漱石の「謎」
漱石は一体どこから来たのだろう。心の中で5w1hを思い浮かべ、聞いてみる。
「漱石、君は一体どこから来たんだ?」
漱石が来客用のせんべいを食べながら言った。
「このせんべい、おいしい。」
なんだか質問をはぐらかされたような気がする。でも深堀りするのは私の美学に反する。だからとりあえずほかの質問をしてみることにした。
「君は一体何歳?」
しばらく漱石は首をひねった後、
「乙女に年齢を訊くのは?」
と言ってきたので、
「タブー。でしょ?でもそもそも漱石って乙女じゃないと思うんだけど・・・。」
とりあえず意見を言っておくことにした。
「いや、確かに吾輩は乙女ではない。でも心はピッチピチの若者よ!」
とウィンクを返してくる。
一体いつぶりだろうか。まともに人と話したのは。(正しくは霊だけど!)そう感じてしまうほど自分が孤独だったのだと思うとまたため息が出てしまう。
「あのさ、弥生はその力を何かに活用しようとかは思わないの?」
漱石は言った。
力を使う_____。決して嫌なわけじゃない。どちらかと言えば活用できるなら使いたい。でも、こんな力を一体何に使えば良いと言うのだろうか。
「私にはこの力を使って何かできることはないと思う。そもそも私は何か自分から行動できるタイプではないし、もし漱石が自分で何かをやりたくて私のところへ来たのだったら、期待に応えることはできないよ。私は。もし人を探してるんだったら私の知り合いの人に声をかけてみるけど。」
私は漱石の発言の意図が分からなかった。だからこうやって聞くことで解決しようと思った。でも、漱石の反応は予想外のものだった。
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