耳の悪い「犬」
これがあの日の出来事。
そして今はずっと部屋の整理をしている。母によると、「もともと使っていない空き部屋があるから、そこを改装して使って良いよ。」とのことなので、早速アンティーク家具を置いたり、仕事用具をそろえたりしている。そして・・・・・・。
「やっとそろった~。権利返してもらうために頑張った甲斐があるよ~。」
これでやっとリラックスできる!と思っていると、漱石が、
「叔父さんたちの家はどうだった?」
と訊いてきた。あんまり詳しいことは今話す気にもなれなかったので、とりあえず、
「カモミールティーをもらったよ。普段入れないもの(トリカブト毒)もいっぱい入ってて(致死量の約三倍)、(私のイラつき度が)すごかったよ。」
心の中で副音声の中継を流しつつ、漱石に説明する。
「その?鴨煮る(かもにる)ティー?ってどんなもの?ティーだからお茶だよね?」
「・・・・・・。」
あまりにも漱石が知らなさすぎることに対しての呆れと、どうしてカモミールティーが鴨を煮た料理になってしまうのだということに対しての笑いの混ざったため息が出る。まさかここまで知らなかったとは・・・・・・。あまりにも説明するのがめんどくさくなったので、私は、
「こういう時こそ、Goo〇le先生に教えてもらいな。」
と一言。仕事部屋には、しばらく、漱石のキーボードを打つ、コツッコツッという音が鳴り響いていた。
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