旗 土の上

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 土の上に旗が立ってる。


 公園の真ん中に、真っ白な旗が。


 昨日遊んだときはこんなものなかったのに。


 よーく観察してみると、見ていた旗は裏だったようだ。


 回り込んで表の柄を見てみると、太陽のマークが書かれていた。


 これ、見たことある。


 近所の人レストランのていきょーメニュー。


 お子様ランチの旗だ。


 レストランに行った誰かが、帰りに公園によって、ここに旗を突き刺していったのかもしれないな。


 でも、なんで?


 理由はどうして?


 じっと考えていたらセミの抜け殻がころがっていた。


 脱皮したセミの抜け殻だった。


 脱皮してる途中のセミが踏みつぶされないように目印にしたとか?


 しっくりこない。


 それだったら、もっと高い所にセミを置いておけばよかっただろうし。


 もしかしたら、何かの生き物を埋めたお墓だったとか?


 それで、旗を立てた?


 でもここ公園の真ん中だし。


 うーん。


 一体どういう理由で旗を立てたんだろう。


 分からないなぁ。


「あっ、まーくん公園来るの早いね。サッカーボールもってきたから一緒に遊ぼうよ」


 友達がきちゃった。


 まあいいや。


 旗の謎は後で考えよう。







 公園に旗を立ててきた。


 その理由は……。


 特にない。


 しいて言えば暇だったからかな。


 でも、夏休みだったから、何でもいいから何かやりたかったというのもある。


「そうだ旗を使おう」


 それで旗を立てる事を思いついた。


 自分の家から公園が見えるから、暇つぶしにちょうどいいと思ったんだ。


 公園の中にポツンと立つ存在。


 あの旗を見て、誰がどんな風に行動するのか。


 観察してみるといいかも。


 あっ、人が近づいている。


 一体どんな行動をするのかな。


 自由研究の課題にしても面白いかもしれない。


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