治との「出会い」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~

というわけで。あのタヌキはすごくいいやつ「ではある」。し・か・し。あの修業はとてもじゃないが最悪なものであった。そんな修行を僕に「させていた」、このタヌキと一緒に生活するなんて、僕の未来は、まさに「お先真っ暗」、いや、「お先真っ暗暗」だろう。最悪だ。

でも、弥生が「そうしなさい!」と言ったのだ。必ず何らかの目的がある、と僕は考えている。でもだからと言ってこのまま生活しなければいけないのも困るんだよな・・・・・・。

その瞬間、僕はひらめく。

「弥生、「二人で」じゃなくて、弥生も行けばいいんじゃないか?きっと気晴らしになるだろうし、弥生が来てくれると、僕は、(タヌキによる生活の危険性が減るから、)うれしいよ。」

弥生を巻き込めば、少しはタヌキのあいつも手加減してくれると、僕は考えたのだ。

「・・・・・・・・・・。」

弥生はきっとNO!と言いたいだろうが。でもきっと僕の考えにはOKを出す。だって僕は弥生が断りづらい言い方をしたのだから。

「・・・・・・・・・・。」

相変わらず弥生は静かなままだ。きっとどうしようかと悩んでいるに違いない。

「弥生がなんで、「漱石とあのタヌキで一緒に暮らしてこい!」って言ったのか。僕は知ってる。だから三人で行ったほうがより効果的だと思うんだ。弥生、三人で行こうよぉ~」

最後の一押し!さあ弥生、OK!と言ってくれ!

しかし、「事実!」僕は弥生の意図は知らない!だからOKは五十パーセントの確率だ。

「・・・・・・・・・・。」

どうなるんだ?

「いいよ。まさか漱石が私の意図を知っていたのは意外だったけど。しかも三人でなんて楽しそうじゃない?まあ、事実を見たら、人間一人とタヌキ一匹と、犬一匹なんだけどさ。」

正直。助かった。弥生はしっかりしているように見えるけど、やはり天然要素が強いのだ。

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