第12話サクのステータス(仮)


「この野郎。お菓子を食べた後は爆睡かよ」

『まだ輪廻転生の癖が抜けてないと思いますよ。どうせ死ぬなら食って寝て楽に死のうと本能に刻み付けられているのかもしれません』

「なんちゅう悲しい本能だ」


 俺の胡坐の上で口周りを油とチョコで汚したまますぴょすぴょ眠っている義輝ちゃん。

 その間に初期設定もやり終えたよ。


『これからはサク様と呼んだ方がいいですか?』

「やめてぇホネ子ちゃんからはいつもの呼ばれ方がいいよ」

『わかりましたご主人様。わかってますねご主人様』


 なにか文法がおかしくない?


『あ、初期設定が完了したのでご主人様のステータスも更新されたみたいですよ』

「マジで?あの義輝ちゃんの次くらいに悲惨なステータスが更新されたの?」

『あの時は絶望しかありませんでしたよね・・・』

「ああ、村P15のときの最後の希望を潰したステータスだったよな・・・」

『ほぼ一般村人ですから、技能が一つもないのは最悪でした』


 二人でしんみりしてしまう。

 あれ?よくよく考えたらあの頃にタバコを物品交換で出してもらってもライターが無かったから吸えないじゃないかっ。やっべーもし交換してたら発狂して義輝ちゃんの首根っこを掴んで獣かヒャッハーを探して死ぬところだった。

 止めてくれたホネ子ちゃんには感謝しかないな。


「ナイスだホネ子ちゃんっ!」

『?何かわかりませんがやったーっ。褒められたーっ』


 ホネ子ちゃんに親指を立ててグッと褒める。

 義輝ちゃんの頭の上でワーイと両手を上げるホネ子ちゃん。映像だから落ちることもない。そして義輝ちゃんに無かったはずのアホ毛が出来ている。

 電撃とかは神経とかを刺激していると思うのだけど、ホネ子ちゃんの映像が持っている風にしていたあのアホ毛はどうやって作ったんだろうか、謎がどんどん増えていくよ。


「それではおニューの俺のステータスを見るか」

『義輝は起こさないのですか?』

「え、どうして?」

『・・・いえいいです。意味がわかんないとキョトンとした顔をされるとはまだまだご主人様の性格を把握できてません』


 ホネ子ちゃんも変な事を聞くね。

 義輝ちゃんに見られても三秒で忘れるから意味無いし、何よりもアホの子に爆笑されたらたぶん安全領域から義輝ちゃんをぶん投げちゃうぞ。


『んんっそれでは改めましていきますよ。ステータスオープンッ!』


◎サク(男?性欲ないのに?) 職業ツッコミ村長(村長してないじゃんこのドSめっ)

・力10(倍にしたよ嬉しい?)・知力77(悪知恵はね悪知恵だけ)・運この世界に転生した時点でねえよ

〇装備、着物(現代服と交換するなよ)、ホネ子(パイル〇ーオン)、義輝(呪い、離れぬのじゃぁ)

・技能 記憶喪失(だから転生しても平気)、ツッコミ(義輝に対してダメージ3倍ドSゥ~)、ボケ(心がドSだからウケなくても平気)


「よし俺の目的は俺のステータスを考えた奴をボコボコにすることに決めた」

『ダメですよご主人様。一応このシステムで生き残れるんですから』


ポーン

◎ホネ子

 お前本当にナビゲーター?


『よし私もお手伝いします。一緒に神(雨乞い2.14システム)殺しを成しましょう』

「俺より酷い子がいると冷静になれるな~」


 よし少し冷静になったぞ。反対にホネ子ちゃんがシャドーボクシングを始めたな、それはJE〇アッパー?


「しかしある程度酷いと思ってたけど義輝ちゃんほどではないな」

『あれを超えるのはシステム上無理と判断したのでは?』


 さすがに義輝ちゃんを超えるステータスは無理だ。だってボケしかないんだもの。


「こいつ馬鹿だよ。性欲なんて解除すれば、あ普通の男に変化した」

『焦って変更したしましたね。これを追跡すれば・・・』

「ダメダメたぶん追跡してもテキスト『文章で残念っ!当たりの為にもう一本買え!』とかがあるくらいだよ」

『実はご主人様が神(雨乞い2.14システム)とか』

「だったら遠慮なくステータスを65535にするんだけどね。あと技能にタバコ無限増殖」

『吸えない体なのにそこだけはブレませんよね』


 ふ、照れるじゃないか。


「職業はう~ん少し違うな。俺としてはボケ村長のほうがいい」

『ご主人様は切羽詰まった時以外は考えるボケですもんね』

「そうなんだよ、まあこれはあとでこちらが合わせていくか。ふ、俺はツッコミも上手いんだぜ」

『キャーッ!ご主人様ステキーッ』

「・・・」

『・・・』

「どうしよう義輝ちゃんのステータスが凄すぎてこれ以上テンション上げるの無理そうなんだけど」

『能力値も予想を外れていませんし、装備の私とか義輝のもあ~なるほどって感じですか』

「技能も取って付けたようでツッコミもボケも出来ないよ」

『技能が付く前からご主人様普通にやってますから』

「しばらく放置したら変更されるかな」

『さっき変更したらしてくるんじゃないですかね』


シュンッ


「『消えたか・・・』」


 もう一度ステータス画面を表示しようとしたが。


【工事中見るなよバーカ】


「むなしい勝利だ」

『一矢は返しましたよ』


 神(雨乞い2.14システム)に喧嘩を売って大丈夫なのだろうか。


『ご主人様のシステムは全て変更されていません。神でも個人用になったシステムには干渉できないみたいです』

「ステータスはがっつり干渉されてるけどな」

『そこしか干渉できなかったのでは?システムに干渉できていたなら義輝の村Pを絶対に修正してくるでしょうし』


 たしかにそうだ今の俺は義輝ちゃんで成り立っている。そこが修正出来ないということはこれ以上は干渉できないんだろう。


『ちなみに義輝のステータスには干渉が見られませんでした』

「マジもんのアホの子だったか・・・」

『天然物には勝てないんですね』


 養殖物は天然ボケ物に勝てない運命なのか。


ーーーーーーー

天に唾吐く連中です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る