生徒会イベント

『それでは、先に説明していた通り。君たちには、新入生歓迎会での我々生徒会との橋渡し役をお願いするよ』


【生徒会長の西園寺先輩は机に腰掛け、向かい側に立つ達にほほ笑みかける】


『あれ?君は今朝の。落し物拾ってくれておおきに』


【西園寺先輩の隣に立っていた、生徒会副会長の京極先輩がアメジスト色の瞳を私に向けてくる。京極先輩は普段お家の仕事の関係で生徒会室に居ることはあまりないと由香がゆっていた事を思い出した】


(チッ。やっぱり居るか)


心の中の悪態とは打って変わって、私の口から出る言葉はとても好意的だ。

西園寺が座っている椅子は、どこから持ってきたと問いかけなくなるように豪華なもの。

校長、(まぁ有象無象なのだが)ですら座らないような代物。

彼の目の前の書斎机もただの一生徒が使うには過ぎたもので、傍らに立つ京極のお前は執事かと言いたくなる姿勢も相まって、どこかの悪の組織のボスに見える。

いや。実際は……


(グリンピース?グリンブン?ん?まぁいいや。忘れた。とにかく、コイツは異世界の王子なんだよなぁ)


『ここで代表を務めてくれた人達は、来年時期生徒会役員に選ばれる事も多いから頑張っね』


(よく言うよ。まともに2年生迎えた事なんて今まで1度もないからなっ!)


そもそも、西園寺るーとでは夏休みすらこの学校で越すことは出来ない。

西園寺が本当に住んでいる異世界に連れ去られるのだ、聖女だなんだと言って。


『ちっーす。よろしくお願いします先輩』


【緊張している私とは対照的に新谷くんは、軽々しく頭を下げる。生徒会長の西園寺先輩への軽々しい態度に私は内心焦った】


【ことぶき学園の生徒会長と言えば学園長に次ぐ権力をもつと言うほど、ことぶき学園では絶対的存在なのだ】


(一応仮にも、先輩。しかも初対面の相手に取る態度としては最悪だよね。まぁ?新谷の方が圧倒的年上何だけど)


新谷薫は吸血鬼。

しかも、何百年も生きている。私との幼少期は吸血鬼の力で体も小さくしいたらしい。

本来の姿はこの16歳ぐらいの青年の姿、吸血鬼になった年齢だ。


“新谷るーと”で新谷だけが幸せなのでは無いかと思われる“えんど”で私はホルマリン漬けにされる。


何でも?私が吸血鬼になるには、真祖が血を吸う必要があるらしく、けれど真祖に血を吸われると真祖が求めた時に体も差し出す、ヴァンパイアブライト?になるそう。


それに切れた新谷が真祖を殺して、私を吸血鬼に出来ずそれでも一緒にいたいからと、ホルマリン漬けの水槽の中で奴に飼われる。

ちなみに別のえんどでは、真祖を殺し真祖の力を手に入れた新谷に私ら吸血鬼にされる。


(どう足掻いても、不死にされるって恐ろしい)


新谷の顔を盗み見ながら、考えていると体の自由が効き始める。

どうやら強制いべんとが終わったようだ。


「一緒に帰ろうぜ」


新谷が私のカバンをひょいっと取り上げる。


(ゲッ!そうだった。辞書取りに帰るってゆってコイツから逃げるだったぁぁ)

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