第10話 王と復讐の騎士10
あれより数日、一文字の火星6の護符の効果か補充部隊に襲撃なく、カーライル城駐屯地まであと30分ほどの距離に近づいてきた。
「ふぁー大きいですねーそしてなんかふさふさっと茂っていて、何か丸いものがなっていますね、ブドウっぽいけど茶色っぽい房違うみたいです」
「よぅロレッタ、シードブレイクで発芽した樹は初めてか?」
「いいえ、ロンドンで発芽した大樹は見てますが形が大きくちがうのであちらのは1本まっすぐ伸びた大樹でしたから」
「そうですか、あれはこの地球にあった樹で、シードブレイクの種が取り込み発芽した樹です。元はリュウガンもしくはロンガンとも言います」
「え?ロンガンって、うちの会社名にある?」
「そうです。あの樹とうちは深く関わりを持っています。シードブレイクの種が発芽の際、虫や獣と共に実をつける種類の植物を取り込んだ場合、その植物の実がなった時、中から樹虫や樹獣が生まれることがあります。その現象によって今日までの現状に至ります。」
「えええーーーーそうしたら今から行く駐屯地も危ないんじゃないんですか!?」
ロレッタは初めて見る形の大樹に感想を漏らすとジュラルドが初見か聞き、一文字が大樹の秘密を話した。ロレッタは樹虫や樹獣がどこから来たのか知り驚き、駐屯地の危険性に気が付いた。しかし、一文字はそれを否定する。
「いいや、あの駐屯地の大樹は僕たちや他の魔術師たちによって、魔術的処置をしているので大丈夫ですよ」
「え?」
ロレッタの疑問符に一文字は大樹の事、そして自分たちの会社の事を話し始めた。
「ここ英国の地においては、カーライル城を始めとしてウィンチェスター城等に同じようなロンガンの樹が発芽しました。幸運なことにロンガンの樹として発芽した場所が龍穴上にあり、更に龍脈でもって結ばれていました。僕たちは知りうる知識を集めて、幻想としてはある世界樹の存在情報を龍脈とつながり龍穴上に発芽したロンガンの樹の情報に上書きし、現実化する事で制御もしくは無害化を魔術によって可能な事がわかりました。その後、世界各地にL.M.Dの創設メンバーがそれぞれの土地に生存していた魔術結社に声をかけ、大規模儀式魔術をかけたのです。それによって人類が生き残れる空間を作れたそうです。」
ロレッタはL.M.Dの創設メンバーが各地に飛び回り、現地人との調整等した結果、大規模魔術によって生存圏の確保に貢献していたこと知り、何度とつかない驚きの声を上げた。
「それは凄いですね! 魔術ってなんか胡散臭い気がしていましたが出てくる話にはいつも驚かされます! でも良く他の方たちが協力してくれましたね。普通いきなり魔術でなんとかなります。協力して下さいって言っても、同じような魔術結社同士でもそんな怪しさ満点の話しに乗らないかと思うんですが・・・? 」
「ん、確かにそうだけどその当時は生き残る事に必死だったんじゃないかな・・・?大規模儀式魔術をかけた当時は生まれていなかったのではっきりとは言えませんが、その後、その土地にあった魔術結社は国等に帰属し、現在の軍と混じりあったりしています。ただ僕たちは国家間やその間で動けない所等にも手を伸ばすため、ロンガンに魔術をかけた内の1社として、
「おおーなるほど、そうやってこの会社が創立されたんですね!? 」
ロレッタは
「それから俺たちが乗っているMDが世界初のMDなんだぜ! 」
「はっ? ジュリアルドさんが乗っているMDが世界初? 」
「俺のMDだ 」
「え? グローサリーさんのMDも? 」
「そうじゃ、MDを最初に作り上げたのが我々、L.M.Dじゃ。その時五機作成されたが今残っているのが、ジュリアルド、グローサリーが乗っているものじゃ」
「えっえっーーー!? MDも初なんですか!? なんですかこの会社ーーー?! 」
ロレッタは頭を抱えて叫びだした。ジュリアルド達の話しからロレッタの驚きが止まらない。身体をわななかせながら声を上げる
「もうなんですかこの会社は? 魔術なんてわからない物からMDまで作り出すってすごすぎですよ! そもそもMDってすごい高いですよね。私の借金凄いことになりそうでしたし!? そう、そうです。それを開発する資金ってどこから出てきたんです?」
とロレッタは話をしている内に段々冷静になってある事に気が付いた。そこへ一文字が答え合わせの如くに答えた。
「良い所に気が付いたね。
「予想外の答えが!? つまるところ商社が元ですか?! え? 商社が傭兵会社つくちゃったんですか!? 」
「いやロレッタそれ程驚くところじゃないと思うぞ? シードブレイク以降荷を運ぶにも守る為に戦力が必要だった。自前の戦力があれば出費も抑えられるしな。合法的にする為に傭兵会社を設立するのはおかしい事じゃねぇ? それにうちにはMDが登場する前に魔術って反則技があった。元が商社だからこそ、ここまで大きくなったと思うぞ」
「な、なるほど! 確かにそうです。あぁ私が入った会社がそんな凄い所だったのですね♪ ラッキー私! それに大手だから賃金、保険もばっちりだし! 私、頑張ります」
ロレッタは両腕に力を込めて気合を入れる。
「あれ・・・そういう話か・・・? 」
誰ともなく呟いた言葉を最後に
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