再会の「時」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~当日~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

弥生side

今日、これまでの成果がすべて発揮されるはずだ。いや。発揮「される」。もう、これは

確定事項だ。言葉には「言霊」が宿っているそうだ。例えば、自分で、「できる!」と言えばできるし、「できない!」と言ってしまえば、できない。「言霊」って結構すごいものだよな、と私は常日頃思っている。

「早速出発するぞ。われらが先に行かねば。あの二人を待たせるのは無礼であろう。」

治が珍しく、まともなことを言っている。

「っていうか、いつまでこんな人間臭い恰好をしていればよいのだ?人間の「服」とやらは、まことに、「あっっっつい!」正直元の恰好で出かけたいわ!」

漱石・・・・・・・・・・。服着ないと、多分、おまわりさんに捕まるよ。

「漱石、どうどう。いったん落ち着け。そんなに暴れたらもっと熱くなるよ。」

「どうどう」って確か、使うの馬だったかな・・・・・・・・・・。まあ、でも犬だし、四足歩行だし、ダイジョウブでしょ!

「早く!」

治の一声により、私たちはランニングしながら大公園に行き、ちょうど、家を出てから十分ジャストでついたのであった。

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

私たち三人(正しくはイヌと・・・・・・・・・・以下略)は、

噴水の前でひたすら無言に真顔で座っている。周りから見れば、あからさまにおかしいやつだろう。でもこれぐらい目立っていた方が二人には見つかりやすい。

「あっ!」

精華さんが来た。よかった、雪さんじゃなくて・・・・・・・・・・。

まあでも雪さんな訳ないか。だって私たちだけ集合三十分前だし。

「精華さん、とりあえずこの葉を頭の上に乗っけて。そしたらとりあえずここに座ってもらって・・・・・・。」

精華さんの髪の毛をクルッとまとめて、上から、少し固めて・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

それから。私の手によってかわいさをよりアップさせた精華さんはじいっっと雪さんを待っている。雪さん、遅いなあ・・・・・・・・・。

すると。

「精華ッ?!なんで?!」

目を白黒させた雪さんが現れた。

こりゃ相当混乱しているぞ・・・・・・・・・・。

「雪・・・・・・・・・。」

おお、涙の再会!!本では何回か読んだことはあるけど。実際に目の前で見ていると、うれしさが違う!!!

「実は、私亡霊になっちゃったんだ。だから、最後に雪に会ってから、行くべき場所へ行こうと思って。」

その瞬間、私と漱石、治は目線を合わせて頷き・・・・・・・・・・。

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