんから、封じる術がありません。分かってください」
「うん。ごめんなさい、レアン」
ふぅ……と、深く呼吸を吐いて、レアンは考え込んだ。変貌した自分の手を見つめ、恐らくそれは兄にも異変が生じていることだろうと思った。考えられる事は、魔族の王であるアルカの身に何かしらが起こったということだ。この世界が存在していることから、死んではいないだろうが……。
パチン……
里桜を見つめるレアンは体中に戦慄が走る思いに
それは僅かに天井の石に亀裂が入る音だった。耳を澄ましていなければ聞こえない程の僅かな音。けれど、零れ落ちる砂粒が里桜のすぐ上であり、レアンは咄嗟に握りしめた剣を落盤により挟まれた自らの足に突き立てた。
——脚など惜しくはない。この身が滅びようとも、地獄の様な痛みに蝕まれ続ける運命になろうとも構わない。リオを。守りたい。
レアンの行動に悲鳴を上げる里桜の頭上を落盤が襲う。自らの脚を切り落としたレアンが残る片足で大地を蹴り、里桜を抱きしめてその勢いのままその場から離れた。
凄まじい音と砂埃が辺りを覆いつくし、二人のほんの僅か後ろが落盤で塞がれた。レアンの腕の中に恐怖で震える里桜の温もりを感じる。
「レアン……」
里桜が嗚咽を漏らした。
「ごめんなさい。レアン……」
残されたレアンの片足が落盤の下敷きになっている。
「リオが無事でよかったです。泣かないでください」
脚の痛みに耐えながらレアンは里桜を落ち着かせようと彼女の頭を優しく撫でた。
気を失いそうな激痛の中、レアンは自らの運命に感謝すらしていた。
里桜を守る事が出来て良かった。自分はこの世界にその為に生まれてきたのかもしれない、と。誇らしい気持ちになった。
しかし里桜はパニック状態になり泣くことしかできない。こんな悲しみを与えてしまうのでは騎士として失格だと己の不甲斐なさを責めた。
「大丈夫ですから。大丈夫」
低く優しい声でレアンは繰り返した。
「レアン! どうしよう! レアン!!」
「リオが無事で良かった。本当に」
——どうか、泣かないでください。己の使命を全うした魔族が一匹死ぬくらい、悲しむ必要は無いのですから。
「ファメールさんを探して来る! レアン、待ってて」
離れようとする里桜をぎゅっと抱きしめて、レアンは引き留めた。
「一番大きな岩盤が落ちた様ですから、これ以上の落盤は無いでしょう。ここが一番安全です」
「でも、このままだとレアンが!」
「私は所詮、アルカの夢の創成物でしかありません」
レアンの言葉に、里桜は嗚咽を洩らした。肩を震わせ、「そんなこと言わないで」と、小さく言った。
「レアンはレアンだよ。私にとって大切な人なんだもん……」
「ありがとうございます、リオ」
意識が遠のいていく中、レアンは里桜を落ち着かせようと彼女の頭を優しく撫で続けた。
——愛した女性を護って死ぬのなら、騎士冥利に尽きるというものだ。
と、レアンは幸福に思い、瞳を閉じた。
————腕の中の里桜から驚く程に甘い香りがした。
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