第5話
部活も終了した帰り道、私は瑠璃乃と一緒に今日の反省をしていた。
「ごめん、今日の試合、私のせいで負けちゃった。先生からも課題の山だって言われたし...。」
「いやいや、毬花のせいじゃないよ。私も攻め気が無いって言われたし。でも、一ゲーム取れた事は、誇って良いと思うよ。」
「ありがとう、それでもやっぱり悔しいな。綾と由美は、連携もバッチリだったし、一人一人技術もあったよね。」
「そうだね。今から毬花が、経験者並みの技術を大会までに身につけることは出来ないしね。」
当然の事ではあるが、瑠璃乃が言ったその発言が深く胸に刺さった。やっぱり、私じゃ勝てないのかなとか思ってしまう。しかし、瑠璃乃は予想外の発言をする。
「経験者並みの技術を身につける以外にも、大会に向けて出来る事はあるよ。それは、ラリーに慣れること。」
「ラリーに慣れる?さっき、先生が言っていた事に似ているね。体力強化ってことかな?」
「少し違うかな。体力とボールのコントロールの二つを克服するの。ラリーに強い事は、後衛にとって大きな武器になるから。」
「二つも一気に克服するの?出来るかな?」
「出来ると思うよ、というかある程度出来る様にならないと、試合本番で困る。」
「うっ、痛い所突いてくるね。出来ないと困るなら、頑張らないと。」
「私ももっと頑張るから、一緒に勝とうね。」
「うん、私達二人で勝つよ。」
そう、決意を新たにし、試合の日まで練習を続けた。そして迎えた試合本番、私達は、試合に備え、アップをしていた。
「後、一時間くらいで試合だし、そろそろアップをしようか。」と瑠璃乃が言ったけど、
そもそも試合前って何をすれば良いんだろう?
「試合前って基本的に何するの?ランニングとか?」
「今はまだコートが使えないから、ランニングしようか。それで、コートが使えるようになったら...ラリーとサーブ練かな?」
ラリーって事は、数日前にやったあの練習を
やるの?かなりキツかったから、若干トラウマになっているんだよね。
まず最初に、一分間ラリーを続けて、途中でミスをした人がスクワット五十回。その後、ラリーをする時間を二分、三分と伸ばしていくといった感じだ。
ミスをして、スクワットをすると後のラリーがキツくなる。でも、ラリーでミスをすると再びスクワットと、負の連鎖が続いていくのだ。
「この前やった練習をやるの?スクワットは、ごめんだよ。」
「いや、流石にスクワットはしないけど、ボールを打ち続ける事はやるかな。後は、サーブを
実際に打ってみて、風の影響を確認する。」
「良かった〜、スクワットは無しで。そうしたら、詳しい事は、ランニングの後に聞くね。」
「オッケー、じゃあ早速、アップ開始!」
しばらく、コート外を走った後、サーブやラリー練習なども済ませて、いよいよ試合が始まる。
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