第13話 王と復讐の騎士13
「一文字隊長、どうしたんですか?凄い顔になってますよ? 」
「ん、あぁ少し自己嫌悪がね・・・とりあえず
「はい、了解です」
一文字とロレッタが
「ただいま戻りましたー」
「お、キングお疲れー。ロレッタもお疲れさん。粗相しなかったか? 」
「粗相ってひどい、ジュリアルドさん!」
「そちらも終わったようだね」
「問題無しじゃ」
「・・・・・・」
「ん・・・隊長その箱の中から妙な気配がする・・・その中身は」
「これは・・・見てもらった方が早いかな」
一文字は戻ってきた挨拶をしていたが、マリナは一文字が持ってきた箱をじっと見つめ、グローサリーは
「・・・・・・・!」
「キ、キングこれは
「これは
「・・・影打ち?」
「オリジナルを選ぶ際数本打たれた剣の内、選ばれなかった剣の事だよ」
「ふむ、この剣はオリジナルではないけど、ほぼオリジナルと同等ということじゃな」
「えぇその通りです。これ以上の剣は僕らでは用意できません・・・祭祀殿にはやられましたよ・・・かなりの貸しですね」
「貸し・・・な・・・それだけじゃなさそうじゃが。ま、相手は政争の中も生き抜いてる古狐じゃ。これも勉強じゃよ」
「・・・はい」
オラジからの言葉に一文字は渋い顔からまた苦虫を嚙み潰したよう顔になった。左手を握り締め、オラジの言葉をなんとか飲み込み返事を返した。
その表情をみたオラジは一文字の背を叩いた。
一文字はマリナの方を向き見据え、木箱に入っている
「これは
「は、この身をとして成し遂げます」
マリナは左膝をたて、片膝をつけて、宣言を返した。
一文字は少し横へそれるとマリナは立ち上がり、両刃斧がついた黒い逆十字剣、
マリナは腰につけていた前の
一文字はカーライル城での
「一文字隊長ちょっとマリナさんの事で聞いても気になることがあるので聞いてもいいですか? 」
「マリナの事ですか。僕で答えられることであれば答えはしますが・・・」
「なんじゃロレッタ何が気になるんじゃ? 」
「まず先ほどの一文字隊長とマリナさんの話なんですけど、一文字隊長が王様でマリナさんが騎士というのはわかるのですが、その騎士に復讐を認めるのって良いのかなぁと。普通騎士って王様とか国民を守りなさいとか言うものじゃないですか? なんかもやーってしているんですよ」
ロレッタはこめかみに人差し指を当てて、うーんと悩んだ。それは見た一文字はどんなことに引っかかっているのか想像がつき答えた。
「あーなるほどそこに疑問を持ちましたか。確かに普通はロレッタが思っているのとであっているのですがね。マリナは騎士としての理由と階級名称が違うんですよ。さらにいえばマリナを魔術的契約で縛る為にも必要ですし」
「階級と契約ですか・・・」
「マリナは騎士にどんな名称があるか知ってるのかのう? 」
「騎士は騎士ではないのですか? 」
「まずはそこからかの」
一文字は困ったような顔をし、オラジは顎を撫でながら、二人は騎士について話し始めた。
「いいかいロレッタ、騎士は仕えた相手や場所もしくは立場などで、その名称は変わるんだ」
「軍としての騎士、その上の正騎士、王族に使えるのなら
「おおーーーそんなにあるんですか」
「ロレッタは素直じゃのう。ジュリアルドの奴と違って答えがいがあるわい」
オラジが色々な騎士の名称を出すとロレッタは素直に驚いた。素直なロレッタな態度にオラジはうんうん感慨深げに頷いた。一文字はオラジに続いて話し出した。
「そして、マリナは森林十架教の
「フュ、怒りの
「カルトだね、だから僕が出てきた。怒りの
「
「ええ、存在理由が理由なだけに知られた騎士ではありませんが・・・仇討ちの相手は樹獣や樹虫です」
「あ、それで最期の休憩地で女の子に話しかけられた際、言い淀んでいたのですね・・・」
「そんな契約の経緯もあり、森林十架教よりマリナはL.M.D預かりなったのです」
ロレッタは最後の休憩地で出来事を思い出して、軽く気持ちが沈んだ。そんなロレッタの気持ちを思いやれる姿を微笑ましく見つつ、一文字は話しを纏めた。
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