第2話誕生
人間は妊娠してから出産まで何度も病院のお世話になるものだが、本来動物は人の手を借りずに出産するものだ。犬からすれば、人間とは退化したのではと思ってしまう。
ところが最近の動物達、特にペットや家畜は人の手を借りなくてはならなくなった。
犬でも人間と同じ諸症状はあって、お袋も何度か健診を受け経過は順調だったとか。
超音波で画像処理した物を観て十匹位いるようだと言われた。端っこが俺だ。
犬の妊娠期間は二ヶ月ぐらいだが、犬の二ヶ月は人間にとっては十ヶ月に相当する。
そうこうしている内に、お袋のお腹が膨れ上がってパンパンになってきた。
陣痛が始まったから、ソロソロここの生活ともお別れや。ほんの二ヶ月の仮住まいやった。
兄弟が次々と下界に産み落とされる。最後に俺が出てきた。
生まれた順番に番号が振られタグが付けられた。俺の番号は十やった。
初めて空気を吸い込んだ、これから自立せんといかんと言うことや。
本能的にお袋のオッパイを探すが先客がいてなかなかありつけない。末っ子は辛い。
俺、犬種はプードルみたいや。
ここはブリーダーの所。後二週間でペットショップに引っ越しや。
どんな人生が待ち受けているか、期待と不安。
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