弱者 生き方
仲仁へび(旧:離久)
第1話
弱者には弱者なりの生き方がある。
「あいつ、卑怯だよな。いっつも偉い人間にくっついてて」
「ご機嫌取りばっかしててダサいよね」
「あんな風にはなりたくねーわ。プライドとかねーのかよ」
勝手に言ってろ。
そんなもん大事にしたって、世の中生きていけるようになるわけじゃねーんだよ。
俺は口を開く。
「さすが○○様、他の人には思いつかない事を言いますね」
せっかく、よくまわる口を持って生まれてきたんだから。
活用しねーと損だろうが。
俺の通ってる実力主義の学校は、頭の良い人間が表の学生生活を、腕っ節の強い人間が裏の学生生活をぎゅうじっている。
けれど、人の上に立つような人間ってのは、我が強いことが多いから、ついていくやつが多いと学校はそいつ色に一気に染まっちまう。
裏のトップも表のトップも、強いことがすべて、力があることこそがすべてという価値観だから、弱者に対する風当たりがやたら厳しかった。
「そんなの間違ってる!」なんて言ってみろ。
全校生徒から執拗な嫌がらせを受けて、退学するまで追い込まれる事になっちまう。
しかし、弱者にも救いはあった。
仁徳とか人間性とかそういうもんを発揮して、味方を作るんだ。
人数がいれば、派閥ってものをつくって仲間同士でかばいあえる。
けれど俺には何もない。
だから、一人で生きていくために、ご機嫌取りに必死になるしかないのだ。
「○○様にかなう人なんんていやしませんよ」
「○○様の力、さすがです」
「いやー、こんなに素晴らしい方と一緒に行動できて、光栄です」
弱者 生き方 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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