第12話 王と復讐の騎士12
一文字達を載せた
「おー待ってぞー」
「待たせたな。今日もたっぷり持ってきたぜ」
「おら運び出せ運び 出せ」
と補充部隊と駐屯地の兵士たちが声を掛け合っていく。そして次々と補充車両の荷台から物資倉庫へ運び込んでいく姿が見えた。その脇の駐車スペースに
「ロレッタ、僕と一緒に資材課と森林十架修道会の
一文字はロレッタと共に駐屯地の兵舎へ向かい、マリナ達4人は補充部隊の車両へと向かって行った。兵舎に入り入口近くの資材担当官へ声をかけた。
「L.M.D、4638部隊部隊長、大樹=一文字、補充物資を届けに来ました。こちらにサインを」
と資材担当菅へ物資リストを渡しサインを求め、資材担当官はさらとサインをし、一文字の方へ顔を向ける。そして、物資リストを一文字へ差し出してくる。
「はい、一文字隊長が部隊長で来て下さると来るのが早くて助かります。さすがは
「うん? その名をご存じで? 」
「えぇ
「あぁなるほど・・・でもそれはちょっと恥ずかしいので内緒で」
と頭を掻きながら物資リストを受け取った。「ああ、そうだ」とロレッタの方を見る
「今度から報告はこの新人のロレッタが来ると思うのでよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
一文字はロレッタを資材担当官へ紹介し、お互い挨拶を交わす。ロレッタが挨拶をし終えた後、兵舎を出て修道院へ向い、修道院の扉を開け中に入っていく。入ると直ぐに背が高く、また肩幅が広くがっちりとした白人の法衣を着た男性に出迎えられた。
「ようこそいらっしゃいました。
「お久しぶりです。
「そちらのお嬢さんは?」
「うちの管制官の新人です」
「先日4638部隊に配属されたロレッタ=パーマシです」
「私は森林十架教、
ロレッタに
「して我が苦行の聖女は?マリナは息災ですか? 」
「今は他のメンバーと共に補充物資の積み下ろしを手伝っています。表情には出ませんが元気ですよ?元気すぎるのかもしれませんが・・・」
とここに来た理由を頭に浮かべ、肩ががっくと下がる。そして、
「エルウィン殿、申し訳ない、そちらより我が騎士として預かり、本懐をとげらる様に示す所、満足な武器を渡すことが出来ず・・・」
「いえ、謝らないでください。一文字様。あなたがマリナをお預かりして頂けなければ、あの時に終わっていた存在ですから。それに数年たちマリナの力も上がっているのでしょう?」
「ええ、ここの所急激に上がってきています。星祭か?生誕祭か?何かの祭りに呼応しているのかもしれません・・・それでパール1将より連絡が来ているかと思いますが・・・」
「はい、パール様より連絡がきております」
一文字はエルウィンの顔を見ることが出来ず、後頭部を搔きながらパール1将がしてくれたであろうアベンジャーズソードの材料について聞いた。エルウィンは全てわかっていますとばかりに深く頷き、傍にいたチェインメイルにサーコートを着た若い騎士に目配せをする。すると若い騎士は森林十架教のU字にと十架が合わさったモニュメントの下に配置されていた長方形の木の箱を両手で抱えて運んできた。運ばれてきた箱の蓋をエルウィンは開けて、一文字に見えるように箱を傾けた。箱の中には1本の剣が、剣先に両刃斧がついた黒い逆十字剣が入っていた。
「こ、これは・・・
一文字は全て壊れたはずの
「エルウィン殿、これはもしやオリジナルですか? 」
「一文字様、こちらはオリジナルであって、オリジナルではありません」
「オ、オリジナルであって、オリジナルではないですか・・・?」
エルウィンからの謎かけに一文字は余計に疑問符が浮かぶ。エルウィンは一種の間の後に謎かけの答えを口にした。
「オリジナルの
「影打ち・・・オリジナルに近いからこそのこの気品を放っているのか・・・」
「これであれば今のマリナであっても耐えられると思います。どうぞお持ちください」
エルウィンは手を
「エルウィン殿・・・ありがとうございます。必ずマリナへ渡します」
一文字は身体を起こして箱に近づき、中に入っていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます