幼いころの「記憶」
それにしても昔の思い出と言えば、小さいころに階段で足を滑らせて、記憶喪失になってしまっているんだよな。一部。一体私はどんなことをしていたのだろうか。そしてなぜこの能力があれば思い出が思い出せるんだろう。そんな疑問を抱え毎日我が家の資料を読み漁った。資料なら、確実に何らかの記録が残っているはずだ。我が家は代々身分の高い家だったそうだ。だからなのか、歴史のある文書が多いのだ。父も昔から、何か困ったことがあったら家の資料を読めと言っていた。あった。能力に関する資料だ。資料によると、どうやらこの能力は先代の当主の能力者が死んでしまったとき、代替わりをする次の当主が能力を持つことができるそうだ。しかし、当主であった父はその能力を持っていなかったはずだ。能力を持つ者は皆髪の毛の色が白くなる、と資料には綴られている。現に私も髪の毛が白く変化している。しかし父は漆黒、と言ってもいいほど黒い髪だった。そう考えると矛盾していることがある。それは、この能力を持つ者は直系の家系、持たぬものは親族関係の者たちだということだ。当主は直系の家系の人間しかなれないという規則なのだから、父に能力がなく、私に能力があるというのはおかしいのだ。でもなぜだかあまり聞かないほうがよさそうに思えてずっと謎のままだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます