第5話 森の中の一軒家
「はぁ、はぁ…」
ナディアは何処を走っているかわからなかったが先へ先へと走った。
もう息が切れて休みたかったがまたあの男達に見つかると思うとどうにか足を動かす。
かなりのこと走ってちょうどナディア達が隠れされそうな洞を見つけて飛び込んだ。
草で入り口を隠して息を殺す。
外からは足音などは聞こえてこなかった。
ナディアはほっとするとラビを抱きしめたまま気を失った。
はっ!
ナディアは目を覚ますとベッドに寝かされていた。
キョロキョロと周りを見るとベッドが置いておるだけの質素な部屋だった。
「ラビ!」
ラビがそばに居ないことに声をあげる。
ここの人に拾ってもらったとしてもラビは魔物だ、もしかしたらラビは…
悪い予感がしてベッドから起き上がると部屋を飛び出した。
「すみません!私といたうさぎは!?」
部屋を出るなり声をかけると、そこには椅子に座る綺麗な男性がラビを膝に乗せてのんびりとお茶を飲んでいた。
「ラビならここにいるよ。君は大丈夫?」
ラビは気持ちよさそうに男性の膝で気持ちよさそうに寝ていた。
「ラビ…」
よかったと気が抜けて床に座り込む。
すると男性はラビを空いてる椅子において近づいてきた。
「助けて頂いたみたいでありがとうございます。私達すぐに出ていきますので…」
ナディアは必死に立ち上がろうとする。
「ゆっくり休んでっていいよ」
男性は淡々と答えるとナディアに手を伸ばした。
「きゃ!」
ナディアは先程の男性の事を思い出し思わず叫ぶと手を払ってしまった。
「ピキュ?」
するとナディアの声にラビが目を覚ます。
私達の様子をみて飛んで来ると男性に向かって毛を逆立てた。
「なんにもしてないよ」
すると男性は苦笑してラビに話しかける。
まるで言葉でもわかっているようだった…
「ラビ、この人は助けようとしてくれただけだよ。私が驚いて手を叩いちゃったの…ごめんなさい」
ナディアは男性に謝った。
「まぁあんな目にあったらそうなるかもね。ここには来れないから安心して休みな、ラビもまだ疲れてるみたいだしね」
そういうとラビを抱き上げてまた椅子に座らせた。
「で、でも」
この人はラビをうさぎと勘違いしてるのかもしれない、もし魔物とバレたら…
襲ってきた男達と同じような事をするかもしれないと思い早く家を出たかった。
そんなナディアの思いとは裏腹に男性はラビの頭を撫でる。
そこには角が!
ナディアがやめさせようと立ち上がる。
「あーあ、頭から体当たりしたんだね。角が痛むよ」
男性はラビの角の事を知っていて優しくそこを撫でていた。
ナディアはその様子を唖然と見つめていた。
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