オタクな「タヌキ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~数日後~~~~~~~~~~~~~~~~~~

弥生side

「さあ、やってまいりました!こちらが我が家の別荘。ここは、奈良県生駒郡斑鳩町(ならけん いこまぐんいかるがちょう)です。ここは聖徳太子ゆかりの地と呼ばれている、非常に素晴らしい地です!」

久しぶりにこの街に帰ってきた気がする。だからこそ、漱石たちに別荘の中でこんな丁寧な説明をしているのだろう。

「弥生さん、その「ショートクタイシ」とは何ですか?」

治が言う。その瞬間、「ショートクタイシ」を知っている漱石と私は察する。

そう。治は、「山籠もり」、すなわち、「引きこもり山ver」なのだ。そしたら知らなくてもしょうがない。

「「聖徳太子」は冠位十二階や十七条の憲法を作った人物だ。聖徳太子は法隆寺を作ったりして、天皇中心の・・・・・・・・・・。ぺらぺらぺらぺらぺらぺら・・・・・・・・・・。」

漱石の過剰なほどの説明が始まる。漱石、もはや「聖徳太子おたく」である。

なかなか渋いな!

「その、「ジューシチジョーオケンポウ」ってなんだ?」

さすが。引きこもり山ver。素晴らしいほどのまったく知らないらしい。

「十七条の憲法っていうのは、簡単に言うと、政治にかかわる人たちの心がけのようなものを説いたものだよ。」

私が今度は説明する。

「・・・・・・・・・・!!!!!」

ん?なんだか治が泣いているような・・・・・・・・・・。

「なんてすばらしい!ぜひ見たい!文面を見せてください~!!」

治は号泣していた。注意:治は志を高く・・・・・・・・・・。とか、修行とかが大好きなのである。

あっ!でも確か・・・・・・・・・・。

「漱石。悪いんだけど、うちの倉庫に、「家宝その1―①」っていう巻物があるから持ってきて!よろしく!」

漱石はしぶしぶ持ってきた。文句はずっと言っていたけれども・・・・・・。

「これか。ふむ。どれどれ。」

治が書物に書かれた文章を読み上げていく。

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