第8話

 師匠のもとで暮らし初めて3日ほどたった。

 

 そこでの生活は朝に2時間、午後に3時間、夜に1時間、ほとんど実践形式の訓練の中で師匠に教えを受けていた。残りの時間はというと、睡眠または家事、それ以外は基本自由時間だった。


 かなりハードだがそれなりに充実していた。炊事に関しては、ガスなんてものはなく、かまどを使うため不便ではあったが楽しかった。材料は師匠が狩ってくるなぞの肉や魚と庭に実る謎の野菜達である。また、何故か未開封の調味料がたくさんあった。


 今日は赤いナスのようなものと豚肉のようなものミンチにして真っ赤な麻婆茄子を作ったのだが、


「なにこれ。とっても美味しいわ。おかわりあるかしら」


 師匠が料理を出すたびに絶賛して食べまくるのである。


「ありますよ。入れてきますね」


「やだ、アリスちゃん大好き。一生私にご飯つくって♡」


 そしてこんなやり取りにもなれてきた。


「どうしてあんなに調味料がたくさんあるんですか?」


「リディアが自分は使わない癖に私のところにお土産感覚であっちから持って来るのよ。使い方も味もわからないし手に余ってたのよね。あなたが使って、こんなに使えるものだなんて驚いたわ」


 おかわりの麻婆茄子をご飯とかきこみながら答えてくれた。

 確かにみたこと無い調味料わたされてもわからないしね。不思議な食材が多いけれど、日本と変わらない料理が食べれるなんて幸せ。料理できて良かった。



 食事も終わりお茶を飲みながら私は師匠とまったりお話をしていた。初日は気まずすぎるし、稽古中は師匠の目はいかれてるし、こんな時間を過ごしているのは自分でも驚きだ。


「師匠はなんでこんな山奥に住んでいるんですか。街とかにいたほうが便利じゃないですか?」


「あぁねぇ。こう見えて私お尋ね者なのよ。変な格好して女王の視界に入ったとか言いがかりをつけられて。この究極の衣装コスチュームの価値が分からないのかしら」


「まぁ、おっさんが着てたらそれなりにインパクトはありますが…師匠もですか。女王の懐って狭すぎますよね」


「まぁその時は追ってきた二人組の兵を素っ裸にして首輪つけて街に放り出したんだけどね。あの時の顔は傑作だったわ」


 さすが師匠、やることのレヴェルがお高い。いや低いか?


「アリスも襲われたらそれは正当防衛だからなにしてもいいわよ。ただ危害を加えるのは良くないけど、そうやって返り討ちにするのも中々乙よ」


「なるほど。今度、やって見ます」


「さぁ、明日もみっちりやるから体をほぐして早く寝なさい。あーあなたには関係ないか」


 そうして私は師匠に借りている狭いけど清潔感のある自室に戻り、布団に入って明日を迎えるのだった。


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異世界に飛んで無力な普通の女子高生は筋肉に目覚めて無双する(旧題・佐藤アリスの非日常的で不可思議な日常) おじぇい @10syoaabbcc

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