第30話
時は少し遡り…
アメリカ合衆国バージニア州
アメリカ国防省ペンタゴン地下3階
本来ペンタゴンの表向きは地下2階しかないが、
更にその下に、有るはずのない地下3階があった。
そこには広大な空間に、
スペインのサグラダ・ファミリアを連想するような
荘厳な建物があった。
建物のその奥に直径20mはあろう巨大な円状の机に
各国の大統領、冒険者組合総長達が一堂に会していた。
アメリカ合衆国大統領
ロイド・バイロン大統領及び
ギルド総長 エリオット・ウィリアムズ
フランス共和国
ドリエル・マクロウ大統領
ギルド総長 ジョセフ・デビット
イギリス
ファリス・キーソン首相
ギルド総長 アーサー・ジョーンズ
ドイツ連邦共和国
エリー・アルケル首相
ギルド総長 ソフィア・シュナイダー
日本
本郷 吉秀首相
ギルド総長 五十嵐 重悟
ロシア連邦
アレクサンドル・ローチン大統領
ギルド総長 ミハイル・ヴォーバ
カナダ連邦
オリビア・ロルドー首相
ギルド総長 エマ・ブラウン
イタリア共和国
ジュリア・ビアンキ首相
ギルド総長 マリオ・ブラギ
世界円卓会議総括長
源 龍弦
主要8カ国総勢16名による世界円卓会議がここに開催された。
龍弦「これより世界円卓会議を開催する!
…各国首脳の各々方、
この10日間で世界に実りある議論を
行える事を願う…。
くれぐれも喧嘩するでないぞ?」
真っ先にアメリカ大統領が口を開く。
ロイド「…で?なんで俺の国にガン首揃って
集まってんだ?俺は龍弦の爺さんに
話があるからこのペンタゴンを
使わせろとしか聞いてないんだが?」
龍弦「まぁ、そんな固い事言うでない。
そう言わなければお前さんは首を縦に
振らんだろう?
それに最近のダンジョン活性化の事もある」
ロイド「…ちっ。食えない爺さんだよ。」
本郷「龍弦老師、ダンジョンの活性化というと
現在増加傾向にあるダンジョン内の極一部の
転移装置がランダム転移してしまう、
誤作動の事ですか?」
龍弦「それもある。じゃがそれだけではない事が
わかって来た。」
オリビア「モンスターの事ね…?」
龍弦「そうじゃ、、、どうもダンジョンの底階層や
中階層で通常発生しない強力なモンスター
が出現する様になってきた。」
アレクサンドル「ふん!そんなもの我々ロシアの
精鋭が悉く鎮圧してるから問題ない!
そんな下らない事で呼んだのか!?」
ジュリア「アレク黙りな。アンタのその人を
見下した態度治しな?鼻に付くんだよ。
老師はそれくらいなら私達を呼ばないよ
……ねぇ?老師?」
ジュリアは龍弦に横目を向けながら尋ねる。
龍弦「そうじゃのう。ジュリアの嬢ちゃんが言う様
にそれだけでは呼ばんの。」
ジュリア「ちょっと!私を嬢ちゃんだなんて
呼ばないで!
そんな呼び方するの老師だけよ?!」
アレクサンドル「だったら何故呼んだのだっ?
我々も暇ではないのだぞ?」
龍弦「落ち着くのじゃ。
取り敢えず結論から言おうかの。
…正確な時期は定かではないが、
後7年から8年以内に世界規模の魔物氾濫が
起こる…。」
龍弦の言葉を聞いていた各国の首脳やギルド長達は
一斉に腰を上げながら驚いた。
ロイド「ちょっと待て龍弦の爺さん!
その話は本当か?!」
龍弦「うむ。これが儂の子飼いの部下達が調査して
判明した資料だ。」
配られた資料に目を通しながら頭を押さえる各国の首脳達。
ロイド「……なんて爆弾をぶち込みやがるんだ
このジジイは!」
エリー「これ…放っておくと大変な事に
なりませんか?」
ドリエル「Ms.エリー大変な事で済めば
良い方ですよ。
もし世界中で魔物氾濫が起きれば、
インフラが機能しなくなる。
そして、モンスターによって
大勢の死者が出ますね。」
ロイド「そんな事が起これば世界中大混乱になる。
どうするんだ?このまま指を咥えてその時
を待つのはゴメンだぜ?」
龍弦「それを今から議論するのじゃよ!
儂らが集まれる時は限られておるからの。
この10日で最低でも方針を決めねばならん
のじゃ。
儂の見立てでは何もせずその時になって、
その場その場の対処をしていると
人類の約30%が死滅する事になるじゃろう…
それを心に留めて置いて欲しい。」
皆、龍弦の言葉に愕然としながら席に着いて唸っているのだった。
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