世界で一番会いたくない「人たち」
あの日。私の部屋を事務所にして仕事を始めるために、私は叔父の家へ行った。今の家の権利はもともと父であり、母が権利を譲られるはずだったのに、親せきみんなが叔父に権利を渡せと母を脅していた。私は幼いながらも、母を守るために策を講じた。それは、私が十七歳になるまでは叔父に権利を貸す代わりに、十七歳になったら私に権利を渡すということ。そして、権利書の原本は、私と母が所有し、叔父が持つ権利書は複製されたものにすること。この二つだ。ただ、この条件では親戚が納得しないのが目に見えていた。だから私は、もう一つの親戚側の好条件を提案した。
それが「叔父一家に対し、本家の三分の一の力を貸す」というもの。本家の権力は膨大なもので、私たちが何か一言いえば、すべてを望みどおりにかなえられるぐらいの影響力を持っている。だからこそ、この力を叔父一家に渡すことは、命綱なしでがけを上っているようなものだ。だからこそ、こちらの提案しているものの条件はしっかりとしている。一言でいうと、私が十七歳になったら、本家の当主になる。つまり、「私が十七歳になる前までの間は権力の一部を預けるが、当主になった際にすべての力を返還せよ__________。」ということだ。そして今、私は高校二年生。十七歳になった。誕生日の日には、ケーキなどなかった。私の誕生日が父の命日だったからだ。そして今、十七歳になった私は叔父の家で権利(権利書は複製されたもの)を返してもらいに来た。
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