　あなたには、だいじな人がいる。

　あなたには、守るべき人がいる。

　それを知りながら、そばにいるのはわたしの意志。

　わたしには、だいじな人がいる。

　わたしには、裏切れない人がいる。

　それを知りながら、そばにいるのはわたしの意地？

　それでも、そんな境遇でも、愛し合えるんだよ、と、

　どこのだれに向かっての主張なのか。

　うまく言葉にできないこともあるよ、けど、

　この人の手を離してはいけない、って直感が消えない。

　一度離れてしまったら最後、

　二度とひとつになれないことを知っているの。

　離れてもいい、そう思えるときまでは、

　この手は離してあげないんだから。

　叶わない恋だと知っていても、

　そばにいるときのあたたかさは本物だ。

　叶わない恋だと知っていても、

　想いの深さは増すいっぽうだ。

　叶わない恋だと知っていても、

　ふたりの邪魔はだれにもできない。

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