1話 テンピ森での出会い~魔獣とスライム、森番と屍人~

 さきほどまで、「世界ブリリアン絵画展かいがてん」で絵画鑑賞かんしょうしていました、ポジティブシニアとは真逆まぎゃくの、おじいちゃんでした。

 絵画の中の抜歯屋ばっしやさんに話しかけられたときは、いよいよ認知機能にんちきのう不具合ふぐあいしょうじたかと思いましたけれど。


 どの世界の苦痛くつうくすことが出来る抜歯屋さんの案内あんないで、「苦痛の門」をとおって、異世界転生いせかいてんせいしました。

 たましいだけ転移てんいして、ちょうどテンピもりくなってしまった男の子の肉体にくたいにハマったのです。

 これは、そうですね……異世界転生もどき、と言うのでしょうか。まあ、即席インスタント異世界転生とでも言いましょうか。

 ただし、カップラーメンが出来上がる三分よりもはや仕上しあがりでしたね。


 この肉体のあるじである男の子はスライム密猟者みつりょうしゃに両親ともに襲撃しゅうげきけて、生き残っていました。しかし、スライムショック(オイルショックのように)はほか経済けいざいにも影響えいきょうあたえたみたいですね。

 ポーション高騰こうとうによる買いこみ。

 親子三人で出かけて、三人が襲われて、両親は子を守ったつもりだったのでしょうが。見事に三人瀕死状態ひんしじょうたい手元てもとにはポーション二瓶ふたびん

 男の子はまよわず、両親にポーションを使い切って、絶命ぜつめいしたのです。



 イーツ君の両親も周囲しゅういも気づいていません。奇跡きせき生還せいかんイーツ君なんて、もてはやされることもありませんでした。

 私、いいえ、イーツとして僕は、「こういう悲惨ひさん事案じあんらすには元凶げんきょうであるスライム密猟をどうにかしなければ」と思ったのです。

 思い返すと、無謀むぼうだなと思いますね。

 ですが、スライム絶滅はスライム加工かこうにより文明ぶんめい発展はってんした、この社会には「終焉しゅうえん」でしかありません。

 何とか、しなければ。



 そう思って、僕たちが住む町からすぐそばのところにある、テンピ森を歩いていたら。

 クマさんならぬ魔獣まじゅうさんに出会いました。

 手負ておいの、大きなオオカミのような魔獣のおなかのそばに、絶滅寸前すんぜんのスライム。

 こまりましたね。

 どうしましょうか?


「そうでした。困ったときは苦痛ですね。ふふふふふ」

 苦痛。

 まずはき手の反対はんたい左腕ひだりうでみついてみましょう。

 異世界転生で入れではありませんし。


 パクッ。グググググ。

 いたたたた。


 左腕の痛みと共に、油絵あぶらえの抜歯屋の声がどこからともなく聞こえてきました。

【元気にしているか、いづるぼっちゃん。

 そっちの世界では、イーツ坊ちゃんだな。

 こちらは、抜歯屋エーだ】


 しずぎる森の中には、不釣ふついな……ふふふふ。陽気ようきな声ですね。


【案内人の俺様おれさまを、異世界転生後に呼び出すとはおそったよ。

 そこにころがっている魔獣は、森番もりばん従魔じゅうまだ。あご負傷ふしょうしているだろ?】

「僕を襲ったスライムの密猟者は弓矢ゆみやでした。顎をくだくほどの武器ぶきは何でしょうか?」

竜手袋ドラゴングローブいたみなら、俺様も苦痛を背負せおっているから、わかるぜ。

 こぶしで魔獣の顎をでるだけで、砕ける威力いりょくだよ】

 そんな強力きょうりょくな武器が異世界に存在そんざいするなんて、しんじられません。

 しかも、このテンピ森で使用されたという痕跡こんせきが目の前にあるんですから。

 僕はまだ弓矢で良かったですね。

 そういえば、僕を殺した凶器の矢はどこへ消えたんでしょう?

