おばあちゃんと「ショートクタイシ」
「第一条、和を以って貴しと爲し忤ふこと無きを宗と爲す_______。
第二条、篤く三寶を敬へ、三寶とは佛と法と僧となり_______。
第三条、詔を承けては必ず謹め_______。
第四条、羣卿百寮體を以て本とせよ_______。
第五条、餮を絶ち欲を棄てゝ明かに訴訟を辧へよ_______。
第六条、惡を懲し善を勸むるは古の良典なり_______。
第七条、人各任し掌ることあり宜しく濫れざるべし_______。
第八条、羣卿百寮早く朝りて晏く退れよ______。
第九条、信は是れ義の本なり事每に信あれ______。
第十条、忿を絶ち瞋を棄て人の違ふを怒らざれ______。
第十一条、明かに功過を察して賞罸必ず當てよ_______。
第十二条、國司國造百姓に歛ること勿れ_______。
第十三条、諸の官に任せる者同じく職掌を知れ_______。
第十四条、羣臣百寮嫉妬あること無れ_______。
第十五条、私に背き公に向くは是れ臣の道なり______。
第十六条、民を使ふに時を以てするは古の良典なり_______。
第十七条、夫れ事は獨り斷むべからず必ず衆と與に論ふべし______。」
・・・・・・。久しぶりに聞いたな。昔はおばあちゃんの家に行くと、いつもこの十七条の憲法を私に話しては、「弥生はみんなをまとめる、聖徳太子様のようになるんだよ。」と言っていた。その時、私は小さかったから、「ショートクタイシ?」と疑問に思っていたけれど。今になるとわかる。ずっとおばあちゃんは私に何を伝えようとしていたのか。「みんなをまとめる」とはどういうことなのか。きっとおばあちゃんは知っていた。「レイケン」の力を。だから私に言ったのだ。「(霊たちを)まとめなさい」と。だから・・・・・・。だから!私は「メロディー屋」という仕事を、任務を、これから頑張っていく必要があるのだ。おばあちゃんのためにも。________窓の外。すっかり、こんがりと焼けてしまった空は、これまで見たどんな「夕焼け」よりも美しく見えた。
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