悲惨な「腕前」
「そうだなぁ・・・・・・・・・・。せっかくだし、私のゆでるところを見てればいいよ。私は(多分)料理得意だし!!!任せなって!」
私は胸を張ってそういった。
「弥生、一応そうめんの作り方言ってみてくれる?」
なぜか漱石がレシピを聞いてくる。そうか。漱石はきっと私の斬新なレシピを作りたいんだな。だから私に訊いているのか。意外にかわいいやつじゃないか。漱石は。
せっかくだし、漱石たちに教えてあげよう。
「そうめんの作り方講座!まず。乾麺タイプのそうめんを取り出して、鍋に入れて。そのまま火にかけて。焼くこと約一分。そのあと、焼いた麺を二分の一サイズにバッキバキに折って。そのあと上にカレーのスパイスをかけて水を、五十cc入れて煮る。それでそのあと煮た麺を取り出して、上に卵とイカ墨、明太子とキャベツをのっけて、できあっがり~~!!!」
われながら、なかなか良い説明ができたな!っとにこにこしていると。
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
治も漱石も無言で何かずっと考えている。ずっと黙りこくったままだ。う~む。何故?
はッ!そうか。
「あんまり恥ずかしがらなくて良いぞ。漱石、それに治。私のレシピに感動して、必死に涙をこらえているんでしょう?いくらでもレシピは教えてあげるから、魂元に戻してよ・・・・・・・・・・!!!」
きっと漱石と治は照れているんだろう。なんてかわいいんだ。
すると、やっと漱石が口を開いて一言。
「弥生、君、ここのキッチン、出禁ね。」
「へっ?!」
何故?Why?いったいどうしたんだ。何故私がまたキッチン出入り禁止なんだ。素晴らしいレシピのはずなのに・・・・・・・・・・。
「なんで?私のレシピは完ぺきだったじゃないの!!!!」
そう二人に問いかける。だって二人は「感動」していたはず・・・・・・・・・・。
「全然完璧じゃない!!!!!」
「全然完璧ではありません!!!!!」
二人は同時に鋭い刃のような言葉を私に言い放つ!!
二人の言葉の刃により、私の心はダウン!!!!
さあ、一体どうする_______?このままでは私は一生キッチン出禁だ・・・・・・。
しかし、「時、すでに遅し」。
考えている間に私がつけていた「NEW!APRON」は、漱石の手によって外され、私は二人のせいで、リビングのソファーの上へダイブすることになった。
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