 おそらく、抜歯屋さんか、抜歯屋さんの協力者きょうりょくしゃが僕が乗り移っても支障ししょうが無いように細工さいくをしてくれたのかもしれません。


 密猟者がまだいるかもしれないテンピの森の奥で、魔獣は逃げ出すことも出来ず、じっとしています。

【その魔獣には死よりも苦しい生き地獄。

 いてやろうね。

 抜歯屋デビュー、おめでとう!】

残念ざんねんながら、私は歯科医師しかいしではありません。もちろん、獣医師じゅういしでもありません。

 さらに、抜歯出来そうなペンチも手元てもとにありません。

 おやおや、手詰てづまりですね。せっかく、抜歯屋Aさんが私を異世界転生の道案内をしていただいたのに、申し訳ありません」

 抜歯屋さんのどこからともなく聞こえてくる声に、僕は頭を下げる。


【いいぞ、いいぞ。

 俺様の分身ぶんしんしてやろう。そっちの世界で死んだら、かえせよ。

 俺を呼び出す度に、身体中からだじゅうを噛んでちゃかわいそうだもんな。

 肉体のもと持ち主がよ、かわいそうだ】


 ペンチが頭上ずじょうって来そうなので、手をかざすとスポッとペンチが手の中に落ちて来ました。

 あぶない、危ない。

 もう一度、死ぬところでした。

 鈍器どんきになりそうなおもさというよりも、抜歯の苦痛はもちろん、抜いた歯の記憶までも吸収きゅうしゅうして、禍々まがまがしさがにじみ出しています。


 ペンチを強くにぎると、液晶えきしょうパネルのような文字盤もじばんが出現しました。

道具名どうぐめい:まあまあ普通ふつうに見えてしまう抜歯用具ばっしようぐ

[道具評価ひょうか:評価不可ふか(※禍々しい道具は、呪物じゅぶついにしえ祭具さいぐ可能性かのうせいがあります。)]

所有者しょゆうしゃ:抜歯屋A→(し出し中)→イーツ・フォーリア君(九歳)]

使用用途しようようと:抜歯/歯の研磨けんま/抜歯屋Aとの通信つうしん杖型つえがた魔術まじゅつ出力しゅつりょく装置そうち/苦しみと痛みを記憶させることが可能]

[使用上の注意ちゅうい:誰かの頭の上に落としてはいけません。/抜歯屋以外は使用出来ません。/抜歯が終わったら、浄化じょうか魔術が自動発動します。次の使用まで、少々お待ちください。/生物せいぶつ魔物まもの一体の抜歯が終わるまで、他の物に抜歯することは出来ません。]

禁忌きんき転売てんばい譲渡じょうと禁止きんし。/イーツ・フォーリアの死亡時に自動じどう返却へんきゃく。]



 森にぐったり寝そべる魔獣の口からは「グルルルル」でも、「ウー」でもなく、深刻しんこく息遣いきづかい。

 顎を砕かれ、きばや顎の骨の一部と黒くかわいた血、肉片にくへんっています。

「この口はどうしました?」

しゃべれないに決まっていますね。

 口の中を見せください」

「アー、です」

「アーと言ってみなさい」

 かすかに口が開きました。でも、すぐに閉じてしまったのです。もう、力を出せなくなっているのでしょう。

「これはひどい。

 顎の骨まで砕かれています。

 これではもう、まず食わずで死んでしまいますね」


傷口きずぐち清潔せいけつな水であらながして、砕けた歯や顎の骨の欠片かけらのぞきましょう」


「消毒に使えそうな熱湯ねっとうはありませんし、あったとしても人肌ひとはだめるのを待つしかありません。しかし、水を温めるためのなべも、まきも、火種ひだねもありませんね」



 かすかに死臭ししゅうただよって来ました。

 死臭をたどって歩いてみると、あっ、発見!

