1話 テンピ森での出会い~魔獣とスライム、森番と屍人~
絵画の中の
どの世界の
これは、そうですね……異世界転生もどき、と言うのでしょうか。まあ、
ただし、カップラーメンが出来上がる三分よりも
この肉体の
ポーション
親子三人で出かけて、三人が襲われて、両親は子を守ったつもりだったのでしょうが。見事に三人
男の子は
イーツ君の両親も
私、いいえ、イーツとして僕は、「こういう
思い返すと、
ですが、スライム絶滅はスライム
何とか、しなければ。
そう思って、僕たちが住む町からすぐそばのところにある、テンピ森を歩いていたら。
どうしましょうか?
「そうでした。困ったときは苦痛ですね。ふふふふふ」
苦痛。
まずは
異世界転生で入れ
パクッ。グググググ。
いたたたた。
左腕の痛みと共に、
【元気にしているか、
そっちの世界では、イーツ坊ちゃんだな。
こちらは、抜歯屋
【案内人の
そこに
「僕を襲ったスライムの密猟者は
【
そんな
しかも、このテンピ森で使用されたという
僕はまだ弓矢で良かったですね。
そういえば、僕を殺した凶器の矢はどこへ消えたんでしょう?
おそらく、抜歯屋さんか、抜歯屋さんの
密猟者がまだいるかもしれないテンピの森の奥で、魔獣は逃げ出すことも出来ず、じっとしています。
【その魔獣には死よりも苦しい生き地獄。
抜歯屋デビュー、おめでとう!】
「
さらに、抜歯出来そうなペンチも
おやおや、
抜歯屋さんのどこからともなく聞こえてくる声に、僕は頭を下げる。
【いいぞ、いいぞ。
俺様の
俺を呼び出す度に、
肉体の
ペンチが
もう一度、死ぬところでした。
ペンチを強く
[
[道具
[
[
[使用上の
[
森にぐったり寝そべる魔獣の口からは「グルルルル」でも、「ウー」でもなく、
顎を砕かれ、
「この口はどうしました?」
「
口の中を見せください」
「アー、です」
「アーと言ってみなさい」
かすかに口が開きました。でも、すぐに閉じてしまったのです。もう、力を出せなくなっているのでしょう。
「これは
顎の骨まで砕かれています。
これではもう、
「
「消毒に使えそうな
かすかに
死臭をたどって歩いてみると、あっ、発見!
まだ、腐り始めたばかりの人間のご
魔獣さんと同じく、
ん?
前の世界の、ほらほら、何でしたっけ。
タロットカードの何番目かのデザインですよ。
あのカードにそっくりな、真っ黒なローブをご遺体は身にまとっています。
ローブをめくると、
中にはポーション瓶一瓶。
「申し訳ありません。ポーションをいただきます」
魔獣のところへ戻り、「マナポーション瓶」と書かれた瓶を
「マナポーション……と言うのは便利ですね。
あの隠者のご遺体はマナポーション瓶を開封出来ずに亡くなっていました。
「魔獣にかけても良いものかわかりませんので、
シューッ。
顎に一滴垂らすと、
「魔獣は
まんべんなく、瓶の中身を顎にふりかけつつ、歯や顎の砕けた部分を取り除いて行きます。
歯茎の奥に残った割れてグラグラしている牙の根を
魔獣がその苦痛に気づいて、
抜けた穴にマナポーションを垂らすと、牙の根は出現せず、歯茎がふさがりました。
マナポーションでは歯そのものは戻らないことがわかりました。
密猟者を
魔獣がスライムを
「魔獣さん、お待ちください。
正面の
「歯を研いでみましたが、噛み合わせが悪くなっています。肉を叩き切る……魔物さんには道具を使うのは
面倒臭そうな顔をする魔獣さん。
「では、こうしましょう。
獲物を
とにかく、肉を
【【【……殺サレルノ?……】】】
また、あのか
「魔獣さん。
この声に、聞き覚えはありますか?」
【人間の子よ……この世で最も弱い、
「
「乱獲?」
「本当に密猟者に襲われたショックで、あたしのことも、皆のことも、きれいに忘れているんだな。
イーツ坊ちゃん。
世界中でスライムの
コイツ等はこの森の生き残りだった
女性の
「スライムの
「
スライムなんてちょっと前まで、
魔獣とスライムを連れて、女性は立ち去ろうとします。
「イーツ坊ちゃん、あたしの従魔に良くしてくれてありがとう。
森番のケイトだ。
じゃあな」
「待ってください!
僕は森番のケイトさんを引き止めることにしました。
ケイトさんが死ねば、それこそ最後に生き残ったスライムが死んでしまうに決まっています。
しかし、僕の考えは間違っていたようです。
ケイトさんは「コイツ、忘れてるな」という顔をしています。
「スライムの従魔契約は出来ない。スライムはな、
だが、多くの人間が魔物として
スライムは利用されるだけ利用されて、今年中には
かわいそうに」
だったら、このテンピ森のスライムだけでも、守る活動を始めなければなりません。
「この森の
「テンピ森は誰の所有でも無い。
こそこそ隠れて住んでいたはずの隠遁者も逃げ出したみたいで、森に人の気配が無くなった。
森は人が住めない。
イーツ坊ちゃんのように、森の外、ブリッラ町みたいな安全な人間の生活圏しか住めない。
あたしは森番として、森と
森番でも森に住むなんて馬鹿なことは考えない。
誰も手を出さないのは
何もする手立てがない。
スライムの絶滅。
そのほうが良いのでしょうか。
ですが、オイル・ショックを知っている
トイレットペーパー。
米。
当たり前にある物が手に入らない
頭を抱えていると、死臭のする方向から声が
【【少年よ】】
その声に最初に反応したのは僕ではなく、森番のケイトさんでした。
魔獣は急に「クーン、クーン」と
「
クソッ、密猟者め。痕跡を
【【少年よ。
私、ダリオ・グラーノを
そうすれば、貴方に私の
「
何でだよ!
何で、
【【密猟者に……日中ならば、
「あたしには、
イーツ坊ちゃんなら、ちょっとした魔術も
僕もそうでした。
わかりますよ、ケイトさん。
「よろしいんですか?
「もう、
もう、
ダリオ・グラーノに、そんなことをさせないでくれ。
ケイトさんはもっと、この隠遁者さんと一緒にいたいはずだ。そして、町まで連れて行って、ちゃんとした葬儀を出したいはず。
でも、もうその時間は無い。
また、密猟者に
そうなれば、二人仲良く
【【少年、
「イーツ・フォリア」
【【抜歯用具を私の
私に
「『
【【我ダリオ・グラーノ、
汝イーツ・フォーリア、
「汝ダリオ・グラーノ、
我イーツ・フォーリア、魔術遺産の相続人なり。
両者の名において、ダリオ・グラーノの屍を慈悲をもって葬り去らん。
隠遁者の亡骸も消え、残ったのは真っ白な
森番のケイトさんは
魔物が絶対に
僕の
「『
嗚呼、これは隠遁者ダリオ・グラーノの魔術遺産の
「
そこから、ケイトさんが僕を魔術遺産が
苔屋敷の周囲には
もう、
「場所は
「はい。今日はいったん
「スライムはどうする?
御前に任せても良いか?」
「町に連れ帰れば、
「嗚呼。
それでは
「
スライムは
あんな隙間でも入れるんですね。
「大丈夫だろう。夜中に
それに、死臭が
しばらく、密猟者も寄りつかないはずだ」
「……」
「『それなのに、何故、スライムは見つけられて、乱獲されているのか』が気になっているのか。
本当に、ショックで忘れたんだな……。
世界中で禁止されている、『
スライムを一匹捕まえて、鳴かせるんだよ。
そうすると、仲間は誘われて
あのか細い声がスライムの仲間には届いてしまうんですね。
僕が転生した翌日、テンピの森でさまざまな出会いがありました。
そうして、ダリオ・グラーノさんの魔術遺産を相続することで、スライム保護区と保護活動
これから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます