第3話プードル

俺、犬種はプードルなんや。

元々、猟犬用に作り変えられた犬種で貴族が鴨撃に出るとき就いていって、撃ち落とした鴨を水の中に入って咥えて返ってくるのが本来の仕事や。せやから散髪は、泳ぎやすくて心臓を保護するためプードルカットにされてしまったんや。プードルカットは気品のある貴族犬の証や。


処でプードルには四種類ある。

スタンダード、ミニ、トイ、ティーカップ。

人間は勝手なもんで、より小さくして実用から愛玩用にしょった。ほんま、人権蹂躙やないか?

動物には成長ホルモンがあってな、一定の大きさになると分泌が止まるから人では精々二メートル位。まー、分泌が押さえきれなかったジャイアント馬場みたいなのもおるけどな。

その成長ホルモンを制御してるのが遺伝子、つまりDNAや。

そんで、身体の小さいDNAの雄雌を掛け合わせて小さいのを造る。それを何度も繰り返して小さく小さくしてきた。

昔はプードルだけで通用したのに、いまじやスタンダードを付けないと分かって貰えない。

ガキどもは大きいトイプードルというし、本家本元は俺なんや。

プードルはまだ種として生き残ってるけど、その昔スピッツという犬種がいたけど消えてしもた。アイツは煩かったからな。

人間の都合で作り出されもするが断種されたりもする。人間とは身勝手な連中やな。


処で犬の知能はというと幼稚園児並みらしい。

一番頭の良いのはボーダコリー、コイツは羊飼いの命令に忠実に従って羊の群れをコントロールする。俺も天才犬と思ってるけど逆立ちしてもあんなことは出来ない。

次はプードル、アホでは猟犬は務まらん。


その中でも俺は人間の言葉も分かる天才犬やけど。

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