第3話 壊れた時計


白けた狂女が僕を追いかけて


僕の壊れた時計を欲しがっている


何故かしら、砕けた鏡を集めている 


水鏡が清冽と舌打ちを繰り返して


ダイヤモンドの結晶を露店で売りさばき


壊れた時計が転がります


あちらへ、こちらへ側転ごっこ 




豪奢な光り輝く唐草模様の壺 


醜悪な婆さんが客をおびき寄せ騙される馬鹿な好々爺


すれ違う人影の輪とダンスして


回る、回る、目の先の音


架空の演劇が脳内でくだらない


劇場とともに宇宙からこんにちは


明かりをともしてわざとらしく団員は媚を売る


縁日では僕の鼓動の時計が悲鳴をあげて沈んでいく


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