第5話ホネ子ちゃんを脳内パイル〇ーオン!


『ご主人様はまだ雨乞いフィーバータイム2.14の世界に完全に順応していません』


 再び座った俺に説明してくれる骨村娘ことホネ子ちゃん。


「ごめん、まず雨乞いフィーバータイム2.14という言葉が理解できないんだけど」


 なぜ雨乞い?なぜフィーバータイム?そして2ではなく2.14、意味がわかんねぇ~。普通は異世界とかに転生したらカッコイイ名前の世界のはずだろう?ゲームだったとしてもタイトル名としておかし過ぎる。


『う~ん、ご主人様の世界にはゲームであったんですけどね。マニアしかしないようなキ〇ガイゲームだったようで・・・あれ?なんで私こんな事を知っているんですかね?』


 カタン髑髏を傾けるホネ子ちゃん。


「やはり俺の記憶はホネ子ちゃんに入ってないか」

『持ってますね~。でもどこからがご主人様の記憶か全然わかりません』


 消えたと思っていた俺の記憶を探す物語が始まると思っていたらすぐそばに落ちていた。


「俺は雨乞いフィーバータイム2.14をやった記憶があるんだな?」

『いえ正確には雨乞いフィーバータイム2.1です。まだ常人がプレイしても発狂しないバージョンのほうですね』


 ・・・やべえよ。もう聞きたくなくなったよ。


『2.14は2.1とはまったく別物で新キャラ盛り沢山の血と鮮血が飛び散るほのぼの村育成ゲームです』

「やばいやばいやばいやばい。ツッコミどころが満載過ぎてどうすればいいのかわからない」


 処理できねぇ~。そして話がちっとも進まねぇ~。どうするこのままホネ子ちゃんと話していたら夜になってしまう。

 さすがに森の中で一晩過ごすのは怖い。そしてわけのわからん世界だからさらに恐怖が倍増だ。


「おい義輝ちゃん」

「ん~なんじゃ~」


 ちゃんと蟻を数えている義輝ちゃん。やはりアホの子だな。


「このままここで夜になったら俺はどうなる?」


 役に立たん義輝ちゃんだが今までこの世界で生きていたから少しはわかるだろう。


「死ぬな」

『百パーで死亡です』


 即答プラスホネ子まで教えてくれた。


「余も今回は何も用意しとらんから一緒に死ぬかの」

『確率的に猿に襲撃されて死にますね』

「猿か~あやつら死ぬまで遊んでくるから嫌じゃのぅ~。さっさと死んどくか?」

「まてまて頭を木にぶつけて死のうとするな」


 義輝ちゃんは木に近寄って幹に両手をついて頭を大きく後ろに反らせてぶつけようとする。義輝ちゃんを後ろから羽交い絞めにしてとっさに止めたよ。


「なんじゃ、ふんっ所詮はおぬしも男かっ!この乳に魅了されたかっ」

「一人で白髪巨乳の死体と一緒にいたくないんだよ」

『自分本位なところがグッですご主人様!』

「おぬしらーっ!」


 羽交い絞めしているのに暴れる義輝ちゃん。バルンバルンしてる。


「なあ、ホネ子ちゃん」

『なんですか?』

「俺男だからさ、ほら義輝ちゃんのバルンバルンしてるの見てたらこう本能が動くはずなのにスンッなんだよ」

『命のタイムリミットが刻一刻と近づいているのに呑気ですね』

「さすがに余も呆れるぞ」


 お前が先に言っただろうが。


「マジでどうしよ。義輝ちゃんの実体験も聞いてるから生き残れそうにないし」

「余は先に来世に行くぞ」

『ご主人様の命は一つですからワンキルです』


 頭にホネ子ちゃんを乗せて義輝ちゃんを羽交い絞めのまま考える。


 このまま夜になると俺は死ぬ。猿に襲撃される確率大で義輝ちゃんが先に死んだ方がマシと思えるほど猿は嫌らしい。

 俺達の戦力は俺、白髪巨乳美少女ポンコツ義輝ちゃん、ミニチュア骨格標本のホネ子ちゃん。うん死に確定か。


「うん一緒に死んでみるか?やってみれば案外簡単じゃぞ」


 飽きて足をブラブラして遊んでいる義輝ちゃんが死に誘う。


『ご主人様を殺そうとするなアホの子。ご主人様さっき言いましたよねまだ雨乞い2.14の世界に順応してないって』

「そういえばそうだったね。その後の情報量が多すぎて忘れてた」


 ホネ子ちゃんがアホの子の頭に着地して胸を反らす。


『このアホの子のせいでご主人様にインストールされなかった雨乞い2.14のシステムがあれば上手くいけばひと月は生き残れますっ!』

「ひと月か~」


 なんなの雨乞い2.14の世界。

 何もしなければその日の夜には死亡、上手くいってもひと月で死亡って修羅の国より酷いな。

 世の儚さに嘆いていたらアホの子がホネ子ちゃんの言葉に反応した。


「ひと月じゃとっ!?おいっ早くいんすとおうるというのをするんじゃっ!」

「は?たったひと月だぞ、もうここで死んだ方がマシじゃね?」

「おぬしは知らんのじゃっ。この世界でひと月も人の姿で生きられたら焼いたり煮たりしたものがたらふく食えるじゃろうがっ」

「義輝ちゃん・・・最高どのくらい生きたことがある?」

「最初は配下おったから三月は生きれたのぅ。あとは七日生きたのが一番じゃったか?でもあれは羽化したばかりのセミじゃったからのぅ儚い人生じゃった。短いのは人に生まれ変わった途端に折れ鍬赤フンにズドンじゃ」


 暴れていたのが話しているうちにだんだんと弱くっていき最後は羽交い絞めで十字架にかけられたようにブラーンとなる義輝ちゃん。


 そして修羅の国どころじゃなかった雨乞い2.14の世界。人の姿で焼くか煮るの食べ物を食うことが楽しみってどういうこと?


「のう、余の頼みを聞いてくれぬか?」

「ホネ子ちゃん、ホネ子ちゃんに吸収された俺の記憶と義輝ちゃんの膨大な輪廻転生の経験があればひと月は超えれそうか?」

『う~ん雨乞い2.14の中でも死亡確定キャラに出会わなければいけそうな気もします』

「ひどっ!余がしおらしくお願いしようとしたのを無視かっ」

『アホの子、日照り神様、暴君閻魔、報復の魔王様を見たことはありますか?』

「ん?ジュッとグシャとパーンか?あやつらは痛くないからまだマシな奴らじゃの」

『いけますよご主人様っ!アホの子は三大死の全員を知ってますっ!』

「なんかすっげーヤバい名詞しか出てこなかったけどイケるんだなホネ子ちゃんっ」

『はいっ、姿さえわかれば逃げるだけです。あとはご主人様に雨乞い2.14のシステムがインストール出来ればっ』

「よしっ!それならいっちょこいやあぁっ!」

『いきますっ』


 アホの子の頭から跳躍するホネ子ちゃん。そのまま俺の頭に着地するのだろう。


『パイ〇ダアァァオンッ!』

「それはダメだホネ子ちゃん!」


 あ、なんか意識が・・・。


 雨乞い2.14のシステムをインストール中です。雨乞い2.14のシステムをインストール中です。

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