第9話 ロボット

 人間的なロボット。


 生殖機能の付いたロボットを開発。この星に似た環境の星に送り込み、発展の過程を観察。やがて文明が滅び、ロボットの文明は栄える。やがてそのロボットは生殖機能の付いたロボットを開発。この星に似た環境の星に送り込み発展の過程を観察。


 ■□■□


 最近ガンダムが流行っている。オイラもちょくちょく見た。そしてハマった。これまでロボットはショートショートに出てくるもの、くらいのイメージだったのだが、ガンダムによって一気にカッコいいロボットのイメージに塗り替えられてしまった。いつかガンダムのようなやつを書きたい。実はそのアイデアもメモしてあるのだ。ここでは特筆しないが、まぁ待っていてほしい。


 さて、メモについてだ。うん、ループ物だな。地球人も他の生命体が作ったロボットなんじゃないか、という陰謀論めいた思想が窺える。かなり昔に書いたメモだから、今のロボットのイメージとはまったく違う。だが生殖するロボットってのは面白い。このエッセイでは再三書いているが、アイデアとは異質な物同士の組み合わせなのだ。ロボットと生殖。明らかに異質な物同士。これは良いアイデアである。


 しかし、ストーリーは気に入らない。ループ物というのが特にね。嫌いって訳じゃないんだけど、なんか、こう、ねぇ? 上手く言語化出来ない。作家としてどうなんだこれ。なんとか頑張ってみよう。ループ物というのは、なんか、こう、陳腐なのだ。しっかり伏線を張り、読者を納得させることが出来れば良いのだが、短編だとこういった伏線を張るのは難しい。ははぁ、分かったぞ。ループ物はショートショートと相性が悪いんじゃあないか? だからオイラはこのストーリーが気に入らなかったのだろう。このストーリーは明らかにショートショート向き。だがループ物はショートショートと相性が悪い。だからこのメモは埋もれていたのだ。納得だ。納得。


 しかし短い言葉で伏線を張りズバッと回収するのもなかなか憧れる。それが出来たらカッコいいだろうなぁ。ちょっとこのメモをいじってみようか。


 まず、生殖機能のあるロボットを作り出したのは誰か、というところから始めよう。これは地球人ではダメだ。未知の宇宙人が好ましい。地球人ももしかしたら他の宇宙人が作ったロボットなのでは? と思わせるためには、作中で地球人を出してはいけないのだ。つまり、ロボットを作ったのはある星の知的生命体。そしてロボットを別の星に送り込み、繁栄していく過程をテレビ中継かなんかで眺める。そんなことをしている間に、何らかの原因によって知的生命体は滅びる。ロボットはそのまま繁栄し続け、そのロボットも生殖能力を持つロボットを作るのだ。そしてそれを別の星に……。


 正直、手の加えようがない。ループ物というのは気に入らないが、メモとしてはなかなか完成度が高い。作品の良し悪しはともかく、このメモさえあれば書けそうだ。知的生命体の滅亡の理由とか、そこら辺を加筆するくらいか。あと、セリフも欲しいかな? ここばかりは難しい。生殖能力を持つロボットが繁栄していく過程で言語を獲得した描写をすれば、セリフは書けるだろう。そのあとは、繁栄の様子をテンポ良く書いていき、それに付け加えるようにロボットに何か喋らせるというのが良いかもしれない。知的生命体のセリフはない方が良いな。ショートショートだし、なるべく喋るやつは少なくした方がまとまりやすいだろう。そして最後は、そうだな。


「生殖機能を持ったロボット? そんなの何に使うんだい?」


「他の星に送ってこいつらが繁栄していく様子を中継するんだ。きっと良い娯楽になるぜ。」


 みたいな感じで、ループを匂わせるくらいで良いだろう。うむ、書けそうだな。というか書けるぞこれ。今からでも書こうかな? しかしオイラ好みではないんだよね。書くのはやめておこう。誰か書きたい人がいるかもしれないし、書きたいと思って書いた文章の方が良い物になるだろうし。


 さて、まぁ今回の話はここまでなんだが、なんだか締まらないな。短めのメモだがかなり完成度が高かった。最初は真面目に作品にするつもりだったんじゃないかな? だけど時間が経つにつれ、熱量が失われていったのだろう。誰かが言っていたが、メモをする時にはその時の感情とかやる気も書いておいた方が良いらしい。つくづく同意だ。メモの感じから書きたいという気持ちは読み取れるが、熱が失われた今では冷えた味噌汁の如し。もう必要なくなってしまった。今後はメモの仕方も変えていこうと思う。

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