 まだ、腐り始めたばかりの人間のご遺体いたい倒木とうぼくにもたれかかっていました。

 服装ふくそうみだれはなく、何もぬすまれていませんでした。

 魔獣さんと同じく、竜手袋ドラゴングローブの一撃でかおくびがグシャグシャ。窒息ちっそくが死因でしょう。

 ん?

 前の世界の、ほらほら、何でしたっけ。

 タロットカードの何番目かのデザインですよ。

 隠遁者いんとんしゃのカード。

 あのカードにそっくりな、真っ黒なローブをご遺体は身にまとっています。


 ローブをめくると、ふくろがありました。

 中にはポーション瓶一瓶。

「申し訳ありません。ポーションをいただきます」



 魔獣のところへ戻り、「マナポーション瓶」と書かれた瓶を開封かいふうします。

「マナポーション……と言うのは便利ですね。

 万能薬ばんのうやく霊薬れいやくたぐいでしょうか?」

 あの隠者のご遺体はマナポーション瓶を開封出来ずに亡くなっていました。

「魔獣にかけても良いものかわかりませんので、一滴いってきらして、観察かんさつしますよ」

 シューッ。

 顎に一滴垂らすと、んでいる部分が消えました。

「魔獣は魔力回復まりょくかいふく自然治癒しぜんちゆしていくようですね」

 まんべんなく、瓶の中身を顎にふりかけつつ、歯や顎の砕けた部分を取り除いて行きます。

 歯茎の奥に残った割れてグラグラしている牙の根をつまみ、思いっきり引き抜きました。


 魔獣がその苦痛に気づいて、あばれ出そうとしますが、スライムの存在を思い出したのか、じっと耐えることにしたようです。

 抜けた穴にマナポーションを垂らすと、牙の根は出現せず、歯茎がふさがりました。

 マナポーションでは歯そのものは戻らないことがわかりました。


 密猟者をおそれてでしょうか。

 魔獣がスライムをれて、ゆっくり歩き出しました。

「魔獣さん、お待ちください。生肉なまにく主食しゅしょくですか?顎は再生しましたが、牙が折れたまま。少し、ぎましょう」

 正面のするどいままの牙と鋭さを失った牙一本のアンバランスになったところをととのえてみます。


「歯を研いでみましたが、噛み合わせが悪くなっています。肉を叩き切る……魔物さんには道具を使うのはむずかしいですね」

 面倒臭そうな顔をする魔獣さん。

「では、こうしましょう。

 獲物えものったら、丸のみしないこと。

 獲物を岩盤がんばんに何度も叩きつけてください。

 とにかく、肉をやわらかくすれば、残っている歯でも食事が出来ると思われます」


【【【……殺サレルノ?……】】】



 また、あのかぼそい声です。

「魔獣さん。

 この声に、聞き覚えはありますか?」

【人間の子よ……この世で最も弱い、粘体ねんたい断末魔だんまつまだ】

乱獲らんかくで生き残ったスライムたちの声だよ」

「乱獲?」

 背後はいごから気配かへいもなく、女性が現れました。恰好かっこう隠者いんじゃのローブでは無く、毛皮けがわのコートでも無く、雨合羽レインコートです。


「本当に密猟者に襲われたショックで、あたしのことも、皆のことも、きれいに忘れているんだな。

 イーツ坊ちゃん。

 世界中でスライムの需要じゅようが上がってしまった。魔物に立ち向かう冒険者たちもそうだが、人間の多くがスライム無しでは生活出来ない。

 コイツ等はこの森の生き残りだったれの、さらに生き残りだ」

 女性のこしには戦闘用せんとうようおの、いいえ、剣よりも刃の幅が広いなたが二本ありました。

 枝払えだはらいも出来ますし、森の中での対人たいじんの戦闘にもいているでしょう。

「スライムの養殖ようしょく家畜化かちくかでも、数をやせば」

生態せいたい研究けんきゅうよりもスライムの加工法かこうほうばかりが研究されているのさ。

 スライムなんてちょっと前まで、雑草ざっそうなみに繁殖力はんしょくりょくが強いのがネックだった」

 魔獣とスライムを連れて、女性は立ち去ろうとします。

「イーツ坊ちゃん、あたしの従魔に良くしてくれてありがとう。

 森番のケイトだ。

 じゃあな」


「待ってください!

 一刻いっこくも早く、スライムの保護区ほごくを作りましょう。保護区内のスライムは売買ばいばい出来ないように……従魔じゅうま契約けいやくはどうやるんですか?」

 僕は森番のケイトさんを引き止めることにしました。

 ケイトさんが死ねば、それこそ最後に生き残ったスライムが死んでしまうに決まっています。


 しかし、僕の考えは間違っていたようです。

 ケイトさんは「コイツ、忘れてるな」という顔をしています。

「スライムの従魔契約は出来ない。スライムはな、広義こうぎでは魔物にふくまれる。動植物どうしょくぶつでもない。

 狭義きょうぎでは、原初げんしょ生物せいぶつ分類ぶんるいされる。

 だが、多くの人間が魔物としてきらっている。

 スライムは利用されるだけ利用されて、今年中には絶滅ぜつめつする。

 かわいそうに」

 だったら、このテンピ森のスライムだけでも、守る活動を始めなければなりません。

「この森の所有者しょゆうしゃに、助力じょりょくえませんか?」

「テンピ森は誰の所有でも無い。

 こそこそ隠れて住んでいたはずの隠遁者も逃げ出したみたいで、森に人の気配が無くなった。

 森は人が住めない。

 イーツ坊ちゃんのように、森の外、ブリッラ町みたいな安全な人間の生活圏しか住めない。

 あたしは森番として、森と人里ひとざと境界きょうかいの番をしている。あとは森を突っ切らずに往来おうらい出来る森のそば迂回路うかいろ維持いじだ。

 森番でも森に住むなんて馬鹿なことは考えない。

 誰も手を出さないのは管理かんり出来ないからだ」

 何もする手立てがない。

 スライムの絶滅。

 そのほうが良いのでしょうか。

 ですが、オイル・ショックを知っている昭和しょうわ生まれのおじいちゃんには、「ある一つの物がなくなるかもしれないよ」といううわさ一つでもこわいんですよね……。

 トイレットペーパー。

 米。

 銀行ぎんこうつぶれるかもしれないと思いましたね。

 当たり前にある物が手に入らない不自由ふじゆうさは消費者しょうひしゃ不安ふあんあたえます。


 頭を抱えていると、死臭のする方向から声がとどきました。


【【少年よ】】


 その声に最初に反応したのは僕ではなく、森番のケイトさんでした。

 魔獣は急に「クーン、クーン」とかなしそうにはならしはじめます。

だ!……屍人アンデッド!?

 クソッ、密猟者め。痕跡をのこさないために、出会いがしら口封くちふうじで殺していくからな」


【【少年よ。

 私、ダリオ・グラーノをほうむりなさい。

 そうすれば、貴方に私のかくゆずりましょう】】


隠遁者いんとんしゃダリオ・グラーノ、御前!

 何でだよ!

 何で、げなかったんだよ!!」

【【密猟者に……日中ならば、安全あんぜんかと油断ゆだんしました】】


「あたしには、無理むりだ。魔術を練習れんしゅうしても無理なもんは無理。

 イーツ坊ちゃんなら、ちょっとした魔術も得意とくいさ……やってくれ」

 僕もそうでした。

 鉄棒てつぼうばこ。マット運動うんどう。社会に出て一つも必要ひつよう要素ようそはありませんでした。それなのに、居残いのこりまでさせられて、何とか克服こくふくしても、鉄棒を見ただけで嘔吐おうとするようになってしまった小さかった僕。

 わかりますよ、ケイトさん。

「よろしいんですか?素人しろうとの僕より、専門せんもん葬儀業者そうぎぎょうしゃんだほうが」

「もう、日没にちぼつちかい。

 もう、くさり始めたから、夜になれば、完全かんぜん屍人アンデッドとして……生者せいじゃおそいかかるぞ。

 ダリオ・グラーノに、そんなことをさせないでくれ。

 死者ししゃ尊厳そんげんまもってやってくれ、たのむ!」

 ケイトさんはもっと、この隠遁者さんと一緒にいたいはずだ。そして、町まで連れて行って、ちゃんとした葬儀を出したいはず。

 でも、もうその時間は無い。

 また、密猟者に遭遇そうぐうすれば、ケイトさんも殺される。

 そうなれば、二人仲良く屍人アンデッドしてしまうだろう。


【【少年、は?】】

「イーツ・フォリア」


【【抜歯用具を私の亡骸なぎがらけて。

 私につづいて、詠唱えいしょうなさい】】

「『われ』と『なんじ』のところはぎゃくにするんだぞ」


【【我ダリオ・グラーノ、屍人アンデッドなり。

 汝イーツ・フォーリア、魔術遺産まじゅついさん相続人そうぞくにんなり。

 両者りょうしゃの名において、ダリオ・グラーノのしかばね慈悲じひをもってほうむらん。屍人アンデッド浄化クレンジング】】


「汝ダリオ・グラーノ、屍人アンデッドなり。

 我イーツ・フォーリア、魔術遺産の相続人なり。

 両者の名において、ダリオ・グラーノの屍を慈悲をもって葬り去らん。屍人アンデッド浄化クレンジング


 隠遁者の亡骸も消え、残ったのは真っ白な遺骨いこつでした。

 森番のケイトさんはき飛ばされかけた黒いローブを地面じめんひろげ、真っ白な遺骨をローブでつつみました。

 魔物が絶対にらすことが出来ないよう、森番の小屋のそばにある小さな霊園れいえんに、埋葬まいそうするそうです。


 僕の足元あしもとに、何かが現れました。何かの冊子さっし分厚ぶあつくありませんが、中にはリストが書かれていました。

「『魔術遺産まじゅついさん目録もくろく』?」

 嗚呼、これは隠遁者ダリオ・グラーノの魔術遺産の一覧いちらんですね。

苔屋敷こけやしきの隠遁者め。これじゃあ、の遺産だぞ……」



 そこから、ケイトさんが僕を魔術遺産がまった苔屋敷まで案内してくれました。

 苔屋敷の周囲にはがきかこまれていて、とても安全あんぜんそうです。

 もう、あたりは夕焼ゆうやぞらに真っ黒い森林だらけです。

「場所はおぼえたな?」

「はい。今日はいったん自宅じたくもどって、明日からは密猟者に気をつけて、保護区として整備せいびすすめようと思います」

「スライムはどうする?

 御前に任せても良いか?」

「町に連れ帰れば、大騒おおさわぎになりますね」

「嗚呼。うたげが開かれて、スライムたちは売られる」

 それでは後味あとあじわるいですよ。

一晩ひとばん、ここでかくれていてくれますか?」

 スライムは納得なっとくしたのか、苔屋敷の隙間すきましのびこんでいきました。

 あんな隙間でも入れるんですね。おどろきです。

「大丈夫だろう。夜中に擬態化ぎたいかするかああやって家屋かおくの中にひそんでいれば、ほとんど気づかれない。

 それに、死臭がただよぎている森は魔物を誘引ゆういんする。

 しばらく、密猟者も寄りつかないはずだ」

「……」

「『それなのに、何故、スライムは見つけられて、乱獲されているのか』が気になっているのか。

 本当に、ショックで忘れたんだな……。

 世界中で禁止されている、『りょう』。

 スライムを一匹捕まえて、鳴かせるんだよ。

 そうすると、仲間は誘われてれる」

 あのか細い声がスライムの仲間には届いてしまうんですね。


 僕が転生した翌日、テンピの森でさまざまな出会いがありました。

 そうして、ダリオ・グラーノさんの魔術遺産を相続することで、スライム保護区と保護活動拠点きょてんとなる苔屋敷を手に入れました。

 これから努力どりょくして、スライムをしっかり保護していきましょう。

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