第4話 ドラッグストアで

 シャンプーとリンスの棚で物色していた時でした。

 私と同じようにシャンプーやリンスを探していらした初老のマダムが私の隣で、おっしゃいました。


「このシャンプー。どうしてこんなに安いのかしら……」


 不安げに手にしていたのは、入れ替え用のボトルです。

 底と蓋がついています。入れ替え用のボトルは本体に入れ替えないと使えませんが、このタイプなら、このまま使える便利なボトル。


「だからじゃないですかね」


 私なりの見解をマダムに伝えました。

 それ以上の詳細はメーカーに。


 マダムは至極納得のご様子でした。それをレジに持っていかれる後ろ姿を見送りました。

 私、客ではなくて店員さんに見えるのかしら。

 そして決して「わかりません」とは言わない私。

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