第8話義輝ちゃんはチートキャラ
「待って待って待ってぇー!」
『いやいやいやーっ!?』
一人と一体(骨の数え方?)は今生が始まって数時間の内で最大級の混乱に陥った。
ホネ子ちゃん俺の視界の中で走り回っている。先ほどまで義輝ちゃんの頭を叩いたり蹴ったりしている動きをしていたのに、今は空中を走り回っていた。現実の世界に合わせて動くことが出来ないくらい驚いているのだ。
「何これ!?65535?カンストォ!?」
『何ですかこれぇ!?村Pってこんなに溜められることがでるんですかっ!?』
【村育成ポイント65535】
数分前には村P5の差で明日の太陽が拝めないと思っていたところに桁が段違いの村Pが手に入ったらそりゃあ混乱するさ。
「はっ、ホネ子ちゃん安全領域だっ」
『はっ!そうですっ安全領域を展開しますっ』
ホネ子ちゃんが手を頭上に掲げると青いシャボン玉のようなものが俺達を包む。
『これで半径五メートルは獣やヒャッハー達から感知されなくなりました。だいたい半日は持ちます』
「これで明日の朝日は拝めるか」
『森の中ですから太陽が上がらないと拝めませんが』
「そこはお約束だよホネ子ちゃん」
『はっ失敗しちゃいましたテヘペロ♡』
「『はははははは。はぁ』」
ようやく落ち着いてきた。朝日を拝めないと考えてよかったよ。おかげで安全を確保出来たおかげで興奮も冷めてくる。
「この村Pはやっぱりこれ?」
『これのおかげでしょうねぇ』
俺が義輝ちゃんの頭のつむじを指でぐりぐりするとホネ子ちゃんも同意してくれた。
「はうぅ、頭から頭から刺すのは止めるのじゃ。今の余は蛇なのじゃから普通に口から刺してくれなのじゃぁ~」
「壮絶な蛇生だな・・・」
『殺され方を選びたくなるほど簡単に死ぬ輪廻転生だったみたいですね・・・』
ネタが豊富すぎるぞ義輝ちゃん。
『ん~よしわかりましたよ。どうして村Pが爆上がりした原因が』
ホネ子ちゃんが雨乞い2.14のシステムにアクセスしたみたいだ。
『原因は義輝の技能の二つ転移者と輪廻転生です』
ホネ子ちゃんの説明では義輝ちゃんの技能、転移者と輪廻転生はシステムから付与されたものではなく義輝ちゃん自身が元から持っていたもので、雨乞い2.14の世界に転移してきた義輝ちゃんは雨乞い2.14のシステムの恩恵を一切受けられずに生きてきたようなのだ。
『たとえると常に車が途切れることが無い車道を透明人間が目を閉じたまま何度も横切っている感じですね』
「それは一回目で死ぬぞ」
『だから輪廻転生が活躍しています』
義輝ちゃん輪廻転生のおかげで生き残れた・・・といえるのか?
『その輪廻転生で一回死んだ分が村人一人分と認識されているみたいで』
「ちょっと待て」
え、それで考えたら義輝ちゃんの輪廻転生した数は65535回?
『ご主人様、義輝の死亡回数は65535回ではありません』
「え?」
『65535は表示できる最大の数値です。見かけの表示ポイントみたいなものですね。村育成ポイントのおかげで輪廻転生のヒミツ♡の部分が死亡回数だと判明しました』
ホネ子ちゃんが原因がわかってから義輝ちゃんをアホの子と言わなくなっている。
『実際の死亡回数は3578万7391回です。よく人として精神を保ってますよね、やはり知力アホの子が関係しているのでしょうか?』
カタンと首を傾げるホネ子ちゃん。
いやいや普通は無理だろう。
「おい義輝ちゃん起きろおーきーろー」
「んみゃ、余は朝は茶漬けがよいのじゃ」
俺は起き上がり寝ぼけている義輝ちゃんを目の前に座らせる。薄汚れているが長い白髪に細い輪郭、大きなめに綺麗に鼻筋が通っている。どうみても美少女だ。あと胸が巨乳。
「義輝ちゃん今まで何回死んだ?」
「んむぅー、わからんのぅ。まともに考えることの出来んものになったこともあるからの。万は越えたような越えなかったような」
『おそらく微生物なども含まれています。この世界の生物の殆どに転生しているんではないでしょうか』
まだ夢うつつの義輝ちゃんが化け物に見えてくる。輪廻転生?たしかに凄いが義輝ちゃんの自我を保っているほうが異常だ。一万近くは自分の死を自覚しているのに狂っていないのだ。いやある意味では狂っているが。
「まさか役立たずの義輝ちゃんが精神チートだったとは」
『アホなだけでは?』
ホネ子ちゃんの一言で化け物に見えてたのがアホの子に戻っちゃったよ。
「よし今後は65535回生きたアホの子で考えていこう」
『そうですね。このバグキャラはそのくらいが一番いいかもしれません』
「んあぁーなんか酷いこと言われているような気がするのじゃー」
義輝ちゃん本物の転移者で輪廻転生のチートキャラで精神的なバグキャラだった。
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