治の「化けの葉」

「とりあえず、まず、二人は、拙者に感謝してほしい。タヌキの「化けの葉」、正式名称は、「タヌキが、この世でちゃんとした生活を送っていけるように、ほかのものに化けるための、タヌキによる、タヌキのための、タヌキに捧げる、タヌキを含めた動物たちが使える、タヌキの化けの葉」。長いから、略して、通称「化けの葉」。この葉はとても希少なものなんだ。手に入れるのに、一日もかかったんだぞ。少しは拙者に感謝を述べても、ばちは当たらないと思うぞ。」

治が言った。化けの葉って、そんなに希少なんだ。そこら辺の葉なのかと思っていたよ。

「タヌキが、この世でちゃんとした生活を送っていけるように、ほかのものに化けるための、タヌキによる、タヌキのための、タヌキに捧げる、タヌキを含めた動物たちが使える、タヌキの化けの葉って名前長いッ!!なんでそんな名前になったんだよ。それに、手に入れるのに一日って、希少じゃないじゃん!!!そこら辺の葉なんじゃないの?だって、一日と言えども午前中ずっと葉を集めていたとしても、「一日」って表現できるじゃん!ツッコミどころ満載だ!大体ここは「ボケ」が多すぎるんだよぉ~!僕の「ツッコミ」が追い付かない!もう少し「ツッコミ」が多くないと、「ボケ発言」がそのままになっちゃうよ!!」

はて。漱石はすごく治よりおしゃべりだな。さっきの治の話の二倍ぐらいしゃべっている気がする。

「そういえば最近さ、私思うことがあるんだけど・・・・・・・・・・。なんだか漱石がさ、前より「素顔」を見せてくれているんじゃないかなって思うんだ。だって前なんて、少し私が質問するとどっか行っちゃうほどまったく信頼してもらえてなかった気がするっていうか・・・・・・・・・・。だから、私少しうれしい。これまで、私の周りにはずっと一緒にいてくれる人がいなかったから。まあでも、漱石は人じゃないけどね。」

私がそう話すと、漱石はひたすらこちらを見つめてくるだけだった。

「じゃあ、早速料理を始めよう!」

ああ楽しみ!そう思って漱石たちを見る。人間に変身した(化けた)二人は、正直、顔面偏差値がなかなか高い。多分、世間一般の若者の皆さんの言葉を借りて言うなら、「イケメン」の範囲であろう。私流の言葉でいうと「美男子」である。正直、少し、いや、結構「顔」

は、私のタイプだ。

「僕たちは何をすればいいんだ?」

漱石と治がそう言った。

正直、この美男子が「タヌキ」と「イヌ」だとは思えない。それに声まで進化している!!!

なんという素晴らしい「美ボイス」であろう。素晴らしい!!素晴らしすぎる!!!

(注意:弥生は結構な面食いです。)

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