仲は良い?悪い?「獣たち」
「えっ」
豆鉄砲でも食らったような顔をする、漱石。
「だーかーらー!!」
ついに私は堪えられなくなる。そして・・・・・・・・・・。
「漱石、あんた私が運動苦手なの知っているはずだよね?ね?それなのにこんな山籠りやろう・・・・・・・・・・。ゴホッ!ウウン。治に私と修行させようとした、ってことは、あんた私を一週間以上筋肉痛でねこませるつもり?少しは私のことも考えてよ!流石に運動は無理!ムリ!」
強めの語気で、私は、言い放つ。
「二回言った・・・・・・・・・・。」
漱石が言う。
「二回言ったぞ・・・・・・・・・・。」
治が言う。
意外と気が合う?この二人?とそんなことを思っていると・・・・・・・・・・。
「喰らえ!山籠りタヌキ!」
「フッ!こんな技で拙者が倒れるわけがなかろう!」
「どうだかな!喰らえ!われの聖なる四の地固め!」
「ぐっ!ハハハハハ!こんなもの何回やられたところで、痛くも痒くもないわ!」
・・・・・・・・・・。
何をやっているんだ、こやつらは。精神年齢五歳の幼稚園児か。
「はあ。あんたら何やってんの?呆れる。もう少ししっかりとした振る舞いをして欲しいものだね。まあ、そんなこと言ったところで、絶対になんにも改善されることはないんだけどさ。」
心の底から私は、私に同情した__________。
それから。私はまず、一体どういう状況になっているのかを二人に訊いた。
漱石は、こういった。
「あのタヌキが運動大好きタヌキだとは知っているだろう?レイケンは「体力」を使うんだ。だから、少し不相応であるが、タヌキをよばせてもらった。が、別に追い返しても良いぞ。弥生にとっての「害」となるなら仕方あるまい。あのタヌキは追い出しておくぞ。フフッ!」
漱石は、「満面の笑み」だった。
治は、こういった。
「あの偉そうなイヌに呼ばれたのだ。一緒に修行をして、鍛錬してやってほしいと。ああ、なぜ拙者がこんな、悪者のような扱いを受けなかればならないのだ。ああ、なんてことだ。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・・・・。神様仏様、私にお恵みを~。」
・・・・・・。
相変わらず治は、仏様神様信仰を生きがいにしている___________?
二人の話を聞き終わったあと。私は、現在進行系でどうしようかと悩んでいる。
漱石がよんだ治を追い返すのは少し可哀そうだし。だからといって、漱石に説教ばかりしていると、漱石がまたどこかへ出ていってしまう気がする。でも、漱石と治をそのままにしておくとまたプロレスが始まりかねない。さあ、一体どうしよう___________。
そうだ!いい手がある!
「よし!あんたら二人、うちの、妖家の、別荘で一週間くらい「二人だけ」で暮らして来な。仲良くなったら、ふたりとも、我が家へ入れてあげよう。さあ行って来い!!!」
「ええ~~!!」
漱石が言った。
「ええ~~!!」
治が言った。
やっぱり、似た者同士なのではないか?まあ、別荘で家事を二人でやったら少しは仲良くなるだろう。
いや、「なかよく」なってもらわないと、私が困る。____________
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