幕間


「やっぱり居た!!隠しキャラー 保健の先生かぁ妖艶な感じでめっちゃいい!!隠し要素なんだろう?」


少女は画面に釘付けになりながら考える。

西園寺眞なら、異世界の王子。新谷薫なら、吸血鬼などこのゲームの攻略キャラは一癖も二癖もある。

それが、このゲームが人気の理由なのだが。


「やたらと、白を推しているから天使とか、かなぁ?」



――――――


『呼びだし何だったの?』


『土曜の試合。スタメンが決まったもんだから、ユニフォームとか貰ってた』


【新田くんは白い歯を見せて笑いながら、肩にかけた自分の鞄をポンポンと叩いた】


『そうなんだ。入学したばっかりなのにスタメンなんて、凄いね』


【日が沈んで、夜の帳が降り始めた外はまだ少し肌寒い。春の澄んだ空には一番星が輝いていた】


『すげぇーな。まだ明るいのに』


【空を見上げ、新谷くんが星を指さす。一際強く輝く星は瞬きの間に流れた】


―――


「これ、天田先輩の新イベントだぁーー」


必死にテキストを読んでいた少女は選択肢を前に頭を悩ませる。

選択肢は2つ『お断りします』と『実行委員の仕事があるので。今はちょっと……』

どちらを選んでも、断ることに変わりはないが。。


「天田先輩って曖昧な選択肢を選ぶと全部肯定として受け取るんだよね…」


「フルコンプリートをする為には、隠しキャラを攻略しなきゃだし」


好感度を上げないようにするべきだよね。そう呟くと少女は十字キーを操作して上の選択肢をえらぶ。


『お断りします!!』

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