第3話 〜勇者から悪人そして、執事に〜

ヒモトは今困っている、エレナを送り届けようとウィングフロートで言われた所に行こうとしたが、お姫様抱っこというのじゃないとダメと言われ従ったのだが、とても近い。


 ヒモトも女性を抱いた事はあるがその全ての記憶が飛ぶ程エレナの魅力は凄かった。


「ヒモト!凄いわ!こんな体験始めてよ!」


「エレナ様、危ないので余り動いては、顔がちか」


「飛行機はよく乗りますが身体一つで飛ぶのはまた違いますね!凄ですわ!」


「あのそろそろ着きますか?」


「そうでしたわ…あの場所へ」


「あの城ですか?」


「あれは私の本邸ですわよ」


 東京都心から少し離れたそこに城が存在した。


「あの場所はヘリポートですからそこに」


「はい」


 そこに降りるとエレナを見た人が通信魔導具で無事を知らせる。


「ただいまですわ」


「お嬢様!誘拐されたと!このじい心配で!」


「うるさいですわ、このヒモトさんが助けてくれましたわ」


「……お前がヒモトか?」


「えっ、はい」


「…お嬢様、お召し物を着替えられた方がよろしいかと」


「そうね、ヒモトはじいに案内をお願いするわ…客人ですので、くれぐれも」


「分かっております、じいはお嬢様の全てを知っておりますゆえ」


「…では後ほど」


「おい、行くぞ、小僧」


 ヒモトは、じい、と呼ばらる人について行く事になった。


「小僧、このシルファ家は長い歴史のあるお家だ。お嬢様様が一応専属執事として雇う様だが、何かあれば即出て行って貰う。」


「そうですか、じいさん」


「おい小僧!執事長と呼べ!」


「執事長、すいません」


「ふん、何処の馬の骨とも分からん者を専属執事にするとはお嬢様にも困ったものだ」


「それで何をしたらいいですか?」


 執事長はヒモトを見ながら


「そうですね、ご当主様への挨拶は後にして庭のオブジェの移動をお願いします」


「はあ、案内してくれます?」


「勿論、勝手に部屋に行かれたら困りますので」


 シルファ家は外観からも分かる通り大きく広いので庭の規模もそれに見合う広さである。


「これは凄いな」


「ハハッ、当家ではこれが普通ですよ」


「それで動かす物は?」


「あれです」


 そこには石柱と人を模した石像があった。


「これですね」


「ああ、少し重いかもしれませんが執事ならこれくらい造作もありませんよ」


「ふむ、軽いな」


「なっ!」


 ヒモトは石柱の一つを片手で軽々と持ち上げる。


 推定2t弱の石柱を持ち上げたヒモトを見て執事長は空いた口が塞がらない。


「それで、これはどうしたらいいんです?」


「あ、あぁ、そちらに」


 執事長は指示を出してヒモトにオブジェの移動を指示した。


 そこにエレナがやって来る。


「じぃ、何をしているのかしら?」


「!これはお嬢様、小僧に少し庭仕事を」


「あれが庭仕事ですか?」


「そうです!しかし小僧は何者ですか!石柱をか、片手で!」


「そんな事じぃに関係ないわ」


「しかし、私は」


「エレナ、これ落ちてたよ」


「あら、ヒモトありが」


「お嬢様、それは誰かの落とし物、私が預かります」


 そこにはエレナが笑顔でお風呂に入ってる写真があった。


「じぃ、これは貴方が持っていたのかしら?」


「へっ、いえ、誰かの落とし物を懐に入れていただけです」


「へぇ、ねぇ、お母様を呼んでくださる?」


 侍女の一人にエレナの母親を呼びに行ってもらう事数分。


「エレナ、どうかしましたか?」


「お母様、じぃがこの様な物を」


「…じぃ、これは何かしら?」


「お、恐れながらお嬢様の写真でございます」


「じぃ、私だけでなくエレナにもこの様な事をしていたのですね」


「ご、誤解でございます。奥方もお嬢様も孫の様な方、成長を記録していたのです。」


 エレナの母親は威圧的な笑顔をでオ・ハ・ナ・シをする為にじぃは連れて行かれた。


「ヒモト、ごめんなさい」


「エレナ、様が謝る事じゃない」


「優しいのね、他に人が居ない時はエレナでいいわよ」


「苦手だから助かる、エレナ」

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