第16話 悪の組織と巨大戦
「テストは終了だ。 ガンガン暴れやがって、メンテが終わったら連絡するから先に日本へ帰りな」
「おっす、今後ともお世話になります」
「引き続き、整備や製造はお任せいたします♪」
「機体への無茶のさせ過ぎと、壊し過ぎは禁止だからな?」
「おっす、コストを大事にを心がけます!」
「そうしろ、日本人なんだから物は大事にしろ!」
テスト最終日、工場で張さんとのやり取りを終えて立磨達は日本へと帰国した。
「ロボットのパイロットも、ハードな仕事だとわかったぜ」
「世の中には、体験して見なければわからない仕事もありますからね♪」
「さて、また明日からは学校と仕事の両立目指して頑張るぜ♪」
「ええ、私は家庭と仕事の両立に励みます♪」
フロートシティの事務所に戻り、居住スペースで寛ぐ二人。
立磨はパーカーとストレッチパンツ、ジンリーは黄色の拳法着と言う服装で
リビングで中華まんじゅうとローズヒップティーで飲茶していた。
「そう言えば、俺達の金龍合神はあの工場から射出して戦闘後は自動で戻るんだっけ?」
「はい♪ 妹が
「他のヒーロー達は教習場の島に、ドッグ借りてるんだっけ?」
「ロボット団地と呼ばれる区画があるそうです、トラブルが多そうで不便ですね」
「醤油借りるみたいにパーツ取って行くとかか? そんな落語みたいなことはありそうだな」
「ありえないと思う事が起こりうる業界ですからね」
「今後は、ロボの運用も取り入れた戦い方を組み立てて行こう」
新たなる力を得たので、次はどう運用するかだ。
「それにしても、ジンリーの笑顔がまぶしいな?」
「はい♪ ご主人様と遮る者なく愛し合える時間は、何よりも尊いので♪」
「いや、いつもながらすっげえ照れるんだけど?」
「それだけ私の事を大事に想っていただけていると言う事ですね、燃えます!」
「熱い愛をありがとう、ジンリー♪」
「……不意打ちは狡いです、思わずスマホに録音させていただきました♪」
「いや、対応してるし! 頬を染めながらスマホ見せられてもな!」
お互いに赤面し合うバカップルであった。
立磨とジンリーが夫婦漫才をしてた頃、悪の組織も悪事に励んでいた。
「ヒャッハ~~ッ♪ プラモデルは全部かっぱらって転売だ~~っ♪」
「お客様? お静かにッ!」
「うるせえ馬鹿野郎っ♪」
シティ内部のデパート。
ホビーショップで騒ぎ立てるのは、ガタイだけは良い凶悪な面のジャージの男。
男が突如ジャージのポケットから取り出した注射器を、首に刺して見る見るうちにワニ男に変身した!
「か、怪人出現っ! ぐわ~~っ!」
「……ひ、ひいっ! た、助けてっ!」
「オラオラ、邪魔だっ!」
尻尾の殴打で警備員を薙ぎ払い、店員の頭を噛み殺したワニ男はカートにタワーだ出来る程プラモデルを積み込んで逃走した。
デパート内に激しく鳴り響く警報音!
「止まれっ! 撃つぞっ!」
通報で駆けつけたボディアーマーと拳銃で武装した武装警備員達が銃をワニ男へと向けて構えて規則に則り警告する。
「そんな玩具で止まるかよ~っ!」
「くらえ~~っ!」
「ああん? 効かねえなあ♪」
警備員達が一斉に発砲するも、ワニ男の皮膚は通常弾では貫けなかった。
「モブは消えろ~~っ♪」
ワニ男が尻尾を振るい、デパート内の商品などと一緒に警備員達をぶっ飛ばした!
「おっとっ! キャッチ成功っ!」
ドラゴンシフターが現れて、ぶっ飛ばされた警備員達を巨大な金の尻尾で受け止めて救助した。
「テメエはドラゴン野郎っ! ヒーローがもう来やがったかっ!」
「チョッパーの下っ端か、この腐れ外道っ!」
「やかましいっ! お前を殺せば一気に銀バッヂだっ!」
「……悪の組織は、死んでも二階級特進とかねえぞっ!」
盗品のカーゴを突き飛ばして放り出し、ドラゴンシフターに襲いかかるワニ男っ!
「お前にかける時間はないっ!」
大口を開けて突っこんで来るワニ男、ドラゴンシフターは瞬時に自分を小さい龍の姿に変じて敵の体内に飛び込む。
「あばばっばばっばっ!」
ワニ男が絶叫しながら全身を振動させて崩れ落ち、その背中を裂いてドラゴンシフターが出てきた。
「討伐完了、盗品は何処だ?」
「ムフフ~ッ♪ この玩具は、私が盗ませていただきますよ~♪」
「何っ! お前はスリムマン、逃がすかっ!」
怪人を倒したドラゴンシフターの前に虚空から現れたのは、やせ細った耳目のない顔で黒いタキシードを着た紫肌の怪人スリムマンであった。
スリムマンの手には、盗品のプラモが山と積まれたカート。
「漁夫の利を狙いに来たので、逃げさせていただきま~す♪」
「ふざけんなっ!」
ドラゴンシフターが追いかけようにも、スリムマンは虚空にブラックホールを開いてプラモの山を盗んで逃げて行った。
「……申し訳ありません、宝飾店を襲ったバンクラーの強盗獣との戦闘が長引きました!」
「ごめん、こっちはチョッパーの怪人は倒したけれど盗品のプラモデルがクライゾーンに奪われたっ!」
二号が合流するも、ドラゴンシフターはスリムマンの起こした事件を防げずにしてやられたと言うしかなかった。
「プラモデルの窃盗、人間世界の貨幣経済に価値を見出していないクライゾーンが転売をするかは微妙ですが嫌な予感がしますね?」
「あるとすれば、デーモニウムを仕込んだ殺人プラモとかかな?」
「敵の窃盗は防げませんでしたが、盗品を使った事件は頑張りましょう!」
「ああ、受けた依頼じゃないが目の前で事件を起こされて黙ってられねえ!」
事務所に戻って、報告書を書きながら話し合う二人。
立磨の予想は近い所に、かすっていた。
「ムフフ~ッ♪ ロボットアニメのプラモデルとは面白いですねえ、デーモニウムで巨大化させましょう♪」
学校の理科室のような、スリムマンのラボ。
盗んで来たロボットアニメのプラモデルを組み立てながら、スリムマンはニヤリと笑い悪事を思いついた。
三日後の朝、晴れやかな空を脅かす者達があった。
「お母さん見て、アニメのロボットが飛んでるよ♪」
「……駄目っ! 急いで、地下シェルターへいきましょう!」
住宅街の団地、ベランダで洗濯をしていた母親とその傍にいた男の子。
子供がアニメのロボットが空を飛んでいると指さした先を見た母親。
自分も目撃した上で、大急ぎで子供を連れて自室を飛び出しマンションの地下を目指した。
続々とフロートシティの上空に現れたロボット達が、一斉に島へと向けてライフルや砲から光線や実弾を発射する!
「「させるかあっ!」」
街に降り注ぐ死の雨、それを突如地上から放たれた光のドームが防いだ!
「ジェッシャッ!」
「ブレイブフィールド!」
「矢避けの加護よっ!」
「ギャオ~~ン!」
「行くぜ、二号! ファンロンウォ~~ル!」
宇宙から来た赤い巨人の戦士が、チームヒーロー達や魔法少女の巨大ロボと共にドラゴンシフター達があやつる金龍合神が、地球を守護する怪獣がと巨大ロボや巨体などの戦力を有するヒーロー達が力を合わせて展開したバリヤーで敵の攻撃の第一波を防いだのだ!
「よっしゃ、第一撃は凌いだ♪ 反撃開始だ!」
「壺中天フィールド、発動します!」
「被害ゼロで粉砕してやるっ!」
仲間のヒーロー達と共に反撃に出る金龍合神、敵の群れの一部を自分達五トイ次元空間へと取り込んだ。
「魔力反応確認、敵はプラモデルを依り代としたデーモロイドですね」
「どいつもこいつも、盗まれたロボットアニメのプラモじゃねえか!」
水墨画のような世界の中で敵の巨大デーモロイド達は素材のプラモデルの原作アニメさながらに、ビームライフルや必殺技だのをバンバン撃って来る敵。
そんな敵の攻撃を捌きながら、近い間合いでは間接蹴りや肘打ちなどで撃破して行く金龍合神。
「危ねっ! ファンロンサンダーッ!」
遠くの間合いに対しては、金龍合神の全身から金色の稲妻を放出して範囲攻撃を行い敵の飛び道具を破壊して相殺してからの気弾拳による気のエネルギーを飛ばしての反撃で沈める。
「……これで、片付いたか?」
「まだです! 敵機、来ますっ!」
これで終わりかと思った所に、不意を突いて襲って来たのは白虎を模した虎人間型のスーパーロボット。
敵の跳び蹴りを肘打ちで迎え撃ち、相手を弾き飛ばす!
だが、虎のロボットも負けじと再び格闘で襲い掛かって来た。
金龍合神も、敵の拳法のような動きに対して八極拳ベースの格闘で応戦する。
「何だこいつ、どっかで見た事がるな!」
「検索完了、あれは我が社のゲームキャラの白虎王です!」
「自社IPの敵とは面倒だが、会社の評判と平和の為に全力で潰すっ!」
「敵はどうやら、雑魚的とボス敵の二種類を用意して来たようですね?」
「こっちが調子に乗って雑魚を潰していたら、当たりに潰されるってか?」
突如始まった龍虎対決、白虎王のデーモニウムだけ大きさが違う
白虎王が肩からミサイルを飛ばして来たのに対しては、ファンロンサンダーで撃ち落とす。
白虎王も、爪がドリルの如く回転する拳を飛ばして来たならば、金龍合神も龍頭鉄拳弾で迎え撃つ!
「敵が口を開けた? ならこっちも行くぜ、ファンロンブラスター!」
白虎王が口から吐き出したビームと金龍合神が胸から出した黄金のビームがぶつかり合い押し合う!
「行くぜ二号、俺達のエネルギーを追加だ!」
「はいっ! 愛の力と気合いをブーストです!」
ドラゴンシフターと二号が、コックピット内でコンソロールの宝珠に自分達の魔力を注ぎ込みビームの出力を上げて敵のビームを飲み込むように消滅させて金色の光りで包み込んだっ!
ビーム対決を制した、金龍合神の勝利であった。
「敵機の全魔力反応消失、お疲れ様でした♪」
「二号もな♪ フィールド解除だ」
敵の殲滅を確認し、現実空間へと戻る金龍合神。
他のヒーロー仲間達も、皆無事に勝利を収めていた。
「良かった、今回は皆で無事に島を守れたな♪」
「はい♪ 勝つも一時ですが、掴み取った勝利です♪」
「ああ、勝って兜の緒を締めよだな♪」
何はともあれ、ドラゴンシフター達は悪の組織を相手にした巨大戦でのデビューを勝利で飾った。
戦いを終えて解散して行くヒーロー達、皆がそれぞれ次の戦いに備えるのであった。
「私達も帰りましょう、お疲れ様でした♪」
「ああ、お疲れ様♪」
ドラゴンシフター達も、次の戦いに備えて現場から撤収した。